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星のや 宿泊記録 その2~「界」編~

その1~「リゾナーレ」編~の続きですが、特に連続した要素はありません。

※すべて個人の感想であり、使用している写真も自分で撮影したものです。どこも夫との2人旅です。

※2022年4月に「界 別府」編を追記しました。

■界■

温泉メインで和風な系列

●界 日光

2015年12月宿泊

・チェックイン

東京駅の八重洲口から送迎バス。
晴れて明るいのに霧が立ち込めている大谷川(だいやと読む)の幻想的な光景から、突然雲が晴れて男体山が現れる。いろは坂を登っていくと、さっき通った谷に雲がたまっていてきれい。

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いかにも冬山という雰囲気の中禅寺湖に、14時に到着。入り口で靴を預け、チェックインの15時までロビーで待つ。
ウェルカムドリンクとして、濃くて甘い甘酒が出た。
ロビーには4種類のハーブティーとコーヒーがあり、「ふんわりハッピー」という名前のハーブティーを飲む。オレンジジュースとシャンペン、夜は日本酒も出る。

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・部屋

3階の湖側の部屋に泊まった。
旅館の中をフルリノベした感じで、エレベーターを降りるとスリッパを脱ぎ、廊下は畳敷き。
くくり猿の置物があちこちにあってかわいい。

旅館ならテーブルと椅子があるべき中央のスペースに、大きいベッドが2つ並ぶ。「ふわくもスリープ」という名前で、とてもいい寝心地。
木組み格子の特別室なので、飾り格子の仕切りがあって、窓側に小さい座椅子と机。格子のコースターを自分で組み立てるキットが置いてある。
あと界では施設ごとに色違いの風呂敷を1泊ごとに1人1枚くれるので、やたらとたまる。
正面に寒々しい湖が見える。

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・大浴場

天井が高くて広い。湯船の横にひのきの削りくずが入った袋が置いてあり、湯船のフチにひのき枕がある。
そんなに熱くないけどすごく強いお湯で、体に負担がかかる感じ。塩分のせいかと思ったが、標高が高くて酸素が薄いからかも。
露天風呂は眺めがほとんどない。
泡の洗顔料、化粧水、乳液、ボディローションなどが備え付けてある。

別の独立した露天風呂もあり、お湯がすごい熱くて皮膚がチリチリする。ひのきボールが浮いてて湯口でちゃぽちゃぽ踊ってる。

出たところの畳スペースに麦茶とアイスキャンデー4種のサービスがあり、三角のクッションにもたれて新聞を読める。

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・食事

ここで晩ご飯を食べると湯葉懐石1人26000円とかのべらぼうな額なので、店を探して出かける。寒くて暗くてピューピューと強い風が吠え、シーズンオフなのでどこの店も閉まってて人っ子ひとりいない。
開いてることになってた店が休みで、地図によれば近くに別の店があるはずだが通りが真っ暗なので、唯一明かりがついてる交番で聞いたら、「浅井」という店を教えてくれ、確認のため電話もかけてくれた。

浅井は肉屋の横にくっついているカウンター6席だけの店で、誰もいなくて小さい古いラジオがかかっている(食べてる途中に地元っぽい人が1人来た)。
メニューはいろいろあるが、ソースカツ丼(900円)を頼んだら山盛りでびびる。甘めのソースで、揚げたてカツが5枚キャベツご飯の上に載っており、味噌汁と漬け物つき。
別皿にカツをとりのけないと、ご飯にたどりつかない。肉が柔らかくてとてもうまい。いかにも地元っぽいけど、この店こそガイドブックに載せるべき。

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夜は17時から18時半までしか空いてないらしく、これは幻の名店では!? となったが、食べログで調べたらシーズン中は開店前から行列必至の人気店だったので納得。
でも、「この店有名らしいよ、ボリューム多いってよ」と知ってて行くのではなく、酷い天気の中「もうなんでもいいから食べられればいいです」という気持ちで行ったらまさかの名店、というところがより感動的だった。

昼は近所にもそこそこ観光客がいて、食事できる店もけっこうあるが、全体的に蕎麦と湯葉ばかり。中禅寺湖にはスワンボートが出ていて、野良猿を見かけた。

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チェックインの時に誕生日をアピールしておいたら、当日の夜に誕生日プレートを部屋まで持ってきてくれた。
お皿にヨーグルトゼリーをひいてチョコでメッセージが書いてあるものと、炭酸にいちごを入れたフルーツポンチのグラス2つと、フルーツ盛り合わせ。
このとき記念写真を撮ってくれ、チェックアウトの際に、台紙つきでプレゼントしてくれた。

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・アクティビティ

夜、「日光下駄談義」というのをロビーでやっている。
参拝用の格式の高い草履を、山道でも歩きやすい下駄に組み合わせたのが日光下駄で、作れる職人はもう3人しかいないが、あまり世に知られていないとのこと。
飾ってある下駄に履き替えて、男女のタップダンスを見る。といってもカタカタやるのではなくて足元を踏みしめながら賑やかな三味線音楽に合わせて回る踊り。そのあと、座ったまま簡単にできるステップを客に指導。

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あと、どういうサービスだったか忘れたが、ソニーのミラーレスカメラα7-IIを貸し出してくれ、2Gのメモリ―カードもくれた。


