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「句具ネプリ-春分-」の感想まとめ
2021年3月20日、春分の日に発行した句具ネプリ。
#句具ネプリ のタグにたくさん感想が集まっていましたので、こちらで、時系列で一挙にご紹介します。
(タグは全て拾っているつもりですが、もし漏れや重複があればご連絡いただければ修正や追加します)
句具ネプリ-春分-に集まった、たくさんの感想
#句具ネプリ
— はこもりひろみ (@zurume) March 20, 2021
まねしないかがみがあった春の風/とうい(6才)
とてもかっこいい…
知らないと答へて春渚を歩く
— うっかり (@575or57577) March 20, 2021
西川火尖
子の問に何度も虹と答へけり
の作者。もちろん知らないこともある。字余りと句またがりで歩いてみせた春渚はそもそもが曖昧な場所だ。知っているつもりでも、実はあまり理解できていないことが多い。それを季語と技法で示してくれた。#句具ネプリ #俳句 pic.twitter.com/UABwRkP8ED
一つだけ背を向けてゐる風車
— うっかり (@575or57577) March 20, 2021
鈴木麗門
一読して、わたしのことかと思った。授業で港を描きに行った時、皆が海を描いているのに、わたしは工事現場を描いた。気づいた時は恥ずかしかった。でも、それで良かったと思う。この風車のように一つだけ違う風を待つのも間違いじゃない。#句具ネプリ #俳句 pic.twitter.com/8LNBO5IaUL
ぶきやうなこそだてわらびもち甘い/
— 内橋可奈子 (@kotosorach) March 20, 2021
とりこ
#句具ネプリ
わらびもちのねたっとした食感、じゃりじゃりと甘いきな粉とお砂糖。思い通りにならない子育ての束の間の休息。美味しいけどちょっと不器用なお菓子、わらびもちに自分を重ねているのかなと思いました。
春色を連れて我が子の帰宅かな/よしざね弓#句具ネプリ
— 内橋可奈子 (@kotosorach) March 20, 2021
春色を連れて帰ってくるね、こどもは、本当にそう。その春色がどんなものであっても、この親は受け止めるんです。親とこどもの素敵な関係性が見えてくる。
恐るべき春蚕の糞や手榴弾/阿部薄荷光#句具ネプリ
— 内橋可奈子 (@kotosorach) March 20, 2021
春に糞、とはこれほどに穏やかな存在もないんですよね。手榴弾、とユニークに捉えるのも悪くない。「恐るべき」とか大袈裟に言ってるふうも面白い。
直角に曲がれば春のパン祭り
— 土佐藩俳句百姓豊哲 (@3mzDw36fMYCb3U1) March 21, 2021
(六文風鈴)
最初はドライブかと思ったら食パンのことかと思いびっくりしました❗
松下由樹さんの姿とCMの背景が浮かび上がる一句で良かったです。#句具ネプリ #俳句
ぶきやうなこそだてわらびもち甘い
— 野口大輔 | ノグチダイスケ (@dayskyhutte) March 21, 2021
とりこ
実感あるとても素敵な句!
本当に子育ては不器用。。スマートにできない。
そして子供はたまにわらびもちみたいにぐでんぐでんになります。そんな子供でも甘さを感じる心の余裕は持っておきたい(願望)#句具ネプリ
春昼をまはるケバブのねむたさう
— 野口大輔 | ノグチダイスケ (@dayskyhutte) March 21, 2021
夜行
何気ない風景を切り取った素敵な句。
ケバブの回転はなんかぎこちないし眠たそう。。
春だし眠いよね。死んでるけど。死んでも春は眠い。#句具ネプリ
三月も人もときどき嘘をつく
— 野口大輔 | ノグチダイスケ (@dayskyhutte) March 21, 2021
中村想吉
何月が一番嘘をつくのかと考えると確かに三月だ!という発見があった句。
暖かそうな陽ですっごく寒い時あるし、曇ってても意外と暖かい日もある。爽やかそうで花粉飛んでるし。僕も三月と同じぐらいの嘘の回数に抑えます(えっ)#句具ネプリ
◇ たんぽぽや二度折り返す園児服
— いつき組 とりこ (@j9ZgwmXd0rpUrm5) March 21, 2021
とりまる
奥さん(とりまる)の句の中でも大好きな句の一つ。長男が幼稚園に入学して、大きめに買った制服の袖を二度折り返して送り出したのでした。繊細な感覚と子への慈しみに溢れた句。#句具ネプリ
ディフェンスは足から先に風光る
— 土佐藩俳句百姓豊哲 (@3mzDw36fMYCb3U1) March 21, 2021
(颯萬)
サッカーかバスケの状況なのでしょうか?
