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智慧の成就こそ第一義 | 竹窓随筆
『増一阿含経』において、仏陀は次のように説いている。
「戒律を守れることは世俗の常数である。三昧を成就することも世俗の常数である。さらには神通力を得て飛行できることも世俗の常数である。しかし、智慧を成就することこそが、第一義である。」
この教えに照らせば、戒・定・慧の三学においても、六波羅蜜(布施から智慧に至るまで)においても、智慧が最も重んじられるべきもの、最も優先されるべきもの、あらゆる法門を貫く根本であることがわかる。
経には「戒によって定が生じ、定によって智慧が発する」とも説かれる。これは、修行の順序や発展の過程を示したものだが、それを学ぶにあたり、何を重視し、何を優先し、何がすべてを貫くのかを理解することが肝要である。
ただし、ここで説かれる「智慧」とは、単なる聡明さや弁才を意味するものではない。この点は、以前に述べた「智の種類」における内容と一致している。
增一阿含經:「佛言:戒律成就,是世俗常數;三昧成就,亦世俗常數;神足飛行成就,亦世俗常數。唯智慧成就為第一義。」則知戒定等三學,布施等六波羅蜜,唯智慧最重,不可輕也;唯智慧最先,不可後也;唯智慧貫徹一切法門,不可等也。經云:「因戒生定,因定發慧。」蓋語其生發之次第則然,而要當知所重、知所先、知所貫徹始得。雖然,此智慧者,又非聰明才辯之謂也,如前「世智當悟」中說。