●界 青森

2019年3月宿泊

駅前にピンクのワニと足湯があるJR大鰐温泉駅は、弘南鉄道の大鰐駅と隣接している。大鰐駅のホームにはハチ公神社があり、賽銭を入れると一拍おいて意外と高い声でワンワンと鳴く。

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早めにチェックインしたらロビーで搬入や撮影が行なわれていて、そのためかりんとうをくれた。
ウェルカムドリンクは缶のりんごジュース。

5階の廊下は天井の明かりの下にこぎん刺し模様の布を貼ってあり、夜になると影が落ちてきれいだが、非常口の緑色の案内が飛び出ているのが目立って邪魔(仕方ないけど)。

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余談だが、隣にある巨大な廃墟は「スパガーデン湯~とぴあ」といい、バブル期の巨大施設ですごい赤字を大鰐町に与えた負の遺産。ここの建物と少しだけ繋がっている。


・部屋

5階だけど地面が高く、雪が積もった庭の景色はせいぜい2階のように見える。「ふわくもスリープ」のベッドに畳敷き、広くて寝心地のいいソファ、珍しくテレビがある。
各部屋に別々のこぎん刺しの模様が割り当てられていて、それがガラスや障子に描かれている。

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・施設

巨大壁画が立派なロビーの奥に、小規模なトラベルライブラリーがある。
夕方、ここで温泉についての紙芝居説明を受けた。
実は大鰐温泉は温泉番付で昔は熱海と並ぶ行司扱いで、有馬や草津より上だった。弱アルカリ性で美肌に良いとか、寒い環境が愛される温泉を作った、といった内容。

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トラベルライブラリーには、こぎん刺しのしおりが作れるお試しキットが置いてある。太い針と太い糸を使い、穴の開いた紙に指示通りに糸を通していくだけなので簡単。

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・アクティビティ

夜、ロビーで壁画をバックに津軽三味線の演奏を聞く。
師匠とスタッフの若い女性の2人による演奏で、生音の音量がすごいし、手がいったいどうなっているのか見てても全然わからない。近くで見ていると手に汗握る。
バチで下にはじく→人差し指ではじく→薬指ではじく→バチで上にはじく→人差し指ではじくというのを超高速で繰り返す「ころがし」という技が聞かせ所で、わかっている人はそこで拍手するのだそう。
終わったあとで、希望者に「さくらさくら」を弾かせてくれる。竿の左手で押さえるところに番号の書いてある三味線を使い、「446、446、46764641」という感じで、細い弦だけを使って弾く。

翌日は全部で40室に宿泊客70人とのことで、津軽三味線の際には大量に椅子が並べてあったが、そこまで客は多くなかった。スタッフが2人に増え、まだころがしが3回までしかできない人が入る。師匠が違う人で、アルペジオの音量が小さめで細かくきれいに聞こえるが、高音部や手を大きく動かした時の音程がやや怪しい。同じ曲なのに全く違って聞こえるが、自己アレンジがすごい入るものなのか?

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・大浴場

太いひのき造りの温泉に入ると、湯舟にりんごが60~70個浮かんでいる。
入る前にカネショウのリンゴ酢とごぼう茶がある。風呂場の中に冷たいりんごジュースのポットと紙コップが置いてあるのもうれしい。
翌朝また入りに行ったら、りんごがお湯に浸かってたところが茶色になってて、お湯から出てたところはまだ固いので、1人でりんごひっくり返し職人となる。その夜には数が50個くらいに減り、翌日全部新しいのに入れ替えられた。

大浴場までの通路には、ねぶたの飾りが連なっていて見事。

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・食事

朝ご飯1
※晩ご飯はここでは食べていない

ホタテとネギを帆立貝の殻で味噌焼きにして卵とじにした郷土料理がメイン。鯖の西京焼きがおいしい。卵焼きの代わりに海老しんじょなどがある。

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朝ご飯2

特産品のごぼう入り鶏鍋と特産品のしじみ味噌汁、焼き鮭に卵焼きと、普通の朝ごはんっぽいメニュー。

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朝ご飯3

別仕立ての鍋がなく、普通のサラダや切り干し大根などだんだんシンプルな感じに。3泊もするような客はあまりいないのかも。

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●界 川治

2019年5月宿泊

川治湯元駅からシャトルバスですぐ。
ひょうたんをくり抜いて作ったランプがたくさん吊られたロビーで、川と山の景色を見ながらチェックイン。向かい側にさびれた民家みたいのがあって景観を損ねるのは仕方がない。

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・部屋

丸いソファのわきに掘りごたつがあり、枕元に和紙の稲穂の飾り(中から光る)がある。
部屋の軒先にツバメの巣がたくさんある。川を飛び回るスピードがすごい。

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・施設

川を望む足湯があり、朝に行ってみた。
温かいレモンティーorよもぎ茶とイチゴがあり、「好きなだけどうぞ」と言われるが、小さい取り皿に合わせてみんな2個ずつ取るのが面白い。
ブックラウンジにはあまりいい本がなく残念。

