遠足や宿泊・修学旅行って休んでもいいのか?という話
遠足とか、宿泊学習や修学旅行って、けっこう大きい学校イベントですよね。
もしお子さんから「欠席したい」って言われたら、もしかしたら休ませるのって親にも勇気が要る決断になるんじゃないかなと思ったので、今日はそれについて私が思うことを書いてみようと思います。
1 欠席者はいるもんだという前提
保健室の先生って職業柄、ほぼすべての宿泊行事に引率するんですよ。
それで気づいたのが、例えば不登校傾向のお子さんのおうちが「修学旅行だけは…!」と我が子を送り出す一方で、意外と最初から欠席を選択する子も普通に居るんですよ。
スポーツの大会と日程が重なったからとか、
宗教的な理由で寺院がNGだからとか、
てんかん発作や夜尿症などが発症しないか心配だからとか、
みんな事情はさまざまだったし、地域にもよるのかもしれませんが、各学年こういう子は普通に1人くらいは居るもんなんだなぁというのが、先生として引率した感想です。
2 宿泊行事に参加できなかったデメリットってなんだ?
じゃあその欠席した子たちが宿泊行事に来られなかったことで、なにかあるのかと言えば…
まぁ仲の良いお友だちとカレー作ったり、日本の歴史を学んだりっていう機会は失われたかもしれないけれど、なんというかそれだけですよね。
それって「どうしてもその土地でその体験を!」と言うのであれば、仲が良ければ大人になってからでも自分たちでできることだし…
友だちと一緒に何かをするって意味では、案外宿泊行事よりも、普段の何気ない生活の積み重ねの方がよほど思い出に残るし、得難い経験のはずですよね。
だって中高生の頃、仲が良かった友だちとの記憶って、宿泊行事よりも普段のどうでも良いことだったりしませんか。
(まぁよほど面白いことがあれば、宿泊行事のことがその後も集まるたびに、伝説的に思い返されることもあるかもしれないけど…ねぇ。)
3 それは本当に、学校行事でしかできないことなのか?
最近は「そもそも修学旅行って必要なの?」という意見も世間ではあるようですが。
20年くらい前からじわじわと教育現場にあるのが
といったご意見で、実際に自治体によっては廃止されて別行事になったところもあります。
(他にも理由はあるのかもしれませんが、実際に廃止現場に関わったことはないので、あくまで真相については知らんけどレベルの話です。)
そしてこの反対意見として実際に私も聞いたことがあるのが
というご意見。
あぁ、確かに機会均等って意味では、スキーやディズニーランドも、鎌倉や松島や京都とか、メジャーな観光地に遠出する宿泊行事って、すごく恩恵を受ける子も居るはずです。
実際に体験できるのって、得難い経験になりますもんね。
でも逆に考えると、ですよ。
同級生と行くのはとても苦痛で、かつ、ご家庭で似たような経験をさせてあげることが可能な子っていうのは、無理して何がなんでも宿泊行事に参加して心身をすり減らす必要って…ぶっちゃけ、別にないんじゃないかな、と。
そんなこと職員室ではとても言えないけれども。
嫌なことでも耐え忍ぶ経験も必要、とか、行く理由はいくらでも作れるけれど、そもそもそんな経験を積んで、ブラック企業や社会の理不尽に搾取されるような人になることは、親御さんはもちろん先生だって望んでいないはずなんですよ。
(だからと言って、なんでもすぐに辞めたり逃げたりする人になってほしい訳じゃないので難しいけれども)
だからもし、宿泊行事が嫌なんだけど行かなきゃ…って死ぬほど悩んでいる子が近くにいたら、休んでも別にいいんじゃない?って言いたい。
たぶん大人にとっては「ちょっと無理してでも行くのが当たり前」って認識だから、休んでもいいじゃんって言うのは迷う…っていうのが正直なところだと思うんですよね。
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