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スポットレートとフォワードレートの関係
今回は、現在と将来の金利の差に関する話。
金融はとても合理的なので、少しでもリターンが大きくなるのであれば、現在と将来を比較して将来の金利に合わせた投資の動きをすることもある。
本当に発想が面白い!
金利の期間構造
金利の期間構造とは、短期金利と長期金利の関係を指し、イールドカーブとも呼ばれる。
スポットレート(Spot rate):
将来受け取るべき一回払いの市場金利を年率換算したもの。
スポット金利の期間構造(スポット金利Sと償還期間Tのグラフ)は、スポット・イールド・カーブまたはスポット・カーブと呼ばれる。
フォワードレート(Forward rate):
将来の時期に開始される借入の年率換算金利。フォワードレートの期間構造は、フォワードカーブと呼ばれる。
イールドカーブ(Yield curve):
債券の残存年数(残存期間)と最終利回りに対応する曲線。
満期利回り(YTM):
スポット金利の加重平均。(詳細は、以下の記事参照)
スポットレートとフォワードレートの関係
理論的には、債券市場が十分に機能している場合、一連の短期債への投資は、単一の長期債への投資と同じ期待リターンを提供しなければならない。
同様に、バイアスを除いた期待値理論では、フォワードレートは将来のスポットレートの期待値のみの関数であり、どのような満期戦略も与えられた投資期間において同じ期待リターンを持つことを示唆している。
噛み砕いて説明すると、現時点から「5年満期の債券を買った場合」と「2年満期の債券を買い、その債券が満期になった2年後に更に3年満期の債券を買った場合」の2通りは、どちらも投資家が最終的に得るリターンは同じはずだよね?ということ。
上記の例を、用語に当てはめると、
5年満期のスポットレート債券から得るリターン =
2年満期のスポットレート債券から得るリターン + 3年満期のフォワードレート債券から得るリターン
となる。
現実の市場では、この右辺と左辺が異なる場合が発生し、裁定取引によるリターンを得る。
このようにして常にパレート最適な状態が保たれる。