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subscription(定額制)と賃貸住宅について

subscriptionについて考えていることを体系化してまとめようという試みは正直無謀で、誰かに任せようと思っています。

つまり、うまくまとめられた本を読ませていただきます、ということね

でもね、今このアタマの中で整理しきれない有象無象を整頓して吐き出したいという欲求はすごくある。

今回まずは賃貸住宅について。


この歳になるまで賃貸住宅で暮らしているため、最近はなくなったがそれを理由にした軽微なハラスメント的な事案はたくさんあった😎

曰く、「男子たるもの」云々、というやつ。

東京に住んでいても、男は家庭を持ったならば庭付き一戸建て云々、みたいなことを、それをすでに実現させていた年長者に諭されることは枚挙にいとまがなかった。

その記憶が、自分がこうやってsubscriptionについてアタマから離れない理由のひとつでもある。

それは本題ではないので、今度どこかでじっくり書こう。(長くなりそう。。。😓)


Amazonプライムと賃貸住宅って何が違うのか?

ここでは、subscriptionの代表格をAmazonプライムと定義する。


賃貸住宅って結局月額定額制で住宅サービスを買っているわけでしょう。

所有せずに

Amazonプライムと同じじゃない? と一瞬思ったりもするが

(基本)定額だし、毎月必ず引き落とされるものだし

結論から先いっちゃうと、けっこう違うものなんですけど😅


いちばん違うのは、お得感でしょう(笑)

賃貸住宅の家賃は、不動産の相場とかいろんな、我々にはuncontrollableなパラメータで決められてしまうし

そこに、価格破壊はない。相場感にくらべてお得な物件は必ずワケありだったりします

Amazonプライムは黒船来訪的な価格破壊感がある。最初から。

賃貸住宅は(分譲もだけど)価格破壊どころか家計を圧迫するもの。

圧迫するけど、絶対に必要なもの。住宅がないと露頭に迷って死ぬ。

生活必需品のきわみ。だから、立場的に客が弱くならざるを得ないことがある。

Amazonプライム(などのサービス)は家計を圧迫しない前提で申し込むもの。そして「ほぼ」生活必需品という感覚はない。

実際そのサービス体系の中に生活必需品(grocery)は包含されているが、

いつでも申し込めるしいつでもやめられる。他のサービスに乗り換えできる。

常に客側に優位性がある(実際は、うまくそのように見せかけられてるだけなんだけど。。。その話も長くなるから省略)


わかりやすいたとえ

大好きな(になってしまった)映画があったとしてそれをブルーレイで購入するひとはたくさんいます。

でも、大好きだけど購入はちょっと。。。と躊躇するヒトのほうが多いと思う。そういうヒトはたとえば観たくなったらレンタルして観るのかもしれない。

都度レンタル料払ってね。

躊躇する理由は主にふたつで

・購入する値段が(自分の金銭感覚には)見合わない

・購入(所有)すると物理的に自分が居住するスペースを圧迫する


ちなみに購入する側の動機としては、大好きであることの他に

・常に手元にあるから都度レンタル屋にいかなくともよい

・買ってしまえば死ぬほど観ても追加料金がかからない

という要素もある。

(昔のLPレコードはこれらに加えてジャケットアートの美しさも重要な購入動機であったが。。。)


でももし、その映画がAmazonプライムにあって、都度レンタルショップに行かずにダウンロードして好きなときに家で観れるのであれば。。。

定額料金さえ払えば!

と考えたときに

まず、Amazonプライムというサービスがその映画1本しかないのであれば、定額料金は払いませんわね。極論だけどね。

だってもしそうだったら高いもん。

でも実際問題Amazonプライムに入れば、視聴可能な映画タイトルは飛躍的に増えます。定額でね。

ブルーレイ1本4000円(てきとーです)で死ぬまで見放題と、Amazonプライム年間4000円で1万タイトル見放題ではどっちがお得かっていう話です。

それどころか、Amazonプライムおサービス体系は単に映画だけにとどまらず、多岐にわたり、めくるめくサービスを享受することができます。

サービス内容はあまりに多岐にわたるので省略。たとえば本とかね。

だから、トータルでお得と判断し、申し込むわけです我々は。


賃貸住宅とAmazonプライムの違いは、当たり前のことなんだけど、前者は多岐にわたるサービスがないんです。月額で相当額の家賃を払っても契約した、「そこ」にしか住まうことができない。

もし、月額で同じ額の家賃を払ったら全国津々浦々の賃貸住宅に自由に住まうことができるのであれば、いいですよね!

お得感発生。

その定額料金の中にそれぞれの賃貸住宅の家具レンタル料金も含まれるのであれば。。。

光熱費も込みだったら。。。。

その選択範囲が日本だけでなくアジアに、さらに世界中に広がったら。。。

サービス内容が単なる住宅だけでなく世界中のホテルも入ってきたら。。。

お得感というか黒船感発生してきますね。


と、ここで気づいた方も多いと思いますが、なんとなくAirbnb―民泊―の議論っぽくなってきましたよね。

でも今は旅行ではなく日常(生活必需品)の話をしています。


今の家賃+αで、世界中のホテルやシェアハウスに自由に行き来できます!

