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「英語が苦手」でお悩みの方に。生成AI時代の割り切り方

ChatGPT、すごいですよね。私自身、英文を作ったり、ライティングの添削をしてもらったり、英会話したりなど、毎日の英語学習に使っています。

生成AIがあれば、英語学習はいらないのか。
今日は、「生成AI時代、思い切って英語はすべて生成AIに任せる」という考え方について書きたいと思います。

英語ができれば

まず、私個人としては、英語ができることによってさまざまなメリットを享受してきました。少し挙げるだけでも、

  • キャリアの幅が広がった。外資系企業や海外企業でのポジションが得られ、年収も上がった

  • 海外出張、海外旅行でも大きなトラブルがない(あってもそれなりに対応できる)

  • (欧米を中心に)異文化理解力が高まって、見識が広がる

  • 英語学習を通じて、自分が成長しているのが楽しい

  • どんな状況になっても、なんとかなるだろうという気持ちが持てる

などがあります。
これからも、自分の英語力を高めるために努力を続けるつもりです。

英語学習には時間がかかる。モチベーション維持も大切

ただ、英語学習には時間がかかります。一定レベルの英語力を手にしようと思ったら、しっかりと時間を投資することは必須です。

また、「なんとなく将来役に立ちそうだから」というモチベーションでは、英語学習を継続させることがむずかしいという問題もあります。

(英語学習ではありませんが、私の失敗談を一つ。私は以前、「会計は社会人にとってマストなスキルだろうから、覚えておいて損はないだろう」と思い、数十万円の会計の講座を申し込んだことがあります。ところが、モチベーションが続かず一か月でやめてしまいました……。「高いお金を払ったら、なにがなんでも続けるだろう」という希望的観測もあったのですが、自分はそういうタイプではないと気付いたことが学びでした)

ここで、ChatGPTで英語学習がいらなくなるなら、それに越したことはないという考え方もあると思います。

専門家の見解

英語学習とAI・機械翻訳がご専門の立命館大学の山中司先生は、「CEFR B1の壁」という考え方を指摘なさっています。

CEFR(Common European Framework of Reference for Languages)というのは、「言語の枠や国境を越えて、外国語の運用能力を同一の基準で測ることが出来る国際標準」として策定された基準です。A1、A2、B1、B2、C1、C2の6段階に分かれています(C2が最上位)。

ブリティッシュ・カウンシル(以下リンク)をもとに作成

山中先生は、「CEFR B1レベル(英検2級程度)以下であれば、極端な話、AIが出力する英語に大いに頼ってもよく、また頼った方がよいかもしれない」と述べられています。

具体的には、一定程度「パターン」や「型」が存在するような英語でのやり取り、例えば、物品の発注や受注のような業務、また、値段の交渉や支払いの催促など、十分想定のできるやり取りならば、B1レベルで対応できると述べられています。

つまり、仕事で英語を使うといっても、例えばルーチンのメールのやり取りが主ならば、ChatGPTでOK。
業務で想定される英語使用が、ChatGPTで対応できることならば(そしてそのためにしか英語を使わないのなら)、極論、わざわざ自分で英語を勉強する必要はないとも言えます。

英語サポートをChatGPTにおまかせすることは、これはこれで前向きな意思決定です。人生の時間は有限ですから。生成AIを使って、人生の貴重な時間を英語学習以外のことに使えるようになるというのも素晴らしいことだと思います。

一方で、「CEFR B1の壁」と言われるように、CEFR B2以上の高度な英語力が求められる場面では、ChatGPTでは不十分です。

山中先生は、「B2以上は、予め想定できないような相手の話題やその複雑性に対し、適切に応対しやり遂げる能力が求められる」「一般的な、誰でも思いつくような当たり障りのない受け答えはこのレベルには期待されていない」と述べられています。

B1以下と比べたとき、B2以上では非定型的なコミュニーションが想定されていると私は理解しました。
例えば、スピーキングで海外の取引相手と新規プロジェクトのスコープや責任分担から議論するようなケースでは、かなり高い英語力が求められそうです。

ただ、このレベルまで来ると、高い英語力だけでもダメで、もはや英語だけの議論ではないですね。専門知識、交渉力、洞察力、人柄なども関わってきそうです。

最後に

今後の英語学習は、ChatGPTなどの生成AIの利用ありきで考えていく必要があることは間違いありません。

英語にアレルギーがある方で、ルーチンのやりとりや翻訳については、ChatGPTでほぼまかなえるかもしれません。

ただ、より高いレベルを目指す方には、やはりChatGPTでは不十分。

また、基本的なレベルのやりとりだったとしても、海外で自分のとっさの英語が通じたときのうれしさや、異文化に触れるおもしろさは、自分で英語を学習するからこそ感じられる部分だと思います。

最後までお読みいただきありがとうございました!
それでは。

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