星のや 宿泊記録 その3~「星のや」編~
その1~「リゾナーレ」編~ および その2~「界」編~の続きですが、特に連続した要素はありません。
※すべて個人の感想であり、使用している写真も自分で撮影したものです。どこも夫との2人旅です。
■星のや■
一番高級な、星野グループを代表する系列
●星のや 軽井沢
2015年7月宿泊
人生で泊まった数々の宿の中で、ここが一番よかったと思う。
・チェックイン
軽井沢駅からシャトルバス。
何もないあたりで降ろされ、レセプションの建物に入る。
川に面したテラス席でウェルカムドリンクのあんずの炭酸水を飲んでいたら、中の民族楽器を並べた片隅で、BGM演奏が始まる。
ドラを鳴らしたり、大きい金属ボウルをバチでぐるぐる撫でてボワーンという音を出したりする。チリチリと鳴らすベルと、鳥の鳴き声のハーモニーが良い。
日本人客は我々だけのようだった。
そこから個別に車に乗って(このあと何度もお世話になる黒い日産キューブ)、林の中に入っていく。異世界へ入っていくような演出。
しばらく行くと車道に出て、星野エリアを通りつつ建物の案内を受ける。黒い塀を超えて宿泊エリアに入り、部屋に案内される。建物ごとに家紋がある。
部屋で案内の人に説明を受けながら、ほうじ茶とくるみ餅をいただく。
・部屋
池に面した「水波の部屋」に泊まる。
玄関にいい匂いのお香があって、ドアを開けると布団のある大きい部屋、隣にソファと大量のクッションがある巨大な掘りごたつ。水辺のベランダに出るとそこにもソファがある。
この水辺のテラス席が最高で、あまりに景色もよく、リラックスできて気候もちょうどよく、魂が浄化されて毒を出しきって溶けてなくなりそう。
棚の中に冷蔵庫や食器類が入っていて、とても柔らかい味のする湧き水(水道から出る)が冷やしてあり、冷たすぎなくていい。あと茶筒に入ったほうじ茶のティーバッグと丸山珈琲の豆があった。
あと、毎日昼の清掃のほかに夕方一度清掃があって、不要ですと言うとかごやガラス瓶に入ったハーブティーをくれた。最初の日にはフットライトも届けられたので、トイレの前に置いた。
トイレは勝手にふたが開いて水も流れる。洗面所とトイレは石張りの床だけど床暖房になってて冷たくない。内風呂はヒバの浴槽で、ボタン1つでお湯張りできる。レモンが添えてある。
・施設
橋を渡って散歩に出ると、棚田のあたりでかわいすぎるカルガモ親子を見かけて追いかける。
ブックカフェは24時間あいてる上、飲み物やビスコッティ、ちょっとしたお菓子が食べ飲み放題。ごませんべい、抹茶棒、ぬれおかき、みすず飴などのお菓子をつまみ、さくらんぼ緑茶を淹れる(雨の日限定で抹茶ラテも)。
ただし本は少なくて読み古され、小説が多い。まほろ駅前や氷山の南、吉田篤弘が何冊もある。新聞も何種類かある。
16時になると、船で池に浮かぶ行灯たちに火をつけて回る。笠をかぶった2人乗りのボートで1つずつ回り、ろうそくをつけていく。
ただその時間帯だとまだ明るいので火がついてるかどうかわからず、19時くらいにあたりが暗くなってようやくついてることが判明する。カモたちのせいか、ひっくり返ってる行灯もあった。
やたらと急な階段を下りるとフロントがあり、横の土産店ではここで使っている部屋着やパジャマや枕、バスタオルを2万とかの高額で売ってる。
・大浴場
「メディテーションバス」という名前。
入り口にアートが飾ってあり、ピラミッドの噴水がある。
入ると打たせ湯と狭い円筒状の洗い場が4つ(奥にサウナと水風呂がある)、階段を4段下りながら入っていくと深さ90センチと深め。
歩いて壁の穴をくぐり、「光の部屋」へ。壁沿いの段に座って半身浴できる。39度くらいのぬるさなので、ずっと入っていられる。
さらに通路を伝って「闇の部屋」に行くと、真っ暗に近い中に小さい明かりがポツポツと水中でゆらゆらと揺れていて、瞑想できる。
出たところのスペースで、時間帯によっては焼きソーセージとトウモロコシ、リンゴシロップの手で削るかき氷などを食べられる。
日帰り客も入れる大浴場「トンボの湯」が、少し離れた場所にある。宿泊客限定時間の8時半から入ったらすいていた。内湯が41.7度だかあって、熱い。露天風呂はぬるめでちょうどいいが、日差しが当たる。
・食事
フロントからシャトルバスを利用してハルニレテラスへ行ける。
沢村、丸山珈琲などがある屋外のショッピングエリアで、どこもおしゃれ。
晩ご飯1
ハルニレテラスの食事は高めだが、「トンボの湯」の近くにある「村民食堂」というところはまあまあリーズナブル。ざるそばとサーモン丼セット1600円を食べる。黒砂糖が入っているとかで、コクのあるつゆがうまい。信州サーモンを売りにしているが、このへんで鮭がとれるの?と思って調べたら、長野で開発された養殖品種とのこと。
晩ご飯2
ここのメイン食堂であるところの「嘉助」で、牛しゃぶ(税サ込1人18000円くらいのコース)。
階段状になったフロアで、ブックカフェの下にオープンキッチンがある。窓から棚田のライトアップが見える。
最初にナスのゼリー寄せっぽい前菜、続いてお造り。
