ランドスケープデザインとはなにか
ランドスケープデザインとはなにか?というのを考え、整理してみました。
というのは、日本では特にあまり認識されていないことに加え、人によって捉え方が異なるように感じられるので改めて。(と言いつつ、ここではクジラが考えるランドスケープデザインとして捉えてもらえればと思います。)
日本の大学でランドスケープデザインに出会った自分ですが、大いなる勘違いをしていた(る?)こともあり、改めてランドスケープデザインとはなにかということを考えてみたく思ったのも理由の一つです。
ではさっそく。
ランドスケープデザインって?
建築や土木に関わっている人やデザインやアートなどに興味がある人は、ランドスケープという言葉くらいは聞いたことあるのではないかと思うところです。
"landscape"は直訳すると風景。つまり、風景をデザインすることがランドスケープデザインと捉えられるかと思います。シンプルに考えるとそんなものなのですが、周りを見渡してみるとそれは多様で、ランドスケープアーキテクトやランドスケープデザイナーたちはそれぞれのやり方をもって取り組んでいる世界でした。
あまり物事を深く考えなかった大学生の頃の自分は単純に風景のデザインと勝手に思い込み、この道を進んでしまったのが、先に書いた大いなる勘違いでした。笑
ランドスケープデザインの概念
自分の主観でなく、書物からランドスケープデザインを探ってみます。調べてみると上記のような図が出てきました。
この図はランドスケープの概念図ですが、風景や景観を対象とした分野と捉えてもらえればいいのですが、これだけ見ても色々なもの・様々なスケールのものが含まれていることが理解できます。(これはなかなか伝わらないわけだ)
「都市計画から建築、土木や造園に芸術まで含めたデザイン行為であって、人の営みから自然まで対象となる。」こう書くとわかりづらいですが、基本的な対象としては屋外です。そして人だけでなく自然など環境にもより配慮をしていくということを示しており、つまり、「景観の地となる屋外の場づくり」と捉えるのがよいかと思うところです。
そんな分野をまたぐランドスケープデザインですが、特に日本では建設の一分野と捉えられています。※このあたりのことは後にも書いてみようと思います。
ランドスケープデザインの対象
「屋外に関する計画・設計」をする分野なので、屋外に該当するものは全て含むと捉え、計画という意味では地域から公園・庭まで様々な領域を含みます。
一方で、ランドスケープデザインは「不特定多数の人を対象とした公共の場」を対象とすると考えると、個人邸の庭などは別分野と言ってもいいのかもしれません。
ランドスケープデザインの空間
建築と比べるとよくわかりますが、引いたスケール(縮尺)でものを考えることが多いです。都市計画な目線から庭を見る目線まで必要だと思います。
ディテールを考える「設計」となってくると建築と同等のスケールまでズームインして物事を考える必要があります。
ランドスケープデザインの領域
風景は人の営みの領域と捉え、それがランドスケープと考えると、とても大きい領域です。
事業や業務によっては、そこまで大きいことを考えることはそう多くはないですが、対象によってズームイン、ズームアウトすることが大切です。ここがランドスケープデザインの特殊性かと考えられます。
先にも述べましたが、日本では建設行為の一分野と捉えられていることが多いです。
造園工事、外構工事、植栽工事など含む屋外整備工事というところです。はじめの概念図とは逆になっていますね。世間の認識が得られていないことが見受けられます。
自分は「風景のデザイン」と広い意味で捉えて入り込んだランドスケープデザインの世界ではありますが、人によっては、もしくは教わった環境によっては、建設工事の一項目という意味で捉えている人も多いかと思うところです。
どちらもランドスケープデザインではあるのですが、せっかくそんな日本で取り組んでいるので、どちらの意味も意識して取り組んでいければと思います。
ざっと一般的な概念としての「ランドスケープデザインとはなにか?」ということをまとめてみたつもりですが、いろいろな考え方があり、明確に整理されていないかと思っています。
このランドスケープという分野をクジラとしては、「これからの日本の風景の在り方を考える分野」と捉えて取り組んでいければと思っているところです。
そこで、この後は「クジラの考えるランドスケープデザイン」というところに落とし込んでみようと思います。
追記1:ここで記載したことはもう少し表現を調整しないとなと思っているので、そのときは少し書き換えようかと思います。
追記2:2024.5.14だいぶ修正しました。