今日のマナー筋トレ『夫婦で溌剌』

マナー筋トレとは、運動して得た筋肉が丈夫な体をつくるように、マナー（心遣い）を身に付けることで自分軸が強固なものになる、そう私は感じています。そして、マナーは特別な事をするわけではなく、日常を過ごす中での当たり前の事。そんな話をしていきます。ちなみに、画像と記事の内容は無関係です。

私が利用する最寄り駅は古くて小さな駅で、改札がそこそこ長い階段を上がったところにあります。都心には1時間ほどで行けて、家は安く建てられることもあって人気のエリアです。

人口がどんどん増えるにつれ、駅の改築も度々行われ、今ではエスカレーターもエレベーターもあるので、長い階段をあまり利用しなくなりました。

ある日のこと、その最寄り駅のエスカレーターに向かって歩いていたところ、私の前方から一組のご夫婦が姿勢よくスタスタと歩いてきます。

見ていてとてもすがすがしく感じました。歩幅もしっかりしていて、背筋は真っ直ぐ！それこそ「人が思うより健康です♫～」という、今流行りの歌のフレーズがバッチリハマりました（失礼ながら、ご年配のご夫婦とお見受けしましたので…）。

そう思いながら、私の頭の中では計算をし始めました。前方から来るご夫婦と私の歩くペースがほぼ同じで、このままエスカレーターに向かうと、ほぼ同時にエスカレーターの前に立つことになる…と。

もちろん、私はお相手に先を譲るつもりでいましたので、ご夫婦とアイコンタクトが取れる位置で立ち止まって、ご夫婦が先にエスカレーターに乗るのを待とうと思いました。

すると、そのご夫婦も歩きながら同じことを考えていらしたようで、私とアイコンタクトが取れる位置で、私と同時に立ち止まったのです。

私は（あら、どうしよう…）と一瞬考えていたら、女性の方が（どうぞ）という合図で手を出されたのです。私は、こんなところで譲り合いをしていたら他の人に迷惑になるので、頭をペコンと下げて少し小走りでエスカレーターに乗りました。

エスカレーターでじった立ちながら考えていたことは、先を譲られた自分の感情でした。人に優しくされるって、本当に気持ちがいい（当たり前ですが）。いつも何かのとき（トラブルも含め）は譲ることを選択するようにしているので、もし自分がそのご夫婦を先にエスカレーターを勧めていたら、私にとって感情が揺さぶられる（大げさ？）ことがない一幕だっただろうと。

その日はとても気持ちが明るく、ハートに羽根があるかのような軽さも感じ、とても幸せな気持ちになれました。