山岳路地文化
1990年代後半は、ストリートカルチャーが勃興した時期だった。
ジャパニーズヒップホップの黎明期であり、トリックをするためのスケートボードがムラスポで飛ぶように売れ、BMXが初めて輸入され、そして、ストリートダンスでクルクル回る若者がたくさん生まれた。
山岳地帯の集落にもその波は届くほどで、駅南の広場でスケボー。夏祭りにストリートダンス。
僕もBMXを乗り始めた。
DCの靴を履き、Dragon Ashを聴いて、ZOO YORKのスケボーに乗った。
ブータンのような峡谷の集落で、ここまで頑張ったことを褒めて欲しい。
これらのギアを揃えたために、服にはお金をかけられず、基本的には学校ジャージでトリック練習。
夕方5時に、町内放送で「ふるさと」が流れる中、オーリーの練習をせっせとしていた。
田んぼに囲まれ、川の音を聞き、山に沈む夕日を背に、せっせと練習した。