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三四郎のオールナイトニッポン0〜

2024年11月24日、私は初めて武道館で開催されるイベントに参加した。そう三四郎のオールナイトニッポン 10周年記念 バチポコプレミアムライブ in 日本武道館 を観に行ったのだ。

私とオールナイトニッポンの出会いは遡ること4年ほど前である。私は大学院修了に向けて、修論執筆の真っ最中であった。駆け込みでできる実験をこなしつつ、その実験で出た結果をできるところまで修論に盛り込み、蚕の世話をして…と当たり前だが大学生活の中で一番忙しい時期を過ごしていた。

いつになく忙しい日々の中で、私はふとラジコのタイムフリーを聞いてみようと思い、オールナイトニッポンを聞いてみた。お笑い芸人がパーソナリティの番組が良いなぁと思いオードリーのを聞いたのだが、私にはあまりしっくりこず、何となく知っていた三四郎のオールナイトニッポンを聞いてみた。

「なんやこれ、めっちゃどうでもええことずっとしゃべってるやん」が第一印象で、修論執筆の息抜きにはこのゆるさが何ともちょうど良かった。私はおさるのジョージ情報がリスナーから次々と寄せられる回で、この番組が好きになり、毎週ではなかったけれども、たまに聞くようになった。

それから社会人になり、最初の1年半くらいは自分に余裕がなかったのか、全然聞いてなかったのだが、どういうわけかまたラジオを聞いてみよういう気分になり、久々に三四郎のANN0を聞いたら、それがまた面白くて、今ではファンクラブ会員にもなり、毎週末の数少ない楽しみとなった。

初の武道館、初のラジオイベントでチケットが当選したあと、ファンクラブのアーカイブやポッドキャストを通じて、通勤時間や昼ごはん後の残りの休憩時間に過去回を聞いて予習し、イベントに臨んだ。私の周囲でこのラジオを聞いている人はおらず、1人で参戦することに多少不安はあったが、実際会場に行ってみるとそこにはソロ参戦の軍人リスナーが多数いた。安心した。そういえばファンクラブ先行は1人でしか応募できなかったんだということを思い出した。

私は一階スタンド席であったため、誘導に従って開場まで入口の前で隊列を組みながら待機した。列の前後左右には、みな自分の世界に入り込み、他とコミュニケーションを図ろうとしない、軍人リスナーたち。私も例外ではなくその1人だった。開場の合図と同時に黙々と自分の座席に直行し、SEを聞きながらソワソワと開演を待った。

武道館って本当に八角形なんや、というのが会場に入って感じたことである。中央の日本国旗の下にはステージが広がっており、その中央のステージを囲む形で観客席がある。自分の席から向かい側の観客席も見渡すことができ、会場には一体感が感じられた。

そうこうしてるうちにオールナイトニッポンでお馴染みのテーマソング、ビタースイートサンバともに、イベントが始まった。ラジオは本来、基本的には1人で聞くものであり、どんな人たちが聞いているのかは把握することができないが、この日は普段顔の見えないリスナーたちが武道館に一堂に会し、リスナーが可視化されるというのがとても不思議だった。老若男女9000人ものリスナーと一緒にラジオを聞くというのは特別な体験で、自分が笑っているところでみんなも盛り上がっているというのが嬉しくて、いつもよりさらにラジオが面白く感じられた。ラジオはテレビと違って、リスナーからのリアクションメールにより、その場の流れで内容が創り上げられていく。リスナーも番組を成立させるための重要なファクターであるというのが、私がラジオのことを好きな理由であると思った。このイベントでも配信で視聴しているリスナーからのメールでひと笑いとったり、事前に寄せられたメールでお馴染みのコーナーが復活していたりと、リスナーなしでは成立しない場面がいくつもあった。

ステージ裏体感シートを購入した人たちはグランドマニアと呼ばれていたのも面白かった。グランドマニアシートに座る人たちが小宮に呼びかけられ、発した「ゔぉぉおおー」という雄叫びは今も忘れられず、思い出し笑いをしてしまう。事前に打ち合わせでもしたのか?と思われるほど、グランドマニアシートに座る人たちが画面に映し出されたたびに、その場の空気を正確に読んだ何ともいえない良い表情をしていた。あれもリスナーあってのこのイベントだと思わされる場面であった。

ゲストで登場したレイザーラモンHGのギャグ「フィー」はこのラジオを聞くまで存在さえも知らなかったが、会場で軍人リスナーみんなで真剣な顔をして、本人から正式なレクチャーまで受けて、「フィー」と叫ぶとは思ってもいなかった。「フィー」をやったあとに、それぞれが何事もなかったように無言で着席する様子も軍人リスナーらしいな…と少しおかしかった。

レイザーラモンHGの「フォー」は私が小学生の頃、爆発的に流行ったギャグである。あほな男子がことあるごとに「フォー」を披露して、よく担任の先生に怒られていた。当時私はなぜそんなに怒るのかよくわからなかったのだが、HGの意味を知ってから、あのとき担任の先生は生徒が「フォー」と叫びながら腰を振る様子をどう思って見ていたのだろう…と考えたこともある、笑。この歳になって、まさかレイザーラモンHGを生でみるとは思ってもいなかったが、でっでっでれっでっでっでぇー(相田風の言い方)の歌とともに、エナメルでテカテカした衣装を着たHGが登場し、ステージ中央で一心不乱に腰を振ってるのをみたとき、なんだこれ、あの衣装ぴちぴちですげぇーし、腰振るのはやすぎぃと笑いがこみ上げてきた。

パンフレットでこれまでになく普通にインタビューの受け答えをしていたなかやまきんに君が、シークレットゲストとして出てきたとき、私の頬がいつになく上に上がったためか、上がった頬を元に戻すと頬が痛んだ。R指定が多忙を極めてピザを作ることができなかったペナルティとして、言葉のチカラを利用してもらおうという流れで察しがついた。きんに君は年に一回のスペシャルウィークと変わらず、全然話が通じなかったが、生であの珍味回を体感できたのがとても嬉しかった。12月のスペシャルウィークは毎年きんに君がゲストだから、今年のアナウンスももうそろそろなんだろうか…?楽しみだなぁ。。

「ノリ禁止」の掟を破り、最後はノリで締めくくられた本イベント。最高に楽しかった。私はこのラジオの何の脈絡もなく進行されるノリのトークが好きで聞き始めた。最後のこのノリのトークもいつもの放送の通りだったのだが、いつもと違うのは軍人リスナーたちと一緒の空間でノリのトークを体感できたということだ。こんなにもいろんな人が一緒の番組を聞いて、楽しい時間を過ごしているのだというのを把握できたのが嬉しかったし、これからもこの番組が続く限り聞き続けていこうと思えるイベントだった。

いつもの口上とともにイベントは締め括られ、終わっちゃうのか…と寂しくなったが、今週の生放送があるじゃないか!と、また次の放送が楽しみになった。終演後、九段下のロイホまで歩いたのだが、さすが軍人リスナー、楽しさは自分の心のうちにとどめ、しっかりと個人で咀嚼し、黙々と各々の帰路についていた。Twitterで”軍人リスナー”がトレンド入りするほど、このラジオのリスナーは統率がとれており、それもなんだかおかしかった。

次は15周年なのだろうか。今から心待ちにしているのであります。チッチッ

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