『VIVANT』が面白すぎて、面白いドラマをもっと観たくなって久々に『アンナチュラル』を一気見したらドラマも主題歌も最高だった話
『VIVANT』最高でしたね!
「テレビ画面が割れそうな豪華キャスト」と話題にもなっていましたが、とにかく予想を裏切り続けた結果、「みんなみんな乃木のことが大好きだよ!」ってなった結末でした。詳しい考察やら感想やらは世に溢れているのでそちらでご堪能ください。むしろ1話からもう1回みたい。続きを正座待機。私待つわ。いつまでも待つわ。
で。ですね。私、昔から「めっちゃ面白かったー!」ってなった後は「我にドラマを…」って餓鬼みたいに欲する癖がありまして(小説の場合も同じ)。『VIVANT』も見事に中毒症状を引き起こしてくれました。
新たなものを発掘するより、忘れてしまった最高に面白かったドラマをもう一回みよう!と思って選んだのが『アンナチュラル』。
いざ見始めたら、これまた止まらなくなって1日で一気に観てしまいました。
みんな、『アンナチュラル』覚えてる?
タイトルにもなっている「アンナチュラル」は「不自然死」から取ったもの。不自然死究明研究所(unnatural death Investigation laboratory)=通称UDIラボで死因究明のために、法医解剖医たちが解剖を通して様々な事件の真実を見出していくお話です。
法医解剖医である主人公・三澄ミコト(石原さとみさん)や、同僚の法医解剖医・中堂系(井浦新さん)たちは、自身も複雑な過去を持っている。だからこそ「原因不明な死をそのままにはしておかない」という青い炎のような、静かだけれど、確かな情熱を持っています。
話の展開としては、ドラマによくあるパターンで、最初は個々の事件を解決しながらオムニバス形式で進み、それぞれのキャラクターの能力や個性、過去などが少しずつわかっていく。
そして、それが後半には次第に大きなうねりとなって、中堂系の過去が絡む大きな事件へと一気に向かっていきます。この事件がまた最高に面白いのでぜひ観ていただきたい。
でね、法医解剖医が主人公のドラマなので、どの話でも人が亡くなっています。事件もあれば、思わぬ事故もある。予想外の病気だとか実に様々です。
そして、どの死にも、必ずと言っていいほど遺された人がいます。家族のこともあれば、恋人のこともある。仕事仲間のことだってある。
関係性はそれぞれだったとしても、遺された人たちは、「なぜその人が死ななければならなかったのか」「最後に何を思ったのか」を知りたいと切実に願っている。それが、見ていてとても痛ましい。
「何か、自分ができていれば、この人は死ななくて済んだのではないか」「この人が何を最後に思っていたのか。苦しまなかったのか。悔いはなかったのか」
そういった想いがどの事件にも横たわっている。
そういった遺族の想いを拾い上げながら、法医解剖医が一つひとつのご遺体と向き合っていくのですが、ここで果てしなく良い仕事をしているものがありました。そう。挿入歌です。
売れまくった曲なので、今更何を語るかという気もしますが、『アンナチュラル』の主題歌であり挿入歌は、かの米津玄師さんの「Lemon」。私もこのドラマで相当ハマって、YouTubeで少なくとも120再生くらいはしたんじゃないかなと思う名曲です。
この「Lemon」がね。死因がわかった時とか、事件が解決した時とかに絶妙なタイミングで流れるんですよ。
大事な家族が、愛する人が、死んでしまった。
もう、戻ってこない。
それを受け止めた瞬間、そこに絶望する瞬間に流れるこのフレーズ。
「夢ならばどれほどよかったでしょう」。
泣く。
思い出して口ずさむだけで今も涙が出る(ドラマ見たてだから)。
この曲は、ドラマ用に書き下ろしたものだそうで。しかもちょうどその最中にお祖父様が亡くなってしまったとのこと(と今調べて知りましたが)で、全面に感じさせる内容になっています。
が、「死」という言葉は使われていないし、非常につらい(死ではない)別れとしても受け止められる。そういう歌詞なのですが、もう、とにかくドラマにがっつりはまっているのです。それを改めてドラマを見返していてしみじみと感じました。米津氏すげえ。
リアタイでドラマを見ていた時から、「この曲すごい良い」ってなっていたので、きっと今と同じように感じていたのでしょう。
それでも、時を経て、改めて見返した時の曲が与える効果の素晴らしさよ。良いドラマがさらに良くなる。これぞクリエイティブ×クリエイティブの醍醐味。
というわけで、何が言いたかったかというと、『VIVANT』の話もキャストも素晴らしかったし、『アンナチュラル』も思わず1日で全話一気見しちゃうくらい面白かったし、思わず久々にnote書いちゃうくらいにストーリーも出演者も見事でした。
特に、『アンナチュラル』のラストは宮部みゆきさんの『模倣犯』のラスト(これまたすごい小説なので読んでほしい)を彷彿させる煽り芸というか、犯人がハマった時の痛快さったら!
で、そこをひっくるめた世界観を作っちゃう「Lemon」の完成度の高さよ。時々、果てしなく主題歌や挿入歌が売れることがあるけれど、それって曲のメロディーや歌詞がその物語の世界観や見ている人の心情を一つの形として表現してくれるからなのかな、なんて思ったりして。
良い作品は岩(腰の重い私)すら動かすということで。
さあ次は何見よっかな〜。おすすめがあったら教えてください。
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