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・大浴場

露天風呂が2つある。片方は木の樋からお湯が流れてて、もう1つは岩に囲まれてひょうたんランプが吊られており、きれいだけどたまに虫が浮いてる。
入る前のエリアに麦茶とアイスキャンデーがあり、綺麗な坪庭を見ながら座禅ができるようになっている。
着替え所にある塩レモン水がうまい。着替え用のカゴに「おきゃん」とか「八方美人」とか「和服美人」とかのキャラ付けがそれぞれ書いてある。

・アクティビティ

予約制の紙漉き体験がある。
コウゾの溶液が入った風呂桶みたいなのを囲んで大勢でやる。すだれつきの木枠を持ち、まずは1回溶液をすくって下地を作る。そのあと木枠を立てて水に入れ、水平にすくうことでたくさん繊維を入れ、水が切れるのをしばらく待つ。これを何度も繰り返す。
枠にこびりついた繊維を取って紙を外し、水分をローラーや脱水布で搾り取って、下敷きにのせて完成。手が繊維だらけになった。

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乾いて完成した和紙は、外の水車小屋でスタンプを押して絵はがきにできる。色つきの筆ペンもたくさんあった。スタンプ台の色が混ざって発色が悪いが、古めかしい雅な色合いと言えるかも。

ロビーできな粉作りもできる。 豆が4種あって、石臼を2秒で1周の速度でひく。刷毛で集めて、ざるでこして、ろうとで袋に入れる。
できあがったら、白いわらびもちみたいなのに合わせて食べる。きな粉があまりくっつかないけど、ひきたての香りが高くおいしい。

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・食事

晩ご飯1

広い大食堂は、たくさんの個室に区切ったような造りになっている。大人数だと別の宴会場っぽいほうに案内される。
いろんな豆が入った升の上に、ちょこんと乗った粟餅からスタート。味は今ひとつだが、見た目のインパクトがある。

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八寸とお造り、酢の物が高さのあるカゴに盛り合わせで出てきて、見栄えがいい。お造りはサーモンと湯葉とローストビーフを、なめたけと米酢のソースで食べるというものだった。

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湯葉を茶碗蒸しに入れたような蒸し物ののち、メインはイノシシと豚の味噌鍋。イノシシのほうが固くて味が濃い。

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デザートはイチゴムースに甘納豆つき。
食器が立派で、いろんなところにひょうたんモチーフが使われている。

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朝ごはん1

「とばっちり」という郷土料理は、温泉卵にニラとかんぴょうが入ったもの。野菜たっぷりと餅が入って味つけは出汁だけの、鬼子蔵汁という鍋がおいしい。それぞれ日本昔ばなしみたいな説明がついてくる。メインは鮭で、梨とマスカットのジュースつき。

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晩ご飯2

マグロ(今まで食べた中で一番甘くておいしいマグロ)と鯛とカンパチの刺身、ナスとすりつぶした鶏を何層にも重ねて蒸した蓋物、ニジマスを鮭フレークで包んで揚げたものなど、手が込んでる。
小さい3切れくらいだろうと思ってた牛ロース陶板焼きが、すごいボリュームで出てきてビビる。写真では角度が悪くて大きく見えないが、8センチ角の肉が1人4切れずつあり、それに野菜も盛り合わせてある。大量のバターで焼いてポン酢で食べるのがおいしい。

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デザートは桜のゼリーとムースとあんこを組み合わせたきれいなひと皿。
昨日と違って一品ずつ出てくるので、全部で2時間近くかかっておなかはちきれそうに。

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朝ごはん2

鮭が薄味の鰆西京焼きに替わる。別仕立ての鍋は豆乳鍋で、具を食べたあとにゆずエキスを入れると、もろもろになっておぼろどうふができる。

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晩ご飯3

量が多すぎず一番おいしかった。
金のお盆&ガラス皿に入った三色胡麻豆腐からスタート。

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刺身はニジマス、ホタテ、車海老だった。のし梅と味噌漬け豆腐を重ねたやつ、里芋と刻んだ昆布を丸めて揚げたやつ、特にホタテのしんじょうがうまい。
メインは味が濃くなく肉の素材が生きた牛ヒレ松の実味噌焼き。

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黒糖アイスとあんこムースと黒糖ゼリーを組み合わせ、ドライフルーツとクルミをかけるデザートがとてもおいしい。

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朝ごはん3

金目鯛の一夜干し、かんぴょう入りの鳥野菜味噌汁。

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●界 仙石原

2019年9月宿泊

新宿バスタから箱根の台ヶ岳までバスで行き、急な坂道を上がって到着(なお、台ヶ岳よりも仙郷楼のバス停から行ったほうが上り坂が楽で、距離もそんなに変わらない)。

入り口から熱海のMOA美術館を思い出すエスカレーターで上がる。薄暗いロビーには静かな水盤に溶岩塊があって、わびさび感のある草が生えてる。

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ウェルカムドリンクは青からピンクに色が変わるさっぱりハーブティー。

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・部屋

エレベーターで上がってから外に出て別館に渡り、さらにエレベーターで降りたところ。別館には3部屋しかなく、施設内で一番広い部屋。
アート作品が3枚飾られ、ガラスの氷柱みたいなランプがあり、組木細工の格子がベッドヘッドに。

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戸棚を開けると、コーヒーミルやポットが広いスペースにきれいに並べられ、ガラスの森美術館のカタログなどがオシャレに置いてある。テレビが60インチくらいある。
広いベランダに高級なスリッパとソファが置かれ、そして大涌谷からひいた温泉露天風呂がついている。