私はBリーグ観戦が好きです。
マッチアップやリバウンド争いは足を使うからとても印象深い一句です。
上二枚:香川ファイブアローズ
下二枚:京都ハンナリーズ#句具ネプリ #俳句 #Bリーグ pic.twitter.com/Y7Fk0LlZj4
鈴と鈴鳴りあふ鍵や春の宵
— 土佐藩俳句百姓豊哲 (@3mzDw36fMYCb3U1) March 21, 2021
(早田駒斗)
シンプルかつ生活感・実感のある良い一句です。
仕事を終えて、二つの鈴がついた鍵を取り出す時の映像と聴覚が浮かび上がります。#句具ネプリ #俳句
#句具ネプリ 俳句「読む」専のわたしですが、プリントアウトだけ参加させていただきました。こんなふうに「場所」がつくれる時代なんですね。すてき。
— ISO,Katsumi (@katsumisrhythm) March 21, 2021
わたくしの文体となる薄氷 有本仁政
どの句もすてきでしたが、一読めで選ばせていただいたのはこちら。このあとまたゆっくり読みます。
#句具ネプリ
— 十月 (@october_10tsuki) March 22, 2021
今日未明春が発砲し逃走 江口小春
物語の始まりみたい。明るくなってくる春の未明や、冬の間我慢してきたものが爆発したのかなとか、色々と妄想してドキドキしました。好きな擬人化です。
#句具ネプリ
— 十月 (@october_10tsuki) March 22, 2021
人に会う予定欲しくて春寒し 諸星千綾
わ、私も誰かと会う予定欲しい😭この、今年の春の実感として、とてもしみじみしました🌸来年はお花見できるかな〜。
#句具ネプリ
— 十月 (@october_10tsuki) March 22, 2021
花屑のどれもどこかに疵持ちて 板柿せっか
それぞれに疵を持ち、ばらばらになって落ちて行く花はとても美しいのだけど、多くの人は美しい盛りの花を見上げたまま、花屑にはほとんど誰も目を留めない。そのままゆっくり土に戻って行く、もう一つの春の姿。あ〜、美しい……。だいすき。
#句具ネプリ
— 十月 (@october_10tsuki) March 23, 2021
春星や母と呼ばれて母になり 中村かりん
子がまだ「ママ」とも言えない赤ちゃんのうちから、看護師さんに、お医者さんに、保健師さんに「お母さん」と呼びかけられ「わ、私?ですね?」と、私の「母」としての最初の輪郭は作られていった、ような気がする、ことを思い出しました🤱
#句具ネプリ
— 十月 (@october_10tsuki) March 23, 2021
真つ白なフィールドノート花曇 小谷由果
外で開いた真っ白なノートのページとそこから無限に繋がるような花曇りの空。世界がすべて自由のキャンバスになったかのような清々しさ。シンプルな言葉と季語の組み合わせでここまで広がりがでるの凄い……!!となりました☁️🌸☁️🌸
#句具ネプリ
— 十月 (@october_10tsuki) March 23, 2021
苗札に子は種の絵を描き足して 後藤麻衣子
花じゃなくて種の絵なのがかわいらしい☺種からどんな花が咲くかは、咲いてからのお楽しみだし、子どももどんな大人になるか成長楽しみだな〜と想いを馳せるなどしました😌🌱🌷
#句具ネプリ 読んでる。春の句のアンソロですね。
— 西川火尖(にしかわかせん) (@nishikawaksn17) March 21, 2021
山焼いてろろいろろいと鬼のこゑ 楠本奇蹄
子連れ句会では特選で採った句。ろろいろろいに含まれる、悲哀のような、恐ろしいような、呼び合うような、いろんな表情を見せる人外の声。山焼きという人間の自然への干渉への反応として響く。
#句具ネプリ
— 西川火尖(にしかわかせん) (@nishikawaksn17) March 21, 2021
花ぐもり象は調べるように歩く 友定洸太