かつおだしの真鍮ナベに、寄せ植えみたいにきれいに盛りつけてエディブルフラワーまで添えてあるさまざまな葉野菜や、赤い大根、白しめじなど。
信州牛はリンゴを食べていて甘みがあるらしい。ポン酢と柚子胡椒が合うし、ごまだれはものすごい濃くて粘度が高くてすごい。とちもちがごまだれと合ってめちゃおいしかった。ほかにもみじおろしや小ねぎ。
世界の人がみんなこういうおいしいご飯を食べたら、平和になるだろうと思う。
最後にそばが来て、小さい柄つきのざるでしゃぶしゃぶして、だしと一緒に食べるんだけどこれもおいしい。
デザートとして、桃と小さい緑のブドウ。すごく軽い銀色の打ち出しのフォークで食べるんだけどブドウをすくうのが難しい。
最後に、さらに甘味でみつ豆が出てくる、実は長野では寒天が名産らしい。はちみつアイスに杏の砂糖漬けも入っておいしい。
晩ご飯3
ルームサービスの親子丼と豚角煮丼(2300円と2000円くらい?)、取っ手とふた付きの白いカップに入ったコーンスープも。
親子丼(細い海苔と山椒が別添え)のほうがしっかりした地鶏でうまいが、角煮丼も味噌味でなかなか。お吸い物に生麩入り。野沢菜と甘いかぶの漬物が超うまくて、これだけ大量に食べたいくらい。
・アクティビティ
日が落ちてから、無料のホタルツアーに参加。
36人とかでぞろぞろと歩いてすぐ裏の川へ行く。狭い山道に人が長い列になるため、2回に分けて列の前後を入れ替えて見せてくれるが、一度目で帰った人も多い。ホタルは奥の川岸や木にたくさん止まっているがあまり動かず、以前に界で見たホタルと比べると点と線という感じを受ける。
7時から茶屋でやる「のびのび深呼吸」というアクティビティに参加。
ヨガマットをひいて、深い呼吸をしながらストレッチするというもの。みんなカンフーっぽい星のや部屋着を着ているので、道場みたい。
夕方、ムササビ見学ツアー。
予約しておいたが、「台風が近づいていて見られないかも」という電話が来る。雨や風は関係ないけど、過去に台風のときは4回中2回出なかったという。参加者の喘息の人が数日前から気圧の低下を感じて体調悪くなると言っていたので、ムササビもそういうのを感知するのかもしれない。ほかの参加者はみなキャンセルしたというが、無駄金を覚悟で申し込む。
ツアーを行なっている施設「ピッキオ」へ車で行き、18年ここでムササビを見ているという人にレクチャーを受ける。ムササビの実物大ぬいぐるみがリュックから出てきて、大きさが意外と大きいことに驚く。リスくらいのイメージだったが、防災ずきんくらいある。
モモンガは小さいので、親子だと思われることもある。軽井沢にもモモンガはいるらしいが観察してないらしい。
虫とかは食べず葉っぱを食べるので、カロリーを消費しないよう筋肉をなくして飛ぶように進化し、前足からさらに骨肢を出して羽をのばした。虫を食べればいいのに……。葉っぱは手当たりしだい食べるので食べ残すが、まつぼっくりははがして種を食べるので、残りかすがエビフライみたいになる。エビフライが落ちていて、昼間に地元の人にリスが目撃されてなければ、ムササビが住んでることになるらしい。
ムササビは非常に時間に正確で、日没後30分すると飛ぶので、6時半から7時くらいまでレクチャー。その後、小雨なので透明傘をさし、双眼鏡を持って出発。
すぐ向かいの、「トンボの湯」近くの高い木の巣箱からコードがのびており、それをDVDプレイヤーっぽいノートPCっぽいものにつなぐと、赤外線カメラで中のムササビが見えるが、微動だにしてない! やっぱり駄目だったかとあきらめの気持ちになるが、しばらく説明などを聞いているうちに突然動き出し、テンション上がる。
飛ぶ前のグルーミングを始め、しばらくすると立ち上がって穴の外を一瞬のぞく。赤ライトで照らしてくれるので双眼鏡で眺めるが、すぐに巣箱にひっこんでしまう。
以前はここまでやる気だったが唐突に寝なおしてしまったこともあるらしいが、今回は大丈夫だった。しばらくグルーミングを続けて穴から下を観察、こっちを見ると眼が光る。
そしていよいよ巣箱を出ててっぺんまで登り、我々は少し後ろに下がって双眼鏡を外す。隣の木に行くのかと思いきや、それを飛び越えてかなり離れた大きな木にふわっとした感じで飛び移る。
そっちへ走っていくと、さらに高い木のてっぺんの細い枝まで登って車道の手前に飛び、さらに車道の向こう側へ飛び移る。
もう1回飛行が見られるとのことで、雨の中必死で走る。道路を渡ったところで完全に見失ったけど、ガイドさんがちゃんと見つけてた。林の中なので、そこから枝をつたって奥に行っちゃうかなと思ったけど、さらに道路沿いにもう1回短い距離を滑空したので、つごう4回も見られた! 車道で必死で上を見上げてる3人は、知らない人が車から見たら変だろうな。
「よかったよかった、キャンセルした人たちに自慢したい」と言いつつ戻って、虫に刺されていたので吸い取り器で吸いつつ薬を塗り、記念にムササビの飛んでるぬいぐるみと絵はがきを買う。
メディテーションバスでの「ボディワーク」を受けた。
まず体調調査表を書き、セパレートで着やすい水着に着替える。
