シンクロするトルコ。「鵞鳥湖」をハズし「巡礼の約束」を見て帰った一日。
3月上旬、「レイラの、最後の10分38秒」を読了して以来、トルコの虜になってしまった。fbのトルコ料理に生ツバわき、トルコ旅行記に興奮し、カッパドキアとアナソフィア両方とも訪れるなら日程は?と仮想旅行まで妄想が広がっていた。
一方、観たかった映画が隣県・宝塚市で「2020秀作映画特集」にて再上映されるという。
二回見逃したらご縁がない。
これは気になる映画を取捨選択する際のMYルールである。
実は毎年ベスト映画を選ぶ際に、その年のMY見逃しベスト/未見だが見ときゃ良かった的作品/も選んでおり、
2020年の見逃しベスト映画は「倫落の人」と「鵞鳥湖の夜」だった。「淪落のひと」は3月-4月コロナ緊急事態宣言中で外出ままならず、「鵞鳥湖の夜」は10月頃公開だったが家庭事情で見られなかったのだ。
さて、上映時刻と最寄駅を調べ、せっかくだから近くで洒落たランチでも、と宝塚在住の友人Mに連絡を入れた。すると、Mさんの住まいは映画館隣の駅と分かり、ちょうど暇だしゆっくり家でランチしよう、と評判店のテイクアウト弁当まで手配してくれた。
瀟洒なMさん宅にて、野菜もりだくさんのランチボックスを食べる。コロナ禍でどう変わったか、互いの近況報告を交わすうち、二時間経過。
映画は何時から始まるの?
「えっと16時から(たぶん)」火曜と水曜で時間帯違ってたんだよなぁ。そこへ「お茶請けにこちらをどうぞ」とMさんが持ってきたのは...
“ターキッシュデライト”、
もちもち食感のわらび餅風菓子である。
「えぇ!どうしてトルコ?」驚く私に、「実は末っ娘がトルコ人と結婚してねぇ... 」まさか!
この時点で、ちょいヤバい!と感じてた。映画時刻を確かめなければ。今日は午後早めの上映だったような?ケータイで確かめたいが、人さまの食卓でケータイを見るのは憚れる。しかも、いまハマってるトルコの話題だ。彼の宗教は?向こうの両親は?結婚式は? 好奇心がもたげ、続きを聞きたくてワクワクがとまらない。
えぇい、映画よりもトルコだ。
そうして、感心させられたり、安堵させられたり、想いが募るトルコの話を一部始終聞かせてもらい、そろそろお暇する時刻となった。
予感はみごと的中。映画時刻は誤っていた。
観たかった「鵞鳥湖の夜」は上映終わり、次の上映は「巡礼の約束」だった。どうする、私? せっかく宝塚市まで来たから見て帰るとするか。気持ちを入れ替える。
◆「巡礼の約束」聖地ラサまで過酷な巡礼法を捧げる女性の物話。緑深い谷あいの村が美しい。幼い息子と今の夫が、なにもそこまでしなくとも、と止めるのだが、女性は静かに自分のつとめを果たすのだと譲らない。最後に頑な決意の真意と約束が明かされるのだった。
2018年 チベット映画
監督:ソンタルジャ
想いは、言葉は、シンクロする。
トルコがトルコを呼んだように、果たしてチベットは私に何を引き寄せてくれるだろうか。
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