花ぐもりのぐのくぐもりも、調べるようにの比喩も、緩やかな字余りも、すべて象が歩くということを直に感じさせてくれるようで、いや、ほんと、すごい。
#句具ネプリ
— mari (@mariiiram) March 21, 2021
沈丁の香の奥に棲む義父母かな 松本てふこ
沈丁花の額縁効果でおとぎばなしの挿絵が浮かんでくる。義父母とは好きであれ苦手であれ、沈丁花の香りの強さ、奥に棲むという距離感、離れていても強い影響力がある感じ。心に残りました。
苗札に子は種の絵を描き足して 後藤麻衣子
— 睡花 (@P1ckR5sxVBrflfV) March 21, 2021
これはこんな形と話しながら描いているのかなあ。
ほのぼのとした親子の会話を想像します。#句具ネプリ
春の風ありとあらゆるものきんいろ/内橋可奈子#句具ネプリ
— 岐阜大学俳句会/ぎふはい (@gu_haiku) March 22, 2021
金という色は、特別な色ですね。ひとたび春のあたたかで穏やかな風が吹けば、あらゆるものにその「きんいろ」が宿る。すべてのものには存在の意味があって、それぞれが特別で大切なもの。春という季節がもたらす命の芽吹き。
桜蘂ふるふる王からの手紙 箱森裕美
— たんか(探花) (@doitanka) March 22, 2021
王からの手紙は内密のものだろう。嬉しい知らせか、辛い命令か。たぶん後者だろう。桜蘂が降る静けさのなか、剣を抜き誓いを新たにするのみである。#句具ネプリ
まねしないかがみがあった春の風 とうい(6才)
— たんか(探花) (@doitanka) March 22, 2021
わたしが泣けば鏡も真似をして泣くはずだった。でもこの鏡は泣かない。ほほえむのだ。そのままでいいんだよと言う様に。春の風が今日は優しい。
#句具ネプリ
沈丁の香の奥に棲む義父母かな 松本てふこ
— たんか(探花) (@doitanka) March 22, 2021
沈丁の香は異界に繋がるらしい。義父母のすみかもわたしにはそんなところだ。香りが仄暗く静かに腕を足を絡めとってゆく。もう後戻りは出来ない。
#句具ネプリ
#句具ネプリ 春の句はほどよくユニーク。
— あさふろ (@possia2) March 22, 2021
うららかな三十六度七分かな うっかり
四分、六分、七分、八分。やっぱり七分ですね(根拠不明)。数値が極まっているおかげで、「かな」のリフレインが目立ち過ぎず、ほどよいです。
#句具ネプリ
— あさふろ (@possia2) March 22, 2021
鍋ずっと中火の店の菜飯かな 舘野まひろ
とろ火ではなくて「中火」なのが不思議。もしかして火の強さの調整ができない、いや火の強さの調整などしない、そんな概念はない漢の店。そしてそれを「中火」と表現する作者のセンスに春。
うららかな三十六度七分かな うっかり
— せっか (@4_juncidis) March 22, 2021
冒頭にうっかりさんの俳号を見つけてほっこり。#句具ネプリ の入口で検温されたような気分。私も今日も平熱です。コロナウイルス感染症はなかなか終息しないけど、そんなこんなも句に詠んでうららかに日々をおくりたいものです。
#句具ネプリ
— あさふろ (@possia2) March 22, 2021
眠い春起こしに来てよパパゲーノ にゃんもにゃいと
パパゲーノを呼ぶのはパパゲーナだけじゃない。パミーナとの関係。タミーノは真面目だから。夜の女王を看取るのもパパゲーノ。パパゲーノが春の季語でもいいくらいですね。
鳥の眼の水晶体を春の色 はまゆう
— 紬 (紗耶) (@tumugi_kon) March 22, 2021
空、花、光、緑、水、大地。鳥は思い思いに飛び回り、その眼に奔流のように春の色が映りゆく。彼らは、私たち人間よりずっと豊かにみずみずしく春を受けとめているのではないだろうか。#句具ネプリ
くすぐったい距離クレソンの育つ部屋 瀬戸優理子