「光の部屋」でうつぶせで深呼吸し、浮いたり沈んだりする。長い発泡スチロールの青い棒を曲げて座り、足を浮かせてバランスをとるのが面白い。
それからまず「浮遊浴」。ビート板製の枕を使い、足にクッションを巻いて、先生に引っ張られて闇の部屋へ。腕を上げる指示で頭が沈んで耳に水が入りとてもくすぐったい。声が聞こえないが腰を下から押したり、横から押して伸ばす。
次に壁沿いに仰向けになって、足を浮かせて左右に曲げてストレッチ。のぼせたら水筒のレモン水を飲んで休む。甘いレモン水じゃなくてリアルなやつなのであまりおいしくはない。
ほかにも首をストレッチしたり、足を大きく伸ばして歩いて体をひねったりする。最後に髪を洗って出る。
●星のや 京都
2016年12月宿泊
※この時期は竹林のライトアップをやっていた
・チェックイン
京都は時々来るが、嵐山へ行ったのは初めて。すごい人出で、観光地的なお店だらけでびっくりした。修学旅行のメッカ感ある。
渡月橋を渡り、向こう岸の船着き場へ。
星のやの渡し船に乗り、アルパカのひざ掛けをかけて宿まで行く。寒いのに、若者たちの(なぜか3人乗り)ボートが大量に出ており、風が強くて思うように進めないでいるのをけちらしながら進む。保津川下りの船もたくさん出てる。嵐山の向かいの小倉山はけっこう紅葉している。
大岩を迂回して、星のやの船着き場に到着。なかなかの操船技術。
古びた石畳を上がり、部屋が立ち並ぶ間を抜けていくと、フロント前の池の上で仏具っぽい楽器の演奏をしている。滝の前ですごく寒そう。
奥の庭には樹齢400年の見事なもみじがあって、ちょうど真っ赤になっていてとてもきれい。その足元は枯山水の模様になっていて、苔むした石が雨で水鏡になるらしい。
まだチェックイン前なので蔵のバーに入り、アップルジンジャーティーをもらい、俵屋吉冨の和菓子をいただく。
ひと口サイズのあんこ玉で、りんご味、白味噌と柚子とくるみ、黒糖があり、シャーレみたいのに焼きカカオ(カカオと和三盆糖を焼いたもの)。秋が深まり最後は地面に降りた霜をあらわしているとのこと。
・部屋
泊まったのは「月橋メゾネット」で、一番奥の一番広い部屋。
オブジェの飾られた玄関を入って、まずトイレ、洗面所の奥にお風呂。トイレはドアを開けると勝手に電気がついてフタが開き、終わると勝手に水が流れる。
洗面所には北麓草水のボディクリームと1日お試しセット。桶にもみ出しの入浴剤2パック(1つにつき700円もする)、体を洗うタオル、温度計が入っている。バスタオルは今治でふわふわ。
1階の居間は12畳プラス大きい床の間、投扇興がある。角部屋なので二面に窓があり、外側は縁側みたいな廊下みたいな感じ。
向かいにトロッコ電車が1時間に行き帰り2本ずつ走り、向かいで止まってこっちを写真に撮ってるのが見える。お茶セットの入った小さいタンスは持ち運べるようになっている。
急な階段を上って2階の寝室は、低いベッド2つとクローゼット、CDプレイヤーとかがある。灰色の部屋着と、ピンクのパジャマ、ダウンみたいな素材のはんてんみたいなマントはかなりあったかい。
2階のほうが梢が切れて眺めが良く、川の船も見える。
寝室だけで東横インの部屋が丸ごと入るくらいあるし、なんなら洗面所と風呂だけでも入りそうだけど、2階にはさらに書斎がある。
大きいソファーと小さいソファー、テーブルとイスのエリア、飾り棚にスピーカーとオーディオなど。
エスプレッソマシンにコーヒー5種、おかきは有料。いつも泊まっているからとサービスで飲み物をくれたが、スパークリング日本酒だったので飲めない。
筆と墨、花札、おはじきなどの入った箱の横に「ラグジュアリーを極めたハイライフマガジン」というキャッチコピーの分厚い雑誌「リシェス」が置いてあり、2400万のテーブルみたいなランクのものしか載ってない。宝石とか毛皮とかホテルリッツの歴史とかカニ料理の名店とか。
とにかく部屋が広すぎて全然使い切れないし暖房が無駄なので、もっと狭い部屋で十分。ここは3人まで泊まれるらしいけど、畳に布団敷いたら20人は泊まれる。
気になる点としてはWi-Fiが遅い。寝室にテレビ置けそうなスペースあるけど、リラックスして過ごすというコンセプトなのでもちろんない。
出かけて部屋に戻ったらパジャマの準備がしてあり、居間は障子が閉めてある。
また別の日は、雨のあとで部屋に戻ったら玄関にタオルと履き替え用の靴下が用意してあって感激した。
部屋の風呂場に暖房を入れ、お風呂に入る。ヒバの湯船が大きいのでなかなか水がたまらない。筒型のミュージックプレイヤーから選曲された癒しの音楽が流れるが、1曲だけバイオリンの現代音楽みたいのがあってやや落ち着かない。湯船の中で座るための椅子もある。
りんご湯用のりんごが2個置いてあったがもったいなくて1個食べてみたらそんなにおいしくなかった。
もみ出しの入浴剤は昔飲んでた漢方薬のような匂いがして、お湯が黒っぽくなる。
洗面所に床暖房が入っててうれしい。
・施設
渡し船で渡月橋と行き来するが、昼しかやっていないので朝と夜は車で送迎してもらう。
