不思議の国の豊16/#日出る国
前回は
ここまで、そして
#日出る国
懐かしいにおいがした。
砂漠が地平線まで続くのとも、
広い大平原の遥か遠くに山がある風景とも違った。
海のような川があるのとも違った。
本当の海を渡ったここは、
この世の果てではないかと思われたが、
なぜか懐かしかった。
明確ではないが、
遠い祖先が、東の海に浮かぶ国から
旅立ったような話を聞いたような気がする。
そこは豊かで寛容な国だっと・・・
なぜ、私たちはここまで旅してきたのだろう?
既にここには国があるようだから、
新しい国は作れないかもしれない。
もしそれをやれば、
私たちがここまで旅をしてきた最大最悪の理由を
自ら作り出すことになる。
争いのない国を作りたいのだ。
争いを仕掛けられない国を作りたいのだ。
争いを見ない国に住みたいのだ。
しかし、ここにはすでに国がある。
そしてそれは、海を越えて
いくつかの国を従えることをしている。
この国は寛容な国ではないようだ。
もう、私たちの目指す土地は
#この世にはない のだろうか?
とにかく、私たちの知見を活かすしかない。
ここが最果てなら、
ここで試すしかないだろう。
私たちは様々な技術を伝えることにした。
この国の言葉で、
モノを述べる。
モノノベと名乗ることにした。
私たちは、病気を治す、薬を作る、道具を作る
法律を作る、裁判をやる、戦争をしない、
とにかく、いろいろの情報を
この国の人たちに伝えることにした。
いくつかの権力や勢力が有るこの国は
すぐに私たちの知見を利用し始めた。
その最初が戦争を回避する方法であったことは言うまでもない。
以下次号