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第一回「日本オオカミ復活会議」を開催しよう!その2・鹿の急増と森林内環境破壊・砂漠化のメカニズム

鹿の急増と森林内環境破壊・砂漠化のメカニズム


日本の森林環境は、一見すると豊かに見えますが、実は深刻な砂漠化 が進んでいます。その最大の原因は、シカの急増 です。

かつて、日本のシカには天敵が存在しました。しかし、現在はその天敵が消え、シカの個体数が制御されなくなっています。その結果、森林の生態系が破壊され、「緑の砂漠」 が広がっています。


シカの増加と天敵の消滅

シカにはかつて、以下の3つの天敵がいました。

  1. 最大の天敵:日本オオカミ → すでに絶滅

  2. 第二の天敵:人間(狩猟や農業の影響) → 過疎化・農林業の衰退で里山から離れ、狩猟者も減少 

  3. 第三の天敵:犬(野犬) → 法律による野犬の駆除とペット化で、もはやシカに対する脅威にならず

こうして、日本列島のシカはほぼ天敵がいない状態 になってしまいました。

捕獲量と繁殖量のアンバランス:高齢化による狩猟者の減少は深刻で、その捕獲量は鹿の繁殖力にまるで歯が立ちません。 


シカの増加による森林の砂漠化

天敵のいなくなったシカは、下草や若木の樹皮を食べ尽くし、森林内の植生が大きく変わっています。

  • 地面を覆う草が消え、土壌の保水力が低下 → 雨が降ると土が流れやすくなり、土砂崩れや水源の枯渇が進む

  • 若い木が育たず、森が老朽化 → 長期的に見ると、森林の再生が困難になる

  • 昆虫や小動物の生息地が失われ、生態系が崩壊

その結果、緑があっても生き物がいない「緑の砂漠」 になってしまうのです。


影響は森の外にも広がる

シカの増加による影響は、森の中だけにとどまりません

食べ物を失ったクマやイノシシが、人里に出没するようになる
シカが農作物を荒らし、農業被害が拡大
森林の砂漠化が進行し、水資源にも影響を与える

にもかかわらず、多くの人は森に入らなくなり、この現象に気づきません。遠くから見れば緑が広がっているように見えるため、問題の深刻さが認識されにくい のです。


この問題にどう気づくか?

現在の森林環境の変化は、一部の専門家や狩猟関係者の間では知られていますが、一般の人々にはほとんど認識されていません

この事実を広く知ってもらうための仕組み が必要です。

  • 「緑の砂漠」の現実を写真や映像で伝える

  • シカの被害を可視化し、具体的なデータを示す

  • 地域住民と協力し、実際の森の変化を体感できる場を作る

こうした取り組みを進めることで、より多くの人に森林の現状を理解してもらい、日本オオカミの復活や、適切なシカ管理の必要性を考えるきっかけ にしていくべきではないでしょうか?


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