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ベランダの露天風呂は4、5人入れそうなほどの大きさで、ぬるめで水面の反射が天井に映り美しい。たまに虫が来るので水をぶっかける。お湯が酸性で角質を溶かす系なので、湯上りはシャワーで流す。
昼間に明るい露天風呂に入ると、目隠しすだれの向こうにくっきりと山々が見える。雨が降ったあとは山の木々の緑がすごく濃くてきれい。

水面の虫をすくう必要はあるものの、起きてすぐ温泉、出かけて帰ったらまた温泉、足が冷えたから足湯、寝る前にも温泉と、無限に入れて素晴らしい。裸で出たり入ったりしながら1日暮らしたいが、セレブがプールサイドで暮らすようなものかな?

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トイレが、勝手に電気ついてフタが開いて水流してフタ閉めてくれるから、自分の仕事が少ないし自宅に帰ったら水流すのを忘れそう。

部屋でベッドに横になったらカトンボが天井にいて、最初は足の長い蜘蛛かと思ってたら飛ぶことがわかり、ハタキで追ってるうちどこかへ消滅。
翌朝、起きて部屋を明るくしたらカトンボが床でつぶれて死んでるのを発見してビビる。
朝ご飯の時間なので出て行ってフロントに申告。帰ったらカトンボはまだ死んでなくてフワフワ移動してる。呼んだスタッフがほうきとちりとり装備だったため、飛んでいってまた見失う。
こんないい部屋なのに、常にいつどこにヤツが現れるか怯えて暮らさないといけないストレスはつらすぎる。このあたりに住んでる人や、スタッフにとってはこれくらいの虫は日常茶飯事で何キャーキャー言ってんのって感じかもしれないが、普段一切自然と触れ合わない生活だから本当に虫が怖い。
その後、外出して夕方戻ったら虫が退治されていて、思わずガッツポーズして喜んでしまった。

・施設

入口のところに大浴場があり、酸っぱいみかんジュースと足柄茶がある。そんなに広くなく、ぬる湯と熱湯、露天風呂がある。
ラウンジの本は少ないけど近隣の美術館関係の本やカタログ、現代美術の入門書がいろいろあるので、予習復習ができる。

・アクティビティ

WEBにあった写真講座とかのアクティビティはなくなってた。
絵具や絵筆が陳列されたスペースで、布用サインペンとクレヨンを使って手ぬぐいに塗り絵ができる。手ぬぐいの柄が選べて、私は箱根名物のおいしいものたち。
てぬぐいをイーゼルに置き、縦長なので時に立ち上がりつつ塗る。食べ物をリアルな色にしようとすると地味な色合いなので、湯のみなどに青を使い、富士山を赤富士にして全体のバランスをとる。他人の塗った見本も参考にして、串団子の片方は草団子にした。

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「目覚めのストレッチ」というサービスがあり(名前のわりに15~22時限定)、ヨガマットとアートと塗り絵絵ハガキと色鉛筆を貸してくれる。アート以外を借り、窓からの景色を描いた絵葉書2枚を昼と夜バージョンに塗る。

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・食事

晩ご飯1

量が多くなく、立派なうつわに少しずついろいろ出てきて、手が込んでておいしい。最後はきのことネギたっぷりのすき焼きで、ご飯を減らしてちょうどよく完食。

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朝ご飯1

甘酒とパッションフルーツのご当地ジュース(以降の日はみかんやリンゴで普通だった)。
自然薯のステーキをその場で焼く。新感覚のホットケーキみたいで、出汁とかつおぶしをかけて食べる。あとはアジの干物や、虫かごみたいな入れ物から出てくるカマボコの盛り合わせ(イカの模様がかわいい)。

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晩ご飯2

前菜に、煙の入ったガラスの器が出てきて、開けると煙がフワーと出て行き、中のスモークサーモンやエディブルフラワーが見えてきれい。
鯛の土瓶蒸しもおいしい。

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八寸で使われていた、手で曲げられる錫のうつわがアーティスティック。刺身は竹のような筒から出てくる。

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天ぷらのエビがなく、次のナスと鶏そぼろのあんかけみたいなメニューが百合根饅頭に変わっていて、なぜヴィーガンメニューに?と思ったが、どこか別の施設で前に食べているから変えてくれたらしい。全然覚えてない。
メインは2つの石で肉と魚を焼く。石にすごいこびりついてしまうので、洗うのが大変そう。

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デザートが「生姜風味のフィヤンティーヌ」という謎の名前で期待してたら、アイスに黒い薄焼きメレンゲみたいなものが2枚ついてるだけだった。クレープを焼いたようなものらしい。ほとんど味もなく、ほんのり生姜の香り。コンデンスミルクみたいなバニラシロップをかけたイチゴとバニラアイスとあんこを合わせて食べる。

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朝ご飯2

豆乳鍋に金目鯛の干物、自然薯すりおろしつき。

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晩ご飯3

鮪の角煮はそれだけだと味が濃くて口の中モッサモッサするけど、ご飯を持ってきてもらったらまろやかに調和して大変良かった。
魚にあられやアオサをつけて揚げた変わり揚げ。

