【作品No.6, 11】 菊池宏子 × 松谷美登里 × 松谷光尚
作品No.6, 11
菊池宏子 × 松谷美登里 × 松谷光尚
いつかこの瞬間を名付ける日まで
糸、木綿布、桐、ガラス瓶、金平糖
展示場所:更谷酒店、松谷清造本舗
「いつかこの瞬間を名付ける日まで」は、谷川氏の詩文を足がかりに、洞川で生まれ育った松谷美登里との対話が基盤となった参加型作品だ。彼女の実家・更谷酒店と日々の拠点となる松谷清造本舗が舞台となる。美登里の夫・松谷光尚も加わり、写真を通じて彼らの人生を振り返ると、忘れかけていた大切な瞬間が蘇り、封印されていた感情や「名前が変わる」出来事の記憶が甦った。そして二人との時間の流れが、裁縫する行為と重なった。
写真に残された記憶の断片を糸で描いた布越しに、日常の景色、自己を覗き込む作品である。期間中、松谷清造本舗では、今日を憶い出す秘薬を手渡すパフォーマンスを行う。いつ、誰に届けるかは彼女の瞬感に委ねられ、彼女の「そのまま」の表現がこの作品を形作っていく。
最後に、参加者一人ひとりが共創することで作品が完成する。それぞれの解釈で自らと対峙する機会になることを願っている。(菊池宏子)
作品No.6
松谷清造本舗
作品No.11
更谷酒店
協力:更谷定代、更谷ほたる、増谷美智子、鎌田洋子、菊池幸英、林敬庸
撮影:上野千蔵