川沿いの細い道はギリギリの幅しかなくて街灯も柵もなく、カーブで川につっこみそうになりすごく怖い。すれ違えないので、無線で細かくやりとりしてる。係の人が運転の訓練をするらしい。
フロントで香り袋を作成できるサービスがあった。睡眠の香り、菊の香り、薬っぽい香りの3つの木のお香チップを組み合わせ、紙のろうとで不織布の袋に入れてシールでとめ、ちりめんの布袋に入れて紐で結んでできあがり。
ラウンジには京都の寺院や和菓子の本があるけど、数は少ない。秋のハーブティー、おかき少々(ラウンジに飲み物はいろいろあるけどお菓子がおかきと飴しかないのは寂しい)をお盆に載せて、ひざかけを持って外のテラスに出て、外にあったひざかけと合わせて2枚にくるまって京都のガイド本を読み、トロッコ電車に撮られる。
いい天気で晴れていて、自然を見飽きることがない。川の上を、瑠璃色の背中の鳥がピューッと横切って行った。たぶんカワセミだと思うけど、上から見たらきれいだった。
・アクティビティ
730からの朝の散歩に参加。
案内役の人が、園内の植物や、ネズミの掘った穴、イノシシがドングリを探した地面の掘り跡などを教えてくれつつ歩く。
十両は赤い実が1本に1つだけだけが、千両は上にいくつもつき、万両は下にたくさんぶら下がり、だんだん景気がよくなってくという違いがわかる。
渡月橋のところの船着き場まで行って船で戻る。
別の日は8時半から水辺の深呼吸に参加。奥の庭にヨガマットを並べてストレッチをするが、パラパラとまだ天気雨が降ってて、途中靴下を脱いで足指を広げるのが寒い。最後に横になって瞑想するのも、空を見あげるのは気持ちいいけど背中が冷たくて寒かった。
・食事
朝ご飯1
野菜鍋(1人あたり4500円)を頼んだ。
大量のキノコ、京野菜たくさん、ゴマの粟麩と薄揚げ入り。そのほか焼き鮭と麹味噌漬け、薄味の豆腐あんかけ、誕生日祝いの鯛の入れ物に入った一口赤飯。竹の器のサラダにあげ湯葉入り。
最後におひつのごはんと卵を鍋に足して雑炊にし、1時間くらいかけて食べきった。
晩ご飯1
1回だけルームサービスを頼んだ。
1600円くらいのビーフシチューとフェットチーネはシチュー分が少なめ。
なぜか夕食時間限定の1400円のホットドッグはけっこう立派で、ハーブソーセージが入ったつやつやコッペパンに、黒マスタード、普通のマスタード、ケチャップがついてる。わりと淡白な味。
まあ全体的に値段ほどではないので、外で食べたり弁当を買って持ち込むほうがいいかも。ルームサービスの品数はもっと増やしてほしい。
※上記以外のご飯はすべて外で食べた
余談だが、ホットドッグの情報がないかと思ってトリップアドバイザーの口コミを見てたら、「値段の割にサービスが上級ではないので、若者が背伸びして来るとか外国人向けの宿」みたいな評価。まあ確かに同じ額払うなら俵屋旅館だって泊まれるだろう。
「スタッフが若い人ばかりで、一生懸命さは伝わるけど頼りない」という意見は、言われてみたら確かにそうかも。丁寧だけどトラブル対応とかどれくらいできるのか不安、という。ただ年をとっていたら経験豊富というわけでもないし、若い人相手のほうが頼み事とかするときに気後れしないし、星のやに泊まった中で不快な思いをしたことはないから、別にいいと思うけど。
シックな部屋着は外国の人には囚人服とうつったり、蔵は「何もない会議室」と呼ばれたり、「こんなに高いのにテレビすらないしエンタメも何もない!」みたいな意見があり、価値観はいろいろだなと思う。
誕生日、出かけて宿に帰ったら居間に誕生日祝いが置いてあった。小さいお重みたいな入れ物に、抹茶色の砂糖を枯山水ふうに縞々にした上にガトーショコラ、クッキー、焼きカカオを並べ、花びらと葉っぱで飾ったものと、メッセージカード。
●星のや 富士
2017年12月宿泊
ここはほかの星のや系列と異なり、豪華キャンプ的な「グランピング」を打ち出した施設。
・チェックイン
バスタから河口湖行き長距離バスに乗り、河口湖駅から星のや富士のレセプションへは路線バスに乗り換える。
レセプションにはリュックがいっぱい吊ってあり、好きな色を選ぶ。小さくたためるダウンのブランケットや双眼鏡、お土産の水筒とビスコッティなどが入っている。
車で急坂を上がっていくと、シーズンオフかと思っていたが人が多い。社内旅行の人が来ていて満室とのこと。バスに乗ってたのは外国人ばかりだったけど、ここまで来ると日本人ばかり。
・部屋
薪ストーブがついてる限定2部屋のうちの片方へ。
2重のドアを開けると、正面の全面窓に富士がそびえており、巨大な絵のよう。
テラスの薪ストーブに薪が組んであり、マッチで着火剤に火をつけるとすぐ燃え上がる。薪に火が移ったらドアを閉めて空気穴をちょっと閉める。燃えやすい針葉樹と長持ちする広葉樹がある。
備え付けの民族っぽいモコモコダウンコートを着て、下半身を電気毛布で包みストーブにあたると顔だけ寒くて露天風呂みたい。
部屋は白くてシンプルだけどコーヒーもお茶もあるし、北麓草水の入浴剤とかもある。Wi-Fiは弱い。
・施設
一番上のラウンジは外に焚火のある建物。