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メインはすだち鍋。すだちの薄切りがたっぷり乗ってるけど、さっぱりしていて酸っぱくはない。

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デザートのワッフルアイスに誕生日プレートがつき、金箔がいっぱい散らしてある。

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朝ご飯3

大きな釜の炊き込みご飯。あっさりした味で、おにぎりにして持って帰りたい。あとは風呂吹き大根と鮭に卵焼きなど、正統派。

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●界 長門

2020年6月宿泊

長門湯本駅は何もない無人駅。誰もいない住宅街を少し行くと新しく整備したエリアに出て、急に昭和から令和に変化する。
音信(おとずれ)川は増水しており、渡り石も遊歩道も水没していた。
川に面したほうから界 長門に入ったら、そっちは裏口だったのでフロントが見つからない。聞いたら反対側だというので、車道側にぐるっと大回りする。

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夜の川沿いは橋の手すり下に照明を埋め込んでライトアップしており、きれいで歩きやすいが、明るいところが蜘蛛の巣だらけになるデメリットも。
虫が多いので、館内に入ってこないようにロビーは二重のドアになっている。

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3泊4日いたけど、都合が合わなくて川に面した側に出店しているどら焼きを一度も食べられなかった。14時過ぎには売り切れてるらしく、11時オープンだけどまとめ買いする人が多くて11時5分には売り切れという口コミもあったが、そんなに人気なのか?

・部屋

普通の部屋の倍くらいある、広い特別室。テレビが板の中に格納されている(結局一度もつけなかった)。


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寝室の横にこじんまりした書院スペースがあって、掘りごたつ式になってる。

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足乗せつきの籐ソファが窓(というか縁側?)に面していて、部屋ごとに作られた庭が望めるが、頭まで支えないので座り心地は今ひとつ。縁側にも椅子と机がある。
萩焼の急須でお茶を淹れられる。

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テラスの露天風呂に入る。温度はフロント管理らしい。仙石原よりも横幅が広い気がする。晴れて景色がよい露天風呂は最高でこの世の極楽。
ただ一晩経ったら羽虫がいっぱい浮いてるので、桶ですくいまくってから入る。浮いてるので一気に押し流すと楽。夜の間は何かをかぶせて蓋をしておいたほうがいいのか?

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・施設

トラベルライブラリーに、土地柄的に「吉田松陰に学ぶリーダー論」みたいな本がきっとあるだろうなと思ってたら、もちろんあった。あと水墨画と焼き物の本が多い。

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・大浴場

アプリで大浴場の混雑状況を赤・黄・緑の三段階で逐次確認できる。たいへん便利なので、あらゆる大浴場でこのサービスをやってほしい。
洗い場は6席しかなくて狭い。熱いのとぬるい湯船が中にあって、外はその中間くらいの湯温。ぬるいのはこれ以上入ってると逆に冷める温度のギリ手前で、かなり良い。
湯上り処に夏ミカンジュース(朝ご飯の時に毎日出る)があるが、ほかの界にはだいたいあるアイスキャンデーはなかった。

・アクティビティ

予約しといた「ご当地楽」というアクティビティに参加。硯で墨をすり、扇型の色紙に筆で文字を書くというもの。
赤間石の硯は漆が塗ってない面だけ軽くざらざらしていて、よくすれる。
いったん和紙に書いて練習してから本番の扇に書くのだが、扇のほうが吸い込みが強くてにじむので難しかった。最後に赤いハンコを押したら画面が締まった。乾いたらかなり墨の色が薄くなった。

・食事

晩ご飯1

食べきれる量でうまい。
苦手な食材が星のやの各施設で申し送りされているので、前菜のイカとウニ(どっちも苦手)は牛肉の味噌焼きに変えてくれた。

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地元の桶職人が作った、底のない「見通しのいい」桶に萩焼の花瓶がくっつけてあり、それを背景にして八寸を配置。

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稚鮎の変わり揚げが出てきたが、内臓ごと食べるのは苦くて大人の味。

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土鍋炊き込みご飯(鰻の蒲焼と実山椒入り)がおいしくて、持って帰りたい。
配膳を担当してくれた人は、界 川治に以前いたらしい。次は別府に70室(ここは40)くらいある大型の界を新しく作っていて、霧島にも敷地のわりに部屋数が少ない施設を来年の秋めどに作っているという。儲かってるんだなあ。

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朝ご飯1

ヒラスが出た。ほかの界だと固形燃料で温める1人用の鍋がだいたいついてたが、ここではなかった。

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晩ご飯2

週末なので混んでて入口に行列が。地元の人が多そうで、子供連れの団体も多い。
三色団子みたいなゴマどうふに始まり、里芋と昆布をコロッケみたいにした揚げ物がおいしかった。

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今日も牛肉の時雨煮と実山椒と大葉の土鍋ご飯がおいしい。
おしるこムースに黒糖ジュレとアイス、ドライフルーツとくるみをかけるデザートは、たぶん川治で出たのと同じものだがえもいわれぬうまさ。

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朝ご飯2

「イカの天ぷら」という名前で揚げかまぼこが出てくる。大平汁という、豚汁の豚をとりももに変えた感じで里芋入ってるやつが地元料理らしい。

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晩ご飯3

前菜はトマトに海老ゼリー、下に山芋。
ガーリックパウダーをかけた長州鶏の唐揚げは、「こういうのでいいんだよ」感ありおいしかった。

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ふぐの皮をゼリー寄せにして、とびっこを乗せて抹茶ソースをかけた料理が、得体が知れなくて見た目もあまりよくないわりにおいしかった。

