スガシカオとドラえもんと何でもお手軽グッズ
何でも解決できるお手軽グッズがあるといいなぁと思う。
誰でもこんな事を思ったことはあるのではないだろうか。
小さい頃、ドラえもんのアニメや漫画を読んでいて、のび太がうらやましかった。
「いいなぁ」
どこでもいけちゃう「どこでもドア」
昔や未来へ行ける「タイムマシン」
空を飛べちゃう「タケコプター」
ドラえもんに頼めば、何でもお手軽に解決できるグッズがあのだみ声(私は大山のぶ代さん世代です)とともに飛び出してくるのだ。
小学生の私はキラキラした目で漫画を読んでいた。
父の友人の家はドラえもんの漫画が鬼のようにそろっていた。
私はいつもそのお家に行くと
必ず「ドラえもん」と楳図かずおの「洗礼」を読んでいた。
小学生には「洗礼」がとても刺激的な内容で(母親が美貌を得るために娘に自分の脳を移植をしようとする話)
おわー今見ても怖いですね(恐)
夢に出そうなくらい怖くて、でも怖いもの見たさで読んでしまって後悔していたのだが(今でもこういうところは変わらない)
ドラえもんは安定した面白さがあって、ごろ寝しながら「はははん」と読んでいたのを覚えている。
話は変わるが、ちょっと前の記事で私はスガシカオさんの曲を記事に張り付けた。
スガシカオは、初期の頃よく聴いていたアーティストだ。
彼の曲は前回記事にあげたバラードのような歌も好きなのだが、時々出てくる、人間のいやらしさというか、弱さや、醜い部分を扱った作品も好きだった。
その一つの傾向として
彼の歌の主人公はすぐ「お手軽グッズ」を求めているような素振りを見せることが多い。
例えば「サービス・クーポン」という曲。
ぼくの体についた不幸は窓を開けていたせいだし、君からの手紙もポストの中の物をとった人のせいで僕に手紙が届かないのである。
そんなふさぎこんでいる僕に
キイロイ「サービス・クーポン」があれば
何でも解決できちゃうし、君のもとへ僕が辿り着くことができるのだ。
あるいは
「魔法」という曲。
あれこれしたあとにサカナが腐っているようなひどい匂いがした手や、壁に沸いた部屋中の空気を吸いつくす暗闇の虫に対して
あの「マホウノクスリ」があれば全てが解決しちゃうから君に連絡をしたい僕がいる。
スガシカオは何でもお手軽グッズを求める人間を
この曲たちで表現することで
自分がうまく飲み込めないこの状況から逃げ出したい弱さや
安易にお手軽グッズに頼りたくなってしまうこの世の中を
上手に揶揄あるいは比喩しているのだと思う。
時代は便利になっている。
たいていのことはアレクサに頼めば何とかなるかもしれない。
けれども大人になって思う。
ドラえもんだって、例え未来の便利なお手軽グッズがあっても、のび太の使い方次第では結局失敗してしまう。
結局どんなにお手軽化しようと
いつも悩ましいのは
人間の心だ。
心だけはお手軽に扱えないし、
どんどんわかりにくくなっているような気がする。
それは年を重ねても変わらないんだなと
ため息をつきながら
なんとか毎日をやり過ごしているのだ。
※仕事で忙しいはずなのに
息抜き的に書きましたので
内容がとっちらかっています。ご容赦下さい。
※私のサービス・クーポンはやっぱり我が子かな~と思ってます。元気をもらえますね。
※追記:サービス・クーポンをともさんのコメントを読んで貼り付けてみました。