となったところで、人間って実際は好き勝手移動して住むことはできないんだけど(今は)、それでも気分的にまったく違うと思う。

たぶん、ものすごく自由になった気がするのではないかと推測する。

でも、ふつーに考えたらわかるとおり

・仕事

・移動交通費

の問題が立ちはだかる。

Amazonプライムのサービスがあまりに多岐にわたるためにすべてを使いこなすことができないように、世界中の住宅いつでも使えますよと言われたところで、結局いけるのは週末。

そしておそらく、人間は近場にしかいかない。

小笠原やリオデジャネイロだったら片道24時間。いってそこに一瞬座っておしまい。

疲れちゃう。仕事に支障をきたして本末転倒。

そして、往復いったいいくらかかんのよ、と。。。


では?

移動交通費すら定額だとしたら?あと3万上乗せしたら新幹線/国内飛行機/タクシーオールフリーパスつきますよ! となったら?

あと15万/月額上乗せしたら世界中行き放題ですよ、というオプションが登場したら?


そしてもし、「住まう」と移動(日本国内)が完全に自由になり、そして定額になり、それがいわゆるベーシックインカムに包含(天引き)されるとしたら?

余談ですけど、お年寄りはけっこう移動が自由ですよね。金銭的には。シルバーパスがありますもんね。そういうイメージでいいんです。

そこまでなってきてやっと、人間は重い腰を上げて、仕事含めたライフ・スタイルを根本から変えていくと思う。(逆の言い方をすればそこまでお膳立てしてあげないと根本的には変えないと思う)


もしそんな時代がくるのだとしたら、groceryも当然Amazonプライムのようなsubscriptionが登場しており、ベーシックインカムに包含されていることでしょう。

つまり、憲法で保障されている(んだっけ?)健康で文化的な最低限度の生活を営むことに対して、お金を払っている感覚がなくなるということです。

税金もベーシックインカムから天引き。

ただし、遊興費は自分で稼ぎなさいね、と。


今回はintroductionなので、今書いたことに対して「できない理由」を並べるのはなしで。

できない理由を述べるのは本当にカンタンです。カンタンであるがゆえにアラフィフ以上は安易にそれやりがちなので本当にやめてください 笑

自分は、いわゆる先進国はこういうふうになっていく可能性が高いと思っています。

我々はほとんどすべてのものを「サービス」として利用することになる。

そのサービスとは、無料という意味でのサービスではなく、定額料金を支払うが、その支払っている意識がだんだん薄れていき、あたかも無料でサービスを享受しているかのような錯覚に陥る。

そんな世界。そんな世界では、手元に所有することはすべて趣味となる。家も絵画も骨董品も。


自分がこういうことをぼけーっと考えるようになったのはたぶん、以前リゾートでクラブメッドに行ったのがきっかけなのだと思う。

クラブメッドのall-inclusiveはホント、黒船的でした。

考えさせられました。

価格破壊ではなかったけどねー😅

なぜ自分が歳をとるほどに飲み放題食べ放題(これも定額制)に惹かれているのか。。(笑)

その理由がわかったような気がしました。


最後に

Amazonプライムが黒船的価格破壊を実現できるのは、扱っているものの多くがソフトウェアだからです。

groceryもsubscriptionになっていくでしょうが、なぜ実現できるかというと大量生産が可能だからです。

ところが、不動産っていうのはある意味「ハードウェア」であり、大量生産はできないんですよね。

人間はこのハードウェアの問題をどう解決していくのだろうか?

不動産じゃないけれど、Uberは車という厄介なハードウェアをsubscription化しようとしています。それは今のところ局地的であり、課題はありますが世界中に拡がっていく可能性はある。

なぜ車をsubscription化できるかというと、まだ多くの人が認識していないのかもしれないけれど、現代の車っていうのはハードウェアにみせかけたソフトウェアの集合体なんですよね。

(そして大量生産可能だからというのもありますが)

不動産をソフトウェアの集合体にすることはできそうですが、「不動」産を「動産」にすることは物理法則的に難しいのかもしれない。

ではどうすればよいか?

・人間が不動産に見切りをつける(極端な例:キャンピングカーで暮らす)

・人間がソフトウェア化する

2番めについて補足すると、たとえばVR(3D)が今よりもっと発達したならば、6畳一間風呂なしアパートに住んでいても世界中に旅行し、世界中に暮らすことができるようになるかもしれません。

ヴァーチャルがリアルを凌駕する世界はもうすぐそこに迫っています。

今は、実際その場所に行き、この目で見ることに価値がおかれていますが、それもどうなるかわかりません

今の自分は、現代社会の通念や常識にとらわれてしまっているから(これでも柔軟なほうだとは思うけど)Ideaが出てこないんだけれど、

自分の下の世代の特に理系の人たちが、subscriptionというキーワードを軸に、世界中のサービスの概念を変えていき、

不動産ですらもその波に呑み込まれていくのではないだろうか?

と考えると、ワクワクしてきます。

実際そうなってくるんじゃないでしょうかね。我々が旧来の価値観を押し付けて下の世代の邪魔をしなければね!


おしまい。

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