不思議の国の豊12/#なぜ東をめざすのか 1
前回は、これ、
そして次は
#なぜ東をめざすのか 1
結構な情報量だった。
この国は砂漠の要衝であり、たびたび大国のはざまで苦悩していた。
多くの文化や宗教背景の旅人や
珍しい商品を持った裕福で意欲的な商隊は
ここを必ずと言っていいほど通り、
だからこそ栄えた。
そして世界中から最新の貴重な情報が手に入った。
しかし、だからこそ隣接の大国が欲しがり、
それぞれから、無理難題を押し付けられた。
この国の祖は、
そんな事態を回避したいがために
ここに村を作ったと聞いている。
なのに、また同じことがここでも
祖先が来てから何世紀も続いていた。
この国の祖はそれに備えていた。
周りの国が、ここを国と呼び始める前から、
自分たちの家系を複数に分岐させ、
全く違う家系であるかに装っていた。
もしこの国が王の支配する国になっても、
その王家が、その国の祖であっても
その王家が、今のような状態になっても、
その王家の傍系は、傍系でないかもしれないが、
その教訓を活かせるだけの情報を蓄えていた。
そして、それを活かす時が来ていた。
この国は、外部の大国の支配だけでなく、
自然の驚異によって、
もう風前の灯だという事は分かっていたからだ。
彼らには、東に行く必要があった。
情報は東に行けと言っていた。
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