ほんまはあかんけど
コロナ自宅療養、最終日に突入しました!イノクーです。
外出を10日間も禁止されるのは思っていたよりも辛かった。ほんまはあかんけど、7日目ぐらいに晩御飯を食べた後、一歳次男と自転車散歩しちゃった。風が肌に当たる感触が気持ちよくて感動したわ。次男は電車が好きなので、線路沿いを通ったりして良い気分転換になったなぁ。ほんまはあかんけどな。
夏の夕方にそうやって自転車散歩していると、ぶわっと思い出したことがある。僕が小学校低学年の時に、パンチパーマの親父が「バイクに乗せたるわ」と言ってきたのだ。幼い僕はテンションが上がり、このことを明日友達に自慢しようっなどとにやにや。ところが親父のいうバイクは、ただの原チャリであった。僕は椅子の先っぽにもたれ掛かるように座り、親父はノーヘルでアクセルを回し出す。当然僕もノーヘル。
「どうや、速いやろ」と自慢気に話す親父は、子供みたいにキラキラしていた。僕はバイクに乗った興奮よりも警察に見つかったらどうしよう、学校の先生に見つかったらどうしようとひたすらビビっていた。近所の狭い道、田んぼ道を変な音を立てて走る、ノーヘル親子の原チャリは絶対に目立つに決まっている。「お前びびってんのか」と馬鹿にしたように言われたので、心の中で「違う意味でビビってねん!」と叫んだ。微妙な信号無視を繰り返し、無事に家に着いてホッとする。なんだかこの事は友達に自慢出来るものではないなと子供ながらに悟った。
前の小さい補助椅子に座っている次男が「かんかん」と踏み切りを指差している。久しぶりの外出に興奮しているのだろう。しかし、コロナで自宅療養中の身なのでなるべく早く家に帰った方が良い。分かってはいるのだが、予定より少しだけ遠回りして家に帰る。なんだかノーヘルで原付に乗っていた親父の気持ちが分かるような気がした。
明日から仕事が始まる。療養中に堕落した筋肉で、僕は鉄の塊を上手に持てるだろうか心配だ。