人生を変えたもの
本が好きだ。
改めていうのもなんだな、と我ながら思うけれど、それは物心がついた頃から変わらない。その記憶は、4歳ぐらいの時に、タイトルは忘れたが動物がいっぱい出てくる絵本が大好きだったことから始まる。
絵本がマンガ「日本の歴史」に変わり、「ファーブル昆虫記」や「シートン動物記」、江戸川乱歩、オカルト漫画(なんか10歳ぐらいの時にやたらとホラーものにはまっていた)、「りぼん」などなどを読み漁り、ルパンやホームズに出会ってからは一気に推理小説にハマった。こんなにドキドキワクワクするものがあるんだ!と思ったぐらいだ。
中学生になってからは思春期らしく、コバルト文庫などの少女小説を経て、吉本ばなななといった現代小説という存在を知り、「世の中には推理小説以外にも面白い本があるもんだなあ」なんて思うようになったものだ。
小学校の時は、二宮金次郎ばりにランドセルを背負ったまま小説を読みながら歩いて帰る子供だったし、10歳の時の誕生日プレゼントに買ってもらった推理小説全集20冊を2週間で一気読みしたせいで視力はガタ落ち。中学校の時には、自転車に乗りながら本を読むという愚行におよび、どちらにも集中できないことが判明してやめた。
そんな具合で、いつも傍らに本を置いて暮らしていた。
私にとって読書はレジャーであり、ドキドキやワクワクをくれる宝箱のようなものだった。
でも、「学生」という肩書きが外れ、「大人」になるにつれて本の存在の仕方が少しずつ変わってきた。何かを学ぼうと思った訳ではなくても、その中から悩んでいたことの答えを導き出したり、深層心理的に抱えていたものを突きつけられたり。
本が、私の人生さえも動かすことがあった。
これからここで、私の人生を変えたり救ったりした本を、少しずつ紹介していきたいと思う。それが誰かにとってイコールではきっとないけれど、「この本で何かが変わった人がここにいる」ということだけでも伝わったら嬉しい。
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