— 紬 (紗耶) (@tumugi_kon) March 22, 2021
窓辺の穏やかな陽射し、じゃれあう声。ぴよぴよっと伸びたクレソンの葉がそれらを浴びて色鮮やかさを増すよう。とても幸せな時間。香りのイメージもあり、白を基調とするすっきりした部屋のような気がした。#句具ネプリ
山笑う配送トラックからソファ ノグチダイスケ
— 紬 (紗耶) (@tumugi_kon) March 22, 2021
配送先は新居だと思った。今まさに運び出されるソファはきっと選びに選んだお気に入り。やわらかでしっとりした春の山との遠近感が奥行きのある心地よい景を生み出している。新生活を組み立てていく楽しさにあふれた句。#句具ネプリ
春炬燵手をうまく描く練習す 丹下京子
— 後藤麻衣子 (@goma121) March 22, 2021
春になっても出しっぱなしの炬燵。
炬燵の中にある温かい足と、同じ体なのに温度の違う手。その手をじっと見て、描いてみようかな、という衝動。
穏やかでまったりとした、深い意味のなさそうな時間が春炬燵にぴったり。
手って難しいですよね。#句具ネプリ
白木蓮やフラペチーノの蓋ぷくり 千野千佳
— 後藤麻衣子 (@goma121) March 22, 2021
フラペチーノの蓋ぷくり…!
ホイップクリーム多めにしてもらってたモリモリの白にぴったりと貼り付くように装着されたあのぷくりとした蓋、確かに…!と唸りました。
ハ・フ・フ・プのハ行の気持ち良さも。何度も声に出して読みたい。好き…#句具ネプリ
春月夜ゆらと溶けたるざらめかな 鈴木沙恵子
— 後藤麻衣子 (@goma121) March 22, 2021
春の月夜と、ゆらと溶けてゆくざらめ。
ざらめがゆっくりと、何にもあらがうことなく溶けてゆく様子。
朧夜に浮かぶ橙色の、どこか重たげな月が、はっきりとした輪郭もなく浮かんでいる、いつもの夜。
ざらめに春を感じた句。甘くて優しい。#句具ネプリ
#句具ネプリ
— あさふろ (@possia2) March 22, 2021
花屑のどれもどこかに疵持ちて 板柿せっか
句の佇まいが素晴らしいです。「花屑」「疵」の「ず」そして「ど」。バランスよく配置された濁音こそが、この句の趣の秘密なのかもしれない。栞にして持ち歩きたい一句です。
手のひらを食べ残したり春の雪 あさふろ
— 岡村知昭@『然るべく』宜しく (@siganotomoaki) March 24, 2021
手のひらに乗った春の雪を思わず口に含む。口の中で淡く雪が消えて、手のひらはそのまま。「食べ残したり」とは、誤って食べてしまわなかった安心感なのか、それとも手のひら食べたかった、との残念な気持ちなのか。手のひら、ここにあり。
#句具ネプリ
花ぐもり象は調べるように歩く 友定洸太 #句具ネプリ 象さんの動きをよく観察していて面白いと思いました。この時期の東京では、上野動物園と上野の桜はセットです。私も同じ時期に お辞儀する象と向き合い水温む という句を作ったことがあります。動物園で吟行は楽しいですね🦍
— tami (@sgtmy365) March 24, 2021
鍋ずっと中火の店の菜飯かな 舘野まひろ
— 岡村知昭@『然るべく』宜しく (@siganotomoaki) March 24, 2021
厨房では中火で鍋がかかっている。店に入ってから、〆の菜飯を食べているいままで、ずっとかかっている。鍋の中では何かが、美味しく煮えているのだろう。このお店、とても気に入りました。次こそあの鍋の中のものを食べよう。#句具ネプリ
氣に入った句をノートに書いてみる。
— 手相観定師ちゃこ☆俳号は茶娘 (@Niji_crystal) March 25, 2021
まずは2ページ目の中から。
読んでるだけと感覚が変わる。
面白い✨
〝昨日より多く添えられたクレソン〟
押井獅子
クレソンの鮮やかな緑。
メインディシュに添えられてるのかな。それともサラダ?
