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初めて炭酸を飲めた日
私が炭酸を飲めるようになった日は小学1年生の夏だった。
その頃、炭酸を飲みたいけれどなんとなくまだ飲めない気がしていつも選んでいなかった。
でもファンタや三ツ矢サイダーの缶のPOPなデザインに勝手な憧れはあった。
3つ歳上の兄はよく友達と一緒にファンタやお茶の缶を買ってテレビゲームをしていた。
妹の私は兄の友達の弟君と一緒によく兄達のゲーム画面を見ていた。弟君と私は大抵お茶かジュースの缶だった。友達兄弟はミルクティーや紅茶もよく飲んでいて、ちょっと家より上品だなと思ったりした。
平成初期の団地の和室。兄の友達は優しく、弟くんは私と同い年の為ほぼ毎日どちらかの家か団地の公園で遊んでいた。
夏のある日、兄の友達兄弟がまた家に来ていた。
親か兄達か分からないけど近くの自販機で何種類かの飲み物を買ってきていた。
どれが良いか選びな〜と言われみんなで選んでいる最中、炭酸選ぶかなと思った兄の友達がミルクティーを選んでいた。余った炭酸を見て、ふとつぶやいていた。
「炭酸、飲みたいけど飲めるかわからない。」
すると兄の友達が気付いてくれて、
炭酸飲んだことないの?美味しいよ、一口飲んでみたら。と軽く言った。
我が家や新しいものを空けて残すと怒られるので(まだペットボトル飲料がデカイサイズしかない時代)
ためらってると、親切にもプルタブを空けて渡してきた。
恐る恐る一口飲むと、シュワシュワ~と喉が擽られる感じとあま~いジュースが口の中に広がった。
スローモーションの用に周りがゆっくりに感じた。
なんだ、飲める。
新しく飲めるものが増えた、ちょっと挑戦して成し遂げた達成感。
よっぽど嬉しそうな顔をしていたのか、
「良かったじゃん、飲めるじゃん。」
「うん、飲めた!大丈夫だった!!」
「」
その後どんな会話をしたか覚えていないけど、優しい人だったな、と大人になってもたまに思い出す。
あれから色々炭酸ジュースが飲めるようになり、夏の暑い日は今でも炭酸を選ぶことが多い。
シュワシュワの感触とあま~いジュースの味が忘れたくない子供時代を思い出させてくれる。