葦をさがすクマ -ミックスとアレンジ-

専門学校に通っていた時に放送作家の先生から企画の生み出し方を教わったことがある。

大きく分けて二つ。
①ミックス
 →既存の企画を混ぜ合わせる方法。
②アレンジ
 →既存の企画を少しだけ変える方法。
の二つだ。

そもそも放送作家の先生が言っていたのだが、全く新しい企画を生み出すことは非常に難しい。
これは、発想力が乏しいからとかいう問題ではなく、ほとんどのアイデアはこれまでのエンタメの歴史で出尽くしているからだ。
(シェイクスピアなんてほとんどのジャンルを網羅してしまったとかなんとか…)
そんな状況の中で0→1で何かを作り上げることはほとんど不可能なのだと。

だからこれまで先人たちが気づき上げてきたものを混ぜ合わせたり手を加えることで新しい(風)企画を作るしかないということらしい。

話としては非常に納得がいく。

ただ、それでは自分らしい企画は生み出せないのではないのかと思ってしまった。
誰かが作ったものを足したりちょっと変えるだけなんて自分でなくてもいつか誰かがたどり着く。
そんなことして意味があるのかと悩んだことがある。

しかし、それは少し違っている。

確かに、何かと何かを足したり手を加える要素は同じかもしれない。
でも、どれくらい足したり手を加えるかは千差万別だ。
なぜなら、そういった具合というのは、それぞれが人生で積み重ねてきた何かしらの感性のようなものが働くからだ。
同じ人生は二つとないので、その感性が完全に一致することはない。
だからこそこれまで新鮮で面白いエンタメが生み出されてきたのだ。



あとは自分を信じるだけなのかもしれない。

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