春が増す食卓。#句具ネプリ
〝花ぐもり象は調べるように歩く〟
— 手相観定師ちゃこ☆俳号は茶娘 (@Niji_crystal) March 25, 2021
友定洸太
確かに象の歩き方ってそう見える!!
映像が浮かぶ。
象に会いに行きたくなる。#句具ネプリ
うららかな三十六度七分かな
— Moro☆ (@Moro13248311) March 25, 2021
うっかり
免疫力的にも理想的な体温に思います。
通行手形の様に検温が必要な日常になりましたね。
私の平熱からいくと三十六度七分と出ると「ちょっと今日は高めかな?」とドキリとします。
そんな時代の「うららかな」がいいです。#句具ネプリ
一つだけ背をむけてゐる風車
— Moro☆ (@Moro13248311) March 25, 2021
鈴木麗門
同じ風に吹かれても反対を向く風車に意志を感じました。#句具ネプリ
花ぐもり象は調べるように歩く
— Moro☆ (@Moro13248311) March 25, 2021
友定洸太
重い体で慎重に歩く象。「調べるように」は納得です。
「花ぐもり」が象の色に合います。#句具ネプリ
遍路ゆく長い手紙を書くように
— Moro☆ (@Moro13248311) March 25, 2021
杉野祐子
供養や願い事を胸に遍路を巡っているのでしょうか。
時々寄り道したり、人や場所との出会いがあったり。
それは確かに誰かへの、また自分への手紙の様ですね。#句具ネプリ
山焼いてろろいろろいと鬼のこゑ
— Moro☆ (@Moro13248311) March 25, 2021
楠本奇蹄
「ろろいろろい」唸っているような、泣いているような、声がいいです。#句具ネプリ
桜蘂ふるふる王からの手紙
— Moro☆ (@Moro13248311) March 25, 2021
箱森裕美
壮大な歴史小説の一場面の様です。#句具ネプリ
今日未明春が発砲し逃走
— Moro☆ (@Moro13248311) March 25, 2021
江口小春
事件風がおもしろいです。
撃たれた人はいないのでしょう。
春、衝撃を残してどこに逃げたんでしょうか。#句具ネプリ
三月も人もときどき嘘をつく
— Moro☆ (@Moro13248311) March 25, 2021
中村想吉
面白い並列です。
嘘が自然の摂理のように感じられてきます。#句具ネプリ
ぶきやうなこそだてわらびもち甘い
— Moro☆ (@Moro13248311) March 25, 2021
とりこ
わらびもちのやさしい甘さに癒されるようです。
見かけが精巧な和菓子ではなく、わらびもちというチョイスもいいですね。#句具ネプリ
手のひらを食べ残したり春の雪
— Moro☆ (@Moro13248311) March 25, 2021
あさふろ
「手のひら」って温かい響きと存在ですね。
残ったのも分かる気がします。
温かさと残酷さが「春の雪」に合います。#句具ネプリ
相談の上でチューリップを貰う
— Moro☆ (@Moro13248311) March 25, 2021
登りびと
どんなやりとりで貰うことになったのでしょうか。楽しい相談が浮かんできました。貰うのに複雑な事情がなさそうなチューリップという花のチョイスがいいです。#句具ネプリ
まねしないかがみがあった春の風
— Moro☆ (@Moro13248311) March 25, 2021
とうい(6才)
うちにも6才の子がいます。「なんでマネするの!」とかがみにおこっています。「まねしないかがみ」にうつる自分はどんなすがたでしょう?たのしい句です。かがみにうつらない「春の風」を出したのもすてきです。#句具ネプリ
山笑う配送トラックからソファ
— Moro☆ (@Moro13248311) March 25, 2021
ノグチダイスケ
山→トラック→ソファ→人 とマトリョーシカの様に小さくなっていく構造がおもしろいです。
