三島駅前再開発について_05
静岡県は道路や鉄道の開通が早かったせいか、歴史的なものが他地域と比べるとあまり残っていない印象。
東海道は国道1号線になり、鉄道と高速道も並行に据えられたから、城下町や大きな宿場町は新幹線が停まる市街地になったり、幹線道や高架などで町が分断されたり。小さな宿場町なんかはほとんど残らないような開発が、今のような環境志向の社会になる前にすでに完了していたような。
東部の方も同様で、沼津はもともとは城下町で堀なんかもあったようなのだけど、その痕跡がだいぶわからなくなっているといったことも。
三島は駅が今の下土狩駅にあったようで、いくらか直接的な開発は免れて、なんとか町割りが残っている町と思える。それもあって川や水路・塊の緑が残っている。
生まれる前のことだったので全く知らなかったけど、熱海と三島を繋ぐ、丹那トンネルの採掘で芦ノ湖3倍分の水が消失して、丹那盆地の湧水66箇所枯渇、水田とワサビ栽培壊滅となかなかのことが起こっていたりも。
今では酪農が生業の中心となっている丹那盆地も、かつてはみずみずしい町だったと思うと、東海道線にお世話になってはいるものの悔しいし、湧水やわさび田がある丹那盆地を見てみたかったなと。
リニア問題でいろいろ言われてるけど、こういうことがあって静岡県の人たちは地下水など見えない自然や大きな開発に敏感だったりするのかも。
そんな時代を早くに味わってしまった静岡だからこそ、今から少しずつでも取り戻すような都市開発をしていけたらと思うところ。
大きな再開発の一方で、「三島市まちなかリノベーション」という小さな都市開発も始まっているわけで。水やみどりに、20年前の「街中がせせらぎ事業」と合わせて、こういう小さい取り組みが三島の都市開発の象徴になるのがいいかと思うのです。(再開発をこれからの町のシンボルなどと言わずに)
※資料には再開発エリアの東側街区のことも書いてあるけど、市によると別事業の位置づけのよう。東側街区も古い建物の利活用など小さい取り組みであった方が馴染んでたかもしれないけどどうだろう。そういう検討を経て、これから目指す形になっているといいのだけれど。