ブッポウソウの声の主 コノハズク
コノハズクは、「ブッ・ポウ・ソウ」と鳴き、「声のブッポウソウ」の別名を持っています。
青色の野鳥・ブッポウソウが、「ブッ・ポウ・ソウ」と鳴くと信じられて名付けられたが、実際はコノハズクが、「ブッ・ポウ・ソウ」と鳴くので、「姿のブッポウソウ」に対して、「声のブッポウソウ」と呼ばれているのだと思います。
コノハズクを漢字で表すと「木葉木菟」。木葉が木の葉、木菟がミミズク。ミミズクは、フクロウ科の中で、頭に耳のような形の羽毛があるものの総称です。つまり、木の葉のような小さなミミズクと言うことで、名付けられたと思われます。
コノハズクの容姿を見ると、ブッポウソウより、コノハズクの方がしっくりくると思います。
コノハズクは、東南アジアで越冬し、春に日本に戻ってきて、森林の樹洞やキツツキの使った巣穴で繁殖します。体長約20cmで、日本で見られるフクロウの仲間の中では、最小の大きさです。全体が灰褐色、もしくは赤褐色に覆われます。
フクロウと同じく夜行性で、昼間は、単独で枝に留まって、じっとしているので、見つけるのは至難の業と思われます。
コノハズクは、小さくて夜行性なので、森の中で観察するのは難しいので、「八東ふるさとの森」で観察します。「八東ふるさとの森」では、コノハズクの繁殖のために巣箱がかけられていて、例年、巣箱を使って繁殖します。
コノハズクは、産卵した後、メスが抱卵します。抱卵中、オスは近くで巣を見守っていますが、木と木の間に隠れて、発見できないことも多々、あり、探すのが一苦労です。子供が孵化して、成長してきると、メスの親鳥が巣箱から顔を見せることがあります。
幼鳥が育ってくると、親鳥は巣から出て、2羽で巣を見守っています。幼鳥が巣箱の穴から顔を出してくれる時もあります。
幼鳥は、2週間で孵化し、3週間程度で、巣立ちします。複数の卵を産み、巣立ち時期が成長具合で違うので、すべての幼鳥が巣立ちするまで、巣箱近くで幼鳥を観察できます。すべての幼鳥が揃うと、一家揃って、森の中に移動していきます。こうなると、コノハズクの姿は確認できません。
また、「八東ふるさとの森」では、夜間ライトアップをしているので、通常では見ることが難しい給餌の姿を見ることができます。
以上のようにコノハズクの観察は、抱卵から巣立ちして森に移動するまでの期間、「八東ふるさとの森」で観察しています。