従兄弟の衝撃の一言
Yudaiです。
僕には、アメリカ在住の従兄弟がいる。
カリフォルニア、サンフランシスコだ。
男三人兄弟で、アメリカ生まれアメリカ育ち。
見た目はアジア人だが、マインドはほぼ100%アメリカ人。
父方の伯父にあたる人が何十年も前にアメリカに移住し、物理の専門家になった(最近まで知らなかったが、著書も沢山出版している)。
そこで伯母と出会い、従兄弟家族が出来たわけなんですね。
60年以上前に、単身アメリカに渡るなんて人はなかなかいないんじゃないでしょうかね。
3人のうち、次男だけは日本人と結婚して、日本にいる。らしい。
らしいというのは、ぶっちゃけよく知らないのだ。
別に仲が悪いわけではないし、うんと小さい頃はサンフランシスコの家に遊びに行ったこともあったが、ほとんど覚えていない。
前回従兄弟家族に会ったのも、恐らく祖父の法事の時で、17,8年前が最後でしたかね。僕はまだ高校生だった。
その時久々に会った、かつて華奢だった従兄弟の三男は、筋肉隆々。
平屋の柱みたいな首で、まるで室伏広治氏のような外見になっていて驚いた。
「まるでソルジャーだね!」と冗談で言ったものだが、何とネイビーに従軍しているとのこと。
いや誰がマジだと思うんだよ!
好きな音楽の話。日本で流行っているものの話。学校の話。彼女はいるの?とか。
カタコトの日本語で、色んな四方山話をしたんだろうけど、ほとんど忘れてしまったなあ。
でも、その時の三男のある一言が僕の中で強烈に残っているんです。
僕は当時、受験が迫っており、勉強に焦っていた。
何としても志望校に、受かりたい。
進学校に通わせてもらって、現役で志望大学に受からないなんて、恐ろしい。
それは僕だけの感覚ではなく、周りの友人も確かに同じだったと思う。
その話をすると三男は、こう言った。
「If ya fail the exam, just try again (落ちたらまた受けりゃいいじゃん)」
いやいや確かにそうだけど。そんな簡単なものじゃないし、落ちれば浪人。浪人がどんなにイヤか。
更に、
「ロウニンって何?(笑)」
と。なるほど、そうか。説明しても、分からないか。
更に、「何でその大学に行きたいの?」とか、「その大学で何がしたいの?」とか面接官のようにしつこく聞かれた。
何でって言われても…。
何がやりたいかよくわからないから、少しでも偏差値のいい大学に行きたいんだけど。
その時初めて悟ったのだが、日本とアメリカでは事情が全く違った。
日本では、今だに現役大学合格とか、新卒採用みたいな文化が根付いている。
ところがどうやらアメリカでは違うというのだ。
勉強したいことがあって、大学に行って、勉強したことを仕事に活かす。
別に年齢など関係なく、
学力があれば入学出来るし、
能力があれば就職出来る。
これに尽きると。
あれ、日本も表向きはそうじゃないかい?
いや、その「表向き」こそが、日本らしいのだ。
結局その後僕は浪人して、何とか行きたい大学に行けた。
だけど、相変わらず自分が何をしたいかが分からず、
いや、本当にやりたいことはあるけど踏ん切りがつかず、
また周りに流されて就職活動に追われた。
友人達が次々と一流企業の内定を取っていく中、ふと従兄弟の言葉が浮かんだ。
「何がやりたいか。それをやるためなら時間がかかっても、周りと同じじゃなくてもいい」
無謀で非常識で愚か者だったかもしれないですが、
僕は内定を辞退させていただいて、バンドを一生懸命やろうと思った。
その報告をして最後は納得してくれた両親に感謝しますし、
ドン引きしながらも応援してくれた大学のゼミの先生にも感謝。
そして、あの時の従兄弟に感謝。
全然まだまだ、まだまだ未熟者過ぎるけれども、今だに音楽をやれていて、関係してくれている全ての方に感謝しています。
頑張らなきゃ。
Bruce Springsteen - Born in the U.S.A. (Official Video)
今聴いてもかっこいい。
コロナ禍が終わって、落ち着いたら会いに行けたらいいな。
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