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鶏と湯葉の炊き込みご飯は3日で一番おいしかったかも。
デザートのほうじ茶クレームブリュレはカラメル部分が厚くてバリバリしてて、これもうまい。
初日の配膳担当の人が再び来て、界のメニューを作っているフレンチ出身の総料理長がデザートに凝っておいしくなったとか、今は土鍋ご飯を研究中といった話を聞く。

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朝ご飯3

味噌汁は「ぼてこ汁」という名前の、ヒレのとがった魚が入ったやつで、ふぐしゅうまいとふぐの一夜干しもついているが、骨が食べづらい。

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●界 加賀

2020年12月宿泊

小松空港から周遊バスで加賀温泉駅へ。バスはほぼ空だったが、みんな空港じゃなく新幹線を利用するようで駅は混んでいた。
加賀温泉駅前には大きなショッピングセンター「アビオ」がある。2か月前に野生の熊が入って駆除されたところだった。タクシー10分で赤い壁の界 加賀に到着。

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・部屋

※事情により室内の写真がありません

ソファスペースとベッドスペースが分かれていて、間に水引飾りつきの障子。ベランダには白い石を敷いた小さい庭が作ってあり、吊り下げ照明が錆びた鉄製のわびさび飾りを照らしている。
部屋の空気清浄機がカチカチと謎の音を出すのが止められなくて、フロントに言って加湿器に取り替えてもらう。

ベランダの露天風呂に入ると、お湯がなみなみであふれる。ぬるくて入りやすい。蓋がちゃんとあるので虫も入らなくていいけど、外の景色はふさがれてて全然見えない。
壁の隙間から覗いても隣の建物の壁しか見えず、ベランダ天井のライトが風に揺れてる景色しか見えなくて露天風呂としては寂しいが、ロケーション的に仕方がない。
洗面所がトイレと一体化したタイプなので、露天風呂に入ってる間はトイレが使えず不便。もともとの建物の作りのせいだと思うけどこれだけは何とかしてほしかった。

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↑風呂に入ってベランダを見た景色

・施設

エレベーターが1台しかないのがやや不便で、ほぼいつも階段を使っていた(3階なので)。
魯山人のいろはの書があるトラベルライブラリーは、チェックインの時間帯は換気してて寒かったが、抹茶とお干菓子のサービスがある。
ここでみぞれの降る日本庭園を見ながら本を読んでると、「外は雨で遠雷も聞こえるけど部屋は暖炉のパチパチ音がしてる」環境映像をリアルで体験してるようで落ち着く。

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近所をぶらついて、「はづちを楽堂」というべんがら格子に川と石畳を作ってあるおしゃれな小道を通るが、平日なのであまり人はいない。
本棚の箱を仕切って月いくらで貸し出し、自分の好きな本を売ることができるようにしている私設図書館があり、300円で登録すれば本を借りられるらしい。文化的で面白いけど、こんな観光客のいないところでやっていけるのかな? と心配になる。

界に泊まっている客は、向かいの古総湯をただで利用できるので、風呂敷とタオル、雪ん子みたいなはんてんを借りて入りに行く。
案内のおばさんがドアを開けるといきなり風呂場で、浴槽の横に服を脱ぐ棚があるだけ。源泉は熱いから触らずに、かけ湯をして入れと言われる。

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壁が薄くて男湯の声や外の音が丸聞こえだが、高い天井が湯気に満たされ、ステンドグラスが薄暗くて雰囲気がいい。でこぼこした古めかしい床タイルもいい。ただ熱めで長くは入れないので、これで通常料金500円払うと考えるとちょっと高い。
あと温泉にしては塩素の匂いも強い。まあかけ湯だけで大勢入るんだから汚そうだもんな……。

急な階段を上がり誰もいない2階の休憩所(ここも色ガラスの窓がきれい)にいたら、人がやってきて「脱衣所はどこ?どこでお金を払うの?」と聞かれた。ちょっとわかりづらい。

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・大浴場

洗い場は6つくらいで、全体的に狭い。露天風呂も狭いので3人も入ったらいっぱいになる。露天との仕切りに金箔の白山と天井に月が描かれている。
お風呂の壁に春夏秋冬の九谷焼プレートがあり、春は緑黄赤紺に紫(というか茶色)の五彩、夏は赤を使わず埋め尽くす青手、秋は赤絵、冬は紺だけの染付と4種類の技法を使い分けている。出たところにそれぞれの作者紹介もあったが、どれかを専門にして学ぶものなのか?
更衣室にあった水で割るゆずはちみつジュースがおいしい。アイスキャンデーもある。

・アクティビティ

夜の獅子舞を見に行くと、5、60人くらい客がいて立ち見。
始まると観客の後方から2人つながった獅子舞が出てきて、歯を噛み合わせる音が予想以上に大きくてびっくりした。間近に迫られた子供はギャン泣きして、ほかの人は笑ってる。