2種類のホットチョコレートのサービスをやってて、いろんなトッピングの中からシナモンとかを入れる。
マシュマロを串にさして焚き火で焼き、塩気のあるクラッカーに挟んで食べる。火に近づけすぎると燃えてしまうので遠火できつね色になるまでうまく焼くと外はカリッと中はトロトロになる。
ラウンジ内は暖炉があり、チョコやチョコがけくるみ、ドライフルーツ、さまざまなドリンクがあるブックラウンジ。本は少なかったけど「星に降る雪」と「大きな森の小さな家」、「たのしい川べ」なんかがあった。ラウンジの冬色アペロという時間帯は、2種類の温めた梅酒と、干し柿・クリームチーズ・ナッツがある。
夜はラウンジで演奏会がある。
ひょろっと背が高いギタリストが、静かな夜にふさわしいムーディーなインストでイエスタデイとかムーン・リバーとかを弾き、歌ものも少しやる。最後にカントリーロードで締め。
天井の布にモノクロ映画を映したりしているソファエリアも。
・食事
晩ご飯1
ダイニングでの7000円くらいするディナー。
6種のサラダがミニバケツに入っている。
ほうとうのラグーソースパスタが出て、豚と牛の選べるステーキ(国産牛にすると2000円アップ)を、中央のグリルでシェフの指示に従い自分で斜めにひっくり返して焼き目をつける(豚はシェフ任せ)。最後にウイスキーをかけて派手に燃やして動画映え。
デザートはいちごのムースとシャーベットを組み合わせたやつと、富士山ビスキュイ(二度焼きシフォンケーキ)にナッツやドライフルーツのいろんなトッピングを乗せるやつで、切り株のお皿に誕生日メッセージがついてきた。
朝ご飯1
登山のつづらスタイルで背負われて届くモーニングボックス。
キャロットとビーツのラペサラダがWECKに入ってて、スタンレーの保温容器にポテトとブロッコリーのスープ、スキレットで焼いた具だくさんオムレツと焼き野菜、ダッチオーブンで焼いたパンがふわふわでおいしい。あと自家製ヨーグルト。
小さい瓶が4つついてて、パンとヨーグルト用の蜂蜜と桃ジャム、オムレツ用のキノコクリームソースとサルサソース。
紙皿みたいな見た目だけど固い皿とカップ。布を敷いてピクニックスタイルで、快晴の空にキラキラ輝く湖と美しい富士山を見ながらのんびり食べる。
晩ご飯2
薪ストーブ部屋限定のルームサービスを頼んだ。
ハッシュドビーフ、骨つきソーセージとポテトの入った鉄鍋をストーブの上にのせ、ブリキカップのコーヒーも温め直す。
あとおにぎりセットを頼んだら、おにぎりは小さいし外気がたぶん零度くらいだからすっかり冷たくなってしまって微妙だけど、味噌汁はおいしい。
ハッシュドビーフは、フタを裏返して固めのパンを温めて浸すとすごい合う。ソーセージは胡椒がききすぎな感じだけどジュージュー焼いて食べるのは楽しい。
真っ暗な屋外で、暖かくして火を見ながら温かいものが食べられるのはすごい。これがグランピングかー。
部屋とテラスの電気を消すとまあまあ星が見えて、流れ星も1つだけ見えた。
朝ご飯2
クラウドキッチンという、立ってキャンプっぽいご飯を作れるところに行ってご飯を作るプラン。
「コロダッチオーブンポット」という、昨夜ハッシュドビーフが入ってた小さい鉄の鍋にくりぬいたパンが入っていて、鍋で温めたクリームシチューを中に入れ、半熟卵を入れた上にチーズを乗せて、椰子の木からできた炭火で覆って5分温める。
アップルジンジャーのジュースにリンゴ煮を入れたものと、チリコンカンがつく。コタツに移動して食べる。
晩ご飯3
部屋で注文したカレー。
カレーは火にかけて煮込み、さらに火にかけた石板で別添えの肉と野菜を温めて食べる。
クミンやカルダモン、コリアンダーなどのスパイスが形のまま小瓶に入ってて、重たい石のツボみたいなのに入れてすりつぶして足すと、すごい本格派カレーっぽい風味になりおいしい。ご飯1人前をお代わりしたらだいぶ多かった。
朝ご飯3
ダイニングへ出かけて朝食。朝ご飯1のときのモーニングボックスと内容がかぶるので少しメニューが変えてあった。最初はスープでなくリンゴジュース、にんじんラペでなく干しイチジクとくるみのサラダ、ダッチオーブンのパン、オムレツでなくマッシュポテトに野菜と半熟卵を乗せたエッグスラットというものに、焼いた鱒と野菜。ヨーグルトと紅茶。
・アクティビティ
アウトドア用上下の上にダウンも着て、10人で朝のカヌー体験。けっこうでかい舟に2人乗り。今年4000人くらい実施して2組転覆したと言っていた。
手袋を借りるが指先が冷え、足先も冷たい。
前席の私が右にオールを出し、後席の人が左。なかなかまっすぐ進まない。片方が漕いで反対側は後ろ漕ぎをして向きを変えるんだけど、向きが変わりすぎてしまいがち。
水面を蹴立てて飛ぶ鳥と一緒に往復2キロくらい漕いだらだいぶ右手が上がらなくなる。うまく風に乗って進む時と、すごく水が重くて進まない時があり謎。漕いでるうちに血行がよくなって指はあったまったが足は冷たい。
途中で何枚か写真を撮ってくれ、あとでミニアルバムにしてプレゼントしてくれた。
夜は星空ツアーへ。6人でうち2人は中国語話者のようだったが日本語のサービスだけだった。