トラックもソファも大きいけど、山にはかないません。
自然に抱かれながらの新生活を思い浮かべました。#句具ネプリ
#句具ネプリ 特に好きだった句~。
— 松本てふこ (@tefcomatsumoto) March 26, 2021
花ぐもり象は調べるように歩く 友定洸太
発見を定型の中にそっと置くような静かな詠みぶり。花ぐもりも優しく効いている。
#句具ネプリ
— 松本てふこ (@tefcomatsumoto) March 26, 2021
遍路ゆく長い手紙を書くように 杉野祐子
そこに書かれているのは、深い悔いなのか、喪失の苦しみなのか。鳥のような遥かな視点を感じる。
#句具ネプリ
— 松本てふこ (@tefcomatsumoto) March 26, 2021
手のひらを食べ残したり春の雪 あさふろ
小さくてたくさんあるお菓子を食べていて、ふとこういう気持ちになるの、わかる。春の雪のしゅわっと儚いイメージとよく響きあっていて、童心をあざとくなく俳句にしているなあと思った。
#句具ネプリ
— 松本てふこ (@tefcomatsumoto) March 26, 2021
まねしないかがみがあった春の風 とうい(6才)
ほんとうにかがみなのかな?もういちどふりむくとそれはもうまねをするかがみにもどっていたのでした。
#句具ネプリ
— 松本てふこ (@tefcomatsumoto) March 26, 2021
豆腐屋の水とどまらず春めける 坂西涼太
昔からやっているであろう豆腐屋。水を絶えず流しているところに注目し、ムードにまつわる季語を取り合わせてあっさり詠んだところが手柄。
#句具ネプリ
— 松本てふこ (@tefcomatsumoto) March 26, 2021
春夕焼こぽりと人魚なりし泡 このはる紗耶
人魚と春夕焼の取り合わせが意外なのにハマっている。恋に破れた人魚が泡になってしまったのかな、それとも昼間に浜辺で一緒に遊んだ知らないあの子が海の底の家に帰っていったのかな、などと。
花ぐもり象は調べるように歩く 友定洸太
— 牛るいべえ (@ruibee) March 26, 2021
「調べるように」でリズムがゆったり、かつ正確に遅らされる。こわいほど誠実な遅れ。花ぐもりの柔らかい光と溶け合った象の肌の質感まで浮かんでくる。
#句具ネプリ
山焼いてろろいろろいと鬼のこゑ 楠本奇蹄
— 牛るいべえ (@ruibee) March 26, 2021
「ろろい」はどんな言葉あるいは鳴き声なのか分からないけど、分からないことも含めた切なさがある。人里と山の境あたりでは鬼の声がたまに聞こえるのかもしれない。
#句具ネプリ
廃屋の春の蜜柑の張りつめて
— 牛るいべえ (@ruibee) March 26, 2021
せり坊
人の住まなくなった家の庭の蜜柑も、人の住む家と変わらず実が成り、食べ頃があるという事実が恐ろしい。春の不穏さを凝縮したような句。
#句具ネプリ
うららかな三十六度七分かな うっかり
— 新出既出20 (@Shinnsyutu2020) March 27, 2021
花ぐもり象は調べるように歩く 友定洸太
桜蘂ふるふる王からの手紙 箱森裕美
山笑う配送トラックからソファ ノグチダイスケ#句具ネプリ より好きな句。(敬称略にて失礼いたしました)
白蝶の己が軌跡をなぞるとき/堀田季何
— 小谷由果 (@cotaniyuca) March 27, 2021
「己が軌跡をなぞる」のは、直線で引き返しているというより、∞を描いているのだろう。∞(無限)は蝶の形にも似る。永遠の輪廻の中にいるようでありながら、白蝶には無垢さも感じられ、永遠の中の一瞬の新鮮さがある。時空を捉える視点が圧巻。#句具ネプリ
湯を通し塩ひとつまみ春キャベツ 安寿花
— もりまち南 (@morimachi8) March 27, 2021
化粧水響かせ頬に春の朝 音琉子
豆腐屋の水とどまらず春めける 坂西涼太
苗札に子は種子の絵を描き足して 後藤麻衣子