途中で獅子役となぎなた役に分かれて退治する踊りをやり、その後なぎなたを提灯と鈴に持ち替え、最終的に獅子の中の悪霊を退治して獅子が復活するというような流れ。

獅子舞は計3回見た。振り付けは同じだが3回目の人がバレエの素養でもありそうな雰囲気で、背筋がシュッと伸びてジャンプも体が軽そうで一番うまかった。

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・食事

晩ご飯1

ここの売りはカニ尽くしだが、それではなく通常メニュー。
八寸が九谷焼プレートに載っていて、他の界に比べると平面的で地味だし、量もそこまで多くない。ただ食器はほかのメニューも全部九谷焼で、きれいだった。

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刺身がおいしい。フォアグラと根菜を湯葉に包んで揚げたのとか。
最後は縁起のいい独楽の柄の土鍋で、フォアグラとローストビーフたっぷりの炊き込みご飯。フォアグラの脂っこさを大葉で中和している。

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朝ご飯1

魚介のいしる鍋、蟹の味噌汁など。

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晩ご飯2

鰤しゃぶとのどぐろの塩焼き、にんじん湯葉炊き込みご飯がうまい。黒みつ入りのわらび餅と求肥入りきな粉アイスもよかった。

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朝ご飯2

治部煮とのことだが、治部煮ってこんなにおいしかったっけ? って感じの手の込んだ鶏の煮物が出てくる。三色かまぼこを方言で「はべん」というらしい。サワラは固かった。

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晩ご飯3

特別に、部屋に持ってきてもらった。全部まとめて持ってきてくれると好きに食べられて良い。
ブリとゆずの炊き込みご飯、野菜の湯葉包み、白身魚のあんかけなど。毎回メインは魚だったな。

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デザートのレモンシャーベットとさつまいもムースに水引飾りと誕生日プレートがついてた。

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朝ご飯3

これも特別に部屋食。豚汁と揚げの炊き込みご飯に、湯葉刺しなど。

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●界 別府

2022年4月宿泊

別府北浜のバスターミナルにほど近く、お土産屋・スタバ・スーパーなどが入った建物「トキハ」も近くて便利な立地。別府駅までは徒歩10分程度。

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・チェックイン

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1階から入口専用の地味なエレベーターで2階に上がると手湯&足湯のあるロビーに到着する。

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エレベーター内の表記は竹製。

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ウェルカムドリンクとしてお茶やスパークリングワインがあった。

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トラベルライブラリーの本は昭和レトロや民藝、九州がメイン。コーヒーとお茶だけでお菓子がなかったのは残念。

・部屋

最上階11階の特別室に泊まった。
正面は天井から足元まで窓になっていて、一面に広がる海しか見えない。
絞り染めの布をイメージした、ポコポコした照明が印象的。

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ガラスに近づいて見下ろすと、右下にヨットハーバーがあり、下の公園には犬の散歩やジョギングの人たちが見える。

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引き出しの中のドリンクコーナー。地元の名産である竹細工の茶托や小鹿田焼の茶碗、生姜湯やしいたけ茶があった。

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シャワースペースは広くて、仕切りはあるがドアがついてない開放的な造り。

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ベランダの露天風呂も湯舟が大きくてよかった。ややぬるめだがよく温まる。ずっとチャポチャポいう湯の音がしているのに癒される。横に置いてあったザボンを入れるといい香り。

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翌朝、真正面から登ってきた朝日がまぶしくて早朝に目が覚めた。ロールカーテンは下ろしていたが、それを貫通する明るさ。
実は窓側の空間とベッド側を仕切れる引き戸があるのだが、気づかなかった。
水平線が空に溶け込み、向かいの大分の工場はおぼろに蜃気楼のように浮かび、小舟がぽつぽつとシルエットでアクセントになっているのは版画のよう。
水面がどんどん表情を変え、一部だけキラキラ輝いたりする不思議な眺めは見ていて飽きない。

・大浴場

内湯はぬる湯とあつ湯に分かれていて、露天風呂はけっこう熱い。
中の大きな窓から、庭の桜と柑橘のなる木が見えてとても綺麗だが、露天風呂に行くとそれは見えず、ジャングルの中みたいな感じでいまいち。1階なので外の景色は一切見えない。
湯上がり処は中庭になっていて、ゆず蜜ジュースがおいしかった。

3日目のことだが、2日目まであった庭の桜がなくなってスッポリ空いた空間になっていた! あれは作り物だったのか? それとも季節に合わせて木を植え替えるのか?

・アクティビティ

温泉ミスト

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配管だらけで科学室っぽい装飾のラボに行き、温泉ミスト作りに参加。
最初に別府温泉についての解説を受ける。全国に27000くらい源泉があって、そのうち大分に5千あり、別府に2千くらいあるらしい。

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温泉のお湯25g、グリセリン2g、オイル2.5gを測ってビーカーに入れ、最後に3種類の精油からどれかを選んで1滴入れる。好きな色のスプレーボトルに入れれば温泉ミスト完成。
こまごめピペットを何十年ぶりかで使った。グリセリンは粘度が高くて、こまごめピペットで吸いにくい。

あと、御朱印帳みたいな界のスタンプ帳ができていた。300円で販売しているが、温泉ミスト作り参加者には1冊くれた。すでに行ってしまった界が6つあるので、もう少し早くできていれば……。