ワゴンに乗って富士山のふもとの謎の場所に行くと、ふたご座流星群なので駐車場にけっこう車があって、奥の野球場くらいの広さの芝生エリアにも転々と人がいる。
撮影している人もいたので少し脇によって、オリオン座とふたご座とカシオペア座と天の川だけ説明を受ける。
その間にもけっこう流れ星が見える。みんなふたご座を中心にして横に流れる感じ。
地面から浮かせた台の上に寝袋を置いてその中に入る(地べたに置くより寒くないらしい)。最初は寝袋の布がめちゃ冷たく、足の先が冷たいが徐々に温まってくる。寝袋に入ると視界が空だけになり、見上げて首が痛くなることもないのでラク。
安らぎの音楽がかかり、「この場所は何万年前は海でした、悠久の時に思いを馳せましょう」みたいな語りが入る。
しばらくじっとしてまた起き上がり、靴を履くと氷を履かされているみたい。駐車場に戻り、ランタンをつけてホットドリンクをもらう。ウイスキーかレモンジンジャーだった。
この場所は一般には知らせたくない場所だからSNSに書かないでと言われるが、そもそもどこだかわからない。
朝ヨガと薪割りもあったがタイミングがなくてやらなかった。
●星のや 竹富島
2018年6月宿泊
・チェックイン
石垣島から高速船で、あっという間に竹富島に着く。
迎えのマイクロバスで木々の間の白砂の道を走り、ミンサー模様のクッションのあるレセプションで、ウェルカムドリンクと月桃の羊羹っぽいお餅をいただく。泊まる間の予定をいろいろ決めて、ゴルフ場みたいなカートに乗って自分の家(部屋ごとに別の家になっている)へ行く。
・部屋
見晴らし台とアイヤル浜に近い、かなり端っこのほう。
入口には目隠しの石塀が立っている(ヒンプン)。右側は神様(+お客)の通り道で、左から入る。どの家も、さりげなく木を植えて右側を通りにくくしてあることが多い。
シーサーのいる正面側の庭にはイスとテーブルが置いてあって、見晴らし台からの視線を遮る木が生えてる。
横から家の中に入ると琉球畳のいい匂いがして、奥に寝室。お風呂場とつながるウォークインクローゼットがある。
月桃茶が置いてある。
・施設
プール脇のラウンジにはいろんな薬草茶といつものエスプレッソメーカーがあり、マンゴー発酵ジュースがおいしい。
本は沖縄ものに絞ってあるがそんなにはない。八重山の新聞が2誌ある。
沖縄食材の本を読みながら長命草のお茶を飲む。
翌日はラウンジのジュースがマンゴーからシークワーサーに、おやつも紅芋せんべいと生姜せんべいから黒糖揚げと亀揚げに変わってた。5つの味のちんすこうは同じ。
15時ごろはラウンジでおやつがふるまわれる。ジーマミー豆腐とピーナツアイスにピーナツと黒糖シロップをかけた、パフェみたいな感じでおいしい。別の日はシークワーサーシャーベットのジーマミー豆腐だった。
夜はラウンジでカクテルのサービスをやってて、パッションフルーツのシロップを水で割って、プールサイドのベッドでいただく。虫の声がすごく、ラウンジの天井にヤモリがいる。
家の前の見晴らし台に上ると、立ち並ぶ屋根と奥の石垣島が見える。
裏に回ってジャングルのような道を抜けるとアイヤル浜に着くが、干潮のタイミングで全然きれいな浜じゃなく荒涼としている。小さいヤドカリがたくさんいて、どこもかしこも一面のサンゴのカラ。
石垣もサンゴの石灰岩だし、道路の仕切りのコンクリートブロックみたいなのも、石灰岩が含まれていて大きな水玉模様。
夜にプールに入る。水はぬるいところと冷たいところがあり、最初は1人だったけど途中からカップルが来た。
薄い雲は出てるけど明るい半月と星を見ながら背泳ぎでゆっくり波音を立てずに泳ぎ回り、時々ぷかぷか浮かぶ。耳が水面下になるのでとても静かで気持ちいい。不思議な月光浴。
・アクティビティ
ラウンジで夕方に三線の演奏がある。
客は4人だけだった。八重山の節は、沖縄と違ってもの悲しくゆっくりめ。三線の伴奏と歌の絡み合いが、民謡だと複雑な感じで、ポップスは和音が少なく単純。歌詞は全然わからないがミルクユーだけ聞き取れる。
翌日はよくしゃべる女性の歌い手。さんばというカスタネットみたいな3枚重ねの木の板を叩いたり、安里屋ユンタの古いのと新しいのをやって「ハーユイユイ♪」の部分を歌わされたりする。客は6人くらいいたけど、私しか歌ってなかったような気がする。
方言の歌詞と意味を教えてくれるのはいい。「ホウセンカの花で爪を染めろ、親の言葉は心に刻め」とか。教訓的な歌が多い。そういう1つの歌だけで鳩間島でコンテストが開かれ、出場者大人10人子供9人のうち弟子が5人いるとか。
・食事
晩ご飯1
ルームサービスで、麩チャンプルー定食(2600円)と鉄板焼き定食を注文。ベーコン入りでうまい。アーサと豆腐の味噌汁もついてくる。
晩ご飯2
1人12000円のバーベキュー。1日3組まで。
係の人がパラソルを立てて準備してくれる。ガスボンベで、家のコンロみたいに簡単に火の調整ができる二口コンロのバーベキュー台が設置される。具材は肉たくさんと伊勢海老、エビとイカ、野菜には紅芋とマコモダケ?
