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ここではないどこかへ

「I'm here.-EP-」リリースツアー
"Tour to here"が終わった。

どんな旅だったんだろう。
どんな道を辿っていたんだろうか。
どう見えていたんだろうか。
「いってきます!」と出てきたところと
「ただいま!」と帰ってきたところは同じ場所なんだろうか。

僕の居場所は、肩書きの意味では2019年7月からPororocaのベーシストだ。

今思えばわざとらしく「I Love You」と愛のようなものを言葉にして口にしていたような気がする。

愛してもらうにはまずこちらから愛さないと。
これから始まる新しいPororocaには愛があると、そう口にしたかった。(のかも)

わかりやすい愛を叫んだ後に、ようやくここでの営みが身に付いてきた。
愛してるよ、って言葉より、言葉にしなくてもずっと一緒にいることの方が、当たり前さの中にしなやかで強い愛がある気がした。
この4人でいることが、目新しいことじゃなく、日常になった。「ここにいる」って自然と思えるようになった。4人が4人で立ち始めた。そんな機だった気がする。

そんな時に「Eureka!!!!」ができた。
板についてきた日常を、自分の居場所となった感覚を歌にして表現できた時だった。
 
不思議な歌だ。
亡くなってしまった祖母を、自分の中で永遠にするための歌。
俺がPororocaになるために、7年間Pororocaを続けてきた3人、俺を呼び続けてくれた3人、その声と伸びた手を掴んだ自分。どれがかけてもこうなり得なかったことを振り返って、全員を愛おしく思って、全員を天才だと思ってラブレターを書いた。そんな歌。

「ここではないどこかで
知らぬ間にずっと出会っていて
いつか選んだ◯の答え合わせをしている」

なんでもっと早く出会えなかったんだろうって思うこともあるだろうけど、
出会う前にのストーリーが僕にもあなたにも互いに必要だったんだろうと思う。

偶然か必然か、なんてきっとどっちでもいい。
選んだことの正解も不正解も心一つでひっくり返るんだから。だから、出会ってくれてありがとう。
 
今回の旅の意味もまた、旅の後に分かること。

次はどこに行くんだろう。
僕らは同じ場所には留まれない。
目的地を決めて揚々と繰り出す人。
進む先は風が決めるさと身を任せる人。
どちらにしろ時間は等しく未来へ進む。
またどこかで同じ気持ちに出会えるだろうか。

僕はまたゆらゆらと、大切なものと共に、移り変わる心と、変わらぬ魂と一緒に漂っていく。
ここではないどこかへ。

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