夜店

夜はロビーでお祭り風の夜店をやっている。
ラボに温泉蒸し卵、地獄ラーメン、モクテル(ビーカーなどに入った3色のノンアルコールカクテル)がある。

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ロビーで流しのおじさん2人組が懐メロを歌っていた(時々呼ぶらしい)。
型抜き、輪投げ、スマートボールがあり、廊下にはヨーヨー釣りも。子どもや海外観光客に受けそう。

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ご当地楽

夕食後の時間帯に「湯治ジャグバンド」がロビーで開催される。
「ジャグ」とは、日常品で演奏するジャンルのこと。3人で桶をバチで叩いたり湯を注いだりしてリズムを奏でる。隣に素早く手を伸ばして入れ違いで叩くところが一番の盛り上がり。
観客もプラの洗面器を持たされ、手拍子の代わりに合図に従って叩く。

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その後、足湯にプールみたいなレーンが仕切られ、お風呂アヒルによるレースが行なわれる。
参加者を3人募ってそれぞれアヒルを選び、水鉄砲を使って進める。一番乗りした人には小さいお風呂アヒルがプレゼントされていた。

アップ用

絞り染め

ハンカチの温泉絞り染め(1人1800円、要予約)に参加した。
まず赤か青のハンカチを選ぶ。輪ゴムで止めてから高温の蒸気に当てると、全体の色が落ちて輪ゴムで止めた部分だけ色が濃く残る仕組み。すでに2か所、白いレースみたいな模様を残した部分がある。
箸に布を巻き付け、輪ゴムを何重にも巻くと四角の多重線になるのだが、なぜ円形ではなく四角になるのか? と気になって仕方がない。最後まで理屈がわからなかったが、四角いハンカチであることに意味があるのか?
ハンカチの角から箸に巻いていき、左右からぎゅっと皺を寄せて輪ゴムで止めると波模様になる。
木のボールでてるてる坊主を作ると四角ができる、なぜ円形ではないのだ……わからない……。

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色を落としてもらう作業はお任せなので、その間20分ほど休憩。
できあがってみると、てるてる坊主のところがちょっと曲がった線になり、波は輪ゴムの止め方が甘くほとんど出ていなかった。もっとしっかり絞ればと反省するが、次の機会はなさそう……。
アイロンをかけてもらい、ハンカチを吊るして海風に吹かれる写真を撮影。

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・食事

晩ご飯1

公園を望む窓に向かい合って二人で並ぶ席だった。

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篝火台みたいな入れ物で供される先付けがおいしかった。「きらすまめし」という名前で、カンパチとおからを和えたもの。
豊後牛のステーキがさすがにうまい。かぶと豊後牛ロースの煮物も優しい味だった。

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ハモやオクラの天ぷらが少々、さらにナスが入った丸いフワフワ煮物など。
最後はウナギの炊き込みご飯で、実山椒のうまさに目覚めた。

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デザートはクリームチーズのムースにいちごソースをかけたもの。
炊き込みご飯の余りを折詰で持ち帰れるようにしてくれた。お腹いっぱいだったけど、おいしいので夜食に食べてしまう。

朝ご飯1

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せいろの蒸し野菜と豚を、自分ですったごまだれとりゅうきゅうだれ(甘い醤油に生姜)で食べる。ご飯のおともの辛子椎茸が意外とうまかった。

晩ご飯2

先付けはかぼすジュレに穂紫蘇を散らしたうどんみたいな感じ。

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お造りが竹の入れ物の中に入っている。最中の中につくねを入れて揚げたものも珍しいなと思った。あと、さわらと木の芽をたっぷり乗せた土鍋ご飯など。

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デザートはやせうまあんみつ。「やせうま」は麺にきなこをまぶしたようなものらしい。それを一切れ揚げてアイスの上に乗せ、黒蜜とあんこを添えた感じだった。

朝ご飯2

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昨日と同じせいろ蒸しで、中身は鶏むね肉と巨大なしいたけ。歯ごたえがグニョグニョでなくプリプリした感じで臭みもない。
あとは卯の花とカレイがおいしかった。

晩ご飯2

先付けの三色胡麻豆腐はどこかの界で出たことがあるなと思って振り返ったら、界 長門の晩ご飯2とかなりメニューがかぶっていた。おいしいからまったくかまわないけど。
ホタテ入りはんぺんみたいな煮物がおいしかった。炊き込みご飯は牛時雨煮と実山椒。デザートは3回目となるお汁粉ムース。これは界で一番好き。

今までの界では毎回お腹いっぱいでご飯を残すしかなかったが、ここでは「折詰にしますか?」と向こうから申し出てくれるのでありがたい。食べきれなくて要望が多かったのかな。

朝ご飯3

鍋で作る「だご汁」は、きしめんみたいな太いうどんが入った優しい味の豚汁。
「うれしの」は鯛の胡麻和えとぶぶあられと針海苔を入れるだし茶漬けで、お殿様が好きでこれが出るたび「嬉しいのう」と言ったからこの名になったらしい。

さすがにあちこちの界で連泊していると、共通するメニューが時々出てくるので、中央からレシピが共有されていると思われる。
メニューに書いてあったが、なるべく先付けでご当地感を演出しているようだ。


その3~「星のや」編~に続く









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