傾いた夕日を浴びて汗をダラダラかきながら、肉をどんどん焼く。脂の多い肉を焼くとハエが寄ってくるので、無臭ゴキジェットを地面にまく。肉の面倒を見てると食べる余裕がなく、食べてると焦げるのでせわしなく、思ったより大変。
急にスコールが来る。パラソルの下にごはんとお皿を入れ、あとは部屋に入れて立って食べた。
※付属のレストランは高級なのであとの食事は島の食堂で食べた
・アクティビティ
夜、「天の深呼吸」という名前のヨガに参加。プールサイドにライトを置いて芝生の上のマットで寝転び、雲から見え隠れする月と星々を見ながら開放感あふれる「ゴキブリのポーズ」をやって気持ちよかった。
1人1500円の朝の水牛車ツアーへ。
新田観光のところまでマイクロバスで行ってペットボトルのほうじ茶をもらい、15人くらいいるから2台に分かれるのかなと思ったら1台にみんな乗り込む。
最後尾に乗ったのでおじさんの解説が遠くてあまりよく聞こえなかったけど、道端にバナナやグアバなどがなっていていい風景。塀から飛び出たドラゴンフルーツのつぼみを見れば、赤くなるか白くなるかわかるらしい。
水牛はゆっくり歩き、ホースの水をかけてほしいところで止まり、おじさんが説明している間はじっと待ち、「終わったよ」と言うと動き出す。だいたい決まったあたりでバケツにウンチ。内輪差も考えてスレスレで曲がる。
安里屋ユンタの古いほうをアカペラで歌い、新しいほうを三線で歌うとみんながスマホで動画を撮影する。
途中でおばあちゃんに抱かれた小さい女の子が手を振ってて、すごく沖縄らしい写真がとれた。
夕方に夕日見学ツアー。といっても、マイクロバスで西桟橋まで行って降ろされるだけ。
昔西表島へ農業しに渡るために使われた桟橋は広々と開けていて、海面に落ち込んでいく。そこで大勢の人が座って酒を飲んだりしながら日没を待っている。
小浜島とその奥の高い西表島、太陽の下には無人島が見え、海面近くに雲が立ち込めてる。
海の中にはナマコがたくさんと、カニもいた。グニャグニャの模様もあいまってまあまあ不気味。
日中はレンタサイクルを借りて島の中を見て回った。
白い砂で目がやられるのでサングラスが必要だった。
竹富島は観光にはいいところ。景色でもってるだけあって道に花がいっぱい咲いててきれいだし、歩き回いて足りるほどよい小ささの集落、花の匂いや水牛のフンの匂い、緑の濃さと時折顔を出す古い異質な文化や神々の気配……ただ、もうちょっと涼しければなー。こう暑いと外に行く気が失せてしまう。ラウンジと部屋を往復するだけでも大変。
●星のや 東京
2020年11月宿泊
※写真をほぼ撮っていません。Youtubeで「星のや東京」などで検索すると部屋内を紹介した動画が出てくるので、そちらを参考にするといいと思います。
・部屋
洗面所が広く、湯上りソファがある。ウォークインクローゼットは玄関側と寝室側から入れる。
障子には日が当たると模様が浮かぶ。テレビは鏡のように偽装して隠してある。
空調がめちゃくちゃ快適で、暑いとか寒いとか乾燥しているとかの不快感を一瞬たりとも感じない。
内風呂は斜めになると全身が伸ばせる浴槽で、でかすぎてなかなかお湯がたまらない。
・施設
1階で靴を脱いで預ける。ブーツとローヒールの2足を持って行ったので、出かけるたびにどちらかを指定して取り出してもらう。
2階には全体ラウンジがあり、チェックインの時間帯には栗の生菓子とほうじ茶を出している。その場で焙じてくれるのでとてもいい匂い。ラウンジにある本もなかなか良い。
そんなに広くはないので、日本酒飲み比べの時間は混んでいた。
各階にその階の人だけが利用できる「お茶の間ラウンジ」があり、野菜おかきなどのお菓子とお茶と本が少しある。その日の客層によって、お菓子がすっかりなくなっているようなこともある。
・大浴場
混み具合を示すアプリが赤・黄・緑の三段階で、「混雑なく利用できる」黄色表示のときに行ったら2人しかいなかった。
もともとカランは6個あるが椅子が4個に間引かれている。
天井がはるかに高くて、切り取られた空が金沢21世紀美術館の「ブルー・プラネット・スカイ」みたいになっている露天風呂は、四方の角だけ明かりがあり、薄暗くて軽井沢のメディテーションバスを思い出す。温泉のお湯はめちゃしょっぱくて体が浮く。
朝に入り直した時に、お湯が茶色いことを知る。