春の句みんな素敵でしたが、
その中から思わずニコッ(^^)とした句でした。#句具ネプリ より(敬称略)
#句具ネプリ 拝読しました。俳句のネプリ、良いな🌸
— 優木ごまヲ(SUNABACOデザ3rd) (@yukigomao) March 27, 2021
98句の香水瓶のよう。
心引かれた作品を引かせていただきます。(敬称略で失礼します)
鍋ずっと中火の店の菜飯かな/舘野まひろ
— 優木ごまヲ(SUNABACOデザ3rd) (@yukigomao) March 27, 2021
ぶきやうなこそだてわらびもち甘い/とりこ
知らないと答へて春渚を歩く/西川火尖
相談の上でチューリップを貰う/登りびと
紅梅に聞くおみくじの結び方/安
春夕焼こぽりと人魚なりし泡/このはる紗耶
春の季語だけが味方のワンルーム/天虫
花ぐもり象は調べるように歩く 友定洸太
— 石原ユキオ (@yukioi) March 28, 2021
「調べるように歩く」は比喩として象の歩みの特徴を捉えているだけではなく句跨りからの字余りというリズムの面でも象らしさが出てる。象って曇天に溶け込むような色で花ぐもりという季語との相性がいいですね。
桜の下に真面目な人として君は 南幸佑
— 石原ユキオ (@yukioi) March 28, 2021
普段から真面目なのかそれともいつもは不真面目なのかはわからないがこの「君」にとって桜の下は真面目にふるまわざるをえないアウェーな場所なのだ。新入社員の花見を思わせる。
春寒しドールハウスに家具の増え ばんかおり
— 石原ユキオ (@yukioi) March 28, 2021
華やかで寒々しい。こんなふうに言われてみると「ドールハウス相当寒そうだな?!」と気づく。壁か天井が開くし下手すると壁紙も貼ってないプラスチック打ちっぱなしだから。
手のひらを食べ残したり春の雪 あさふろ
— 石原ユキオ (@yukioi) March 28, 2021
春の雪を手のひらに受けて手ごと食べそうな勢いでパクっと食べる、という景だと思う。「手のひらを食べ残したり」が先に来るのでハンニバル・レクター博士のような情景も頭をよぎる。かわいいことを言っているはずなのに不穏。
印象に残った句を。
— 天虫(てんちう) (@tenchu_575) March 31, 2021
うららかな三十六度七分かな うっかり
花ぐもり象は調べるように歩く 友定洸太
わたくしの文体となる薄氷 有本仁政
句具ネプリ
— 海螺a.k.a田中目八 (@ConchHailuo) April 10, 2021
花ぐもり象は調べるように歩く−友定洸太
まねしないかがみがあった春の風−とうい(6才)
山焼いてろろいろろいと鬼のこゑ−楠本奇蹄
たくさんの素敵な観賞、心温まる感想、ありがとうございました!
#句具ネプリ で自由に楽しく交流を!
春分の句具ネプリが初めての試みでしたが、98名ものたくさんの方にご参加いただき、総プリント回数は約150回ほどに!
そして、SNS上でこうして感想をシェアしながら、参加者や購読者での交流もできて、とても楽しかったです。
#句具ネプリ 参加者・読者が積極的に感想を寄せてるのとてもいいですね。安心して感想をツイートできるのはこういう気の利いた誘導あってこそ。「句具」の中の方の細やかな心配りを感じました。 pic.twitter.com/PhHw1JdYCx
— 石原ユキオ (@yukioi) March 28, 2021
このツイートも、とても嬉しかったです。
句具として、ネプリを通してやりたかったのはこういう「交流の場をつくる」ことでもあったので、
たくさんの方のおかげで楽しい場になって、本当に楽しかったです!
ただいま「句具ネプリ-夏至-」投句受付中
現在、6月16日(水)までのあいだ、vol.02となる句具ネプリ-夏至-の投句を受け付けています。
投句無料、夏の句を一句お寄せください!
詳しくはこちらの記事をご覧ください。