露天風呂の上を見上げた時に、青空だと変化がないので夕暮れがよさそう。あとは雨や雪のときに入るとすごくよさそう。
風呂上がりに瓶の牛乳が飲める。私はこれを半分くらい飲んで残りをラウンジに持っていき、コーヒーに入れていた。
・アクティビティ
2階の普段はドアが閉まっている奥で、型紙の上から水彩筆ペンで色をつけて栞やブックカバーを作るアクティビティをやる。
折り紙を折って切り絵を作り、行灯に入れて部屋に置くというものもあった。
夜はロビーで雅楽の演奏が聞ける。
若い女性が狩衣を着て龍笛で2曲やる。はたしてリズムが合ってるのかとかが判別できないため、うまいのかどうかわからないが、同じフレーズを同じように吹けているので技術はあるはず。ただ喋りのほうは台本を覚えきってない感じだった。
このとき結婚式みたいな器の甘酒が配られ、おいしかった。
夜景バスツアーに参加(1人3000円)。
客は若いカップルと4人だけ。隣のビルの駐車場から、はとバスの天井なし2階建てバスに乗って出発。
ガイドさんが2人いて、ベテランに教わりながら初心者の人がしゃべっているようだったので研修の一環として使われているのかも。
ガイドさんは基本ずっと喋っているが、信号などで止まるたびに時間調整しないといけないのでアドリブが難しそう。日本で最初の信号がつけられた日比谷の交差点とか、知らない話も多かった。
将門の首塚は工事中なので説明だけ受ける。大手門から和田倉噴水広場の夜景を見て進み、国会議事堂前を過ぎ、霞が関の官庁街(それぞれ警備員が守ってる)を通り過ぎる。東京タワーで15分くらい下車してぐるっと歩き、バスから身を乗り出した記念写真を撮ってもらう。虎ノ門を通って有楽町の線路の下をくぐり、1時間で帰ってくるルート。
星のやの敷地があるあたりは徳川四天王の1人の屋敷跡で、その家紋の丸にカタバミが星のやロゴと並べて使われてると教わる。
朝の歴史街歩きに参加。
子供2人の夫婦と一緒にガイドに連れられて歩く。
古い神田橋の橋脚跡を見つけて「ああ、あれだ!」と言った瞬間、自分が「ブラタモリ」の中にいるみたいだった。石垣のてっぺんが遊歩道に突き出てたり、椅子として使われている岩に割った跡があったりするのを見て回る。
「ファサード保存」された旧日本生命ビル、「大手町の森」の隅にたたずむワールドトレードセンターの破片と記念碑、昔の写真と見比べると高くなっている大手門の壁などを見る。経団連ビルに御手洗氏が残したフクロウを、子供が気に入ってた。
将門塚が工事中だとガイドさんは知らなかったが、脇に神棚が作ってあってお参りだけはできるようになっていた。
箱根駅伝のスタートとゴールが星のやのすぐ目の前なので案内してもらうが、実は箱根駅伝を一度も見たことがない。出発直後に角を曲がるところはテレビに映らないらしい。
ビルの屋上でやる早朝体操(無料)に参加。
ほかの参加者は50代夫婦と30代夫婦で、私は普段着の上に宿のはんてんを着て行ったが、ほかの人たちはちゃんと運動できる格好だしいいもの着てそうな感じだった。
隣のビルの通用エレベーターで31階まで上がり、ゲームでよく出てくる感じのビルの鉄骨の間を非常階段で4階分上がって、一切柵のないヘリポートへ到着。
朝靄の中に立ち現れるスカイツリーに両国、皇居の向こうに新宿、、星のやの横からフジテレビまで見渡せるすごい景観。
爽快な景色を見ながらのびのび体操するけど高所恐怖症の人にはきつそう。
この体操は今年の夏から始まったけど、夏は暑いし冬は空気が澄んで遠くまで見えるからちょうどいいらしい。
・食事
前日に頼んでおくと、無料で朝ごはんを運んできてくれる。具なしのおにぎり2個に別添えの海苔を巻く。それに味噌汁、漬物と昆布、ほうじ茶がつく。
インルームダイニングで頼んだ肉うどん。
最後に
星のや系列は情報を共有してくれるので、アレルギーのある食べ物などを伝えておくとほかの施設でも自動的にご飯を変更してくれるのが良い。
値段に見合うかは正直微妙だけど、「いろいろ用意しておいて程よく放っておく」感じのサービスは自分的にはちょうどいい。
正直一泊だと楽しみきれないので、2~3泊はすべき。
ただしご飯は高い傾向にあるので、外でいろいろなものを探して食べたほうが楽しいし安上がりだと思う。ただ、本当に外に何もない場所もあるので注意(冬の日光とか……)。