フォーム送信による早押しクイズ
前の記事でフォーム送信クイズを「ウエブでペーパークイズを行っているようなものです」と表現しました。
締め切りまでに解答を送るという形がほとんどだったフォーム送信クイズ。
では、どうやって早押しクイズを再現したか?
1990年代後半に行われていたネットクイズでは
1あらかじめ問題を公開する日時を知らせる
2その日時に問題を公開
3答えを書いて送信する
4届いた順番に解答順1位から順に処理する
というものでした。なので1つの問題を1人が答えるのではなく1番最初に正解した人が10点、以下9点、8点・・・いわゆるドライバーズポイント制が導入されていました。
現時点で確認できる最古のフォーム送信クイズは1996年7月に行われました「かんじんTV」による「クイズ!!はやくおくってヨ!!」になります。
https://web.archive.org/web/20030221111921/http://www22.big.or.jp/~kanji/(archiveより)
次に行われたのは仮に30問出題ならば答えの横に「優先度1」から「優先度30」別々の数字を1つずつ書いて、優先度の高い人に解答権を与える形式でした。
仮に、優先度かぶった場合は先に答えを送信した人を上位とするなど一つのシステムとして確立されていました。
また、これの応用で最初に「100」のパワーを与えるので、自信のある問題にパワーを多めに分配、自信のない問題には少な目、答えたくない問題にはパワーを振り分けないというパワーポイント制もありました。
2000年前後は優先度やパワーポイント制が主流でしたが、より細かな時間の概念を持ち込んだのが「秘境クイズ村」で1998年11月に開催された「第1回 全国似非高等学校クイズ選手権」です。
解答ページを複数設けることにより答えた時間を計測ことを現在確認できる時点で初めて行ったサイトになります。具体的な方法は
1.ページにエントリー番号、名前を書く
(フォーム送信ボタンを押す)
2.制限時間内に問題を答える
(フォーム送信ボタンを押す)
3.解答完了。アンケートに答える
(フォーム送信ボタンを押す)
という形でした。
ここで大事なのは1と2の送信時間による記録です。例えば1を21時5分33秒に送り、2を21時10分54秒に送ったとします。この場合の解答時間は「5分21秒」と記録されてこの時間を元に解答順が決まります。
なので、30問あったとき時間いっぱいまで粘って多くの回答欄を埋めるか、少ない時間で3、4問の答えて時間で勝負するかの戦略が問われる形式でもありました。
次に2001年11月より行われた「第4回 全国似非高等学校クイズ選手権」では、1問ずつ答えを送信する形になり1問ごとの時間を計測することができるようになりました。
具体的には
1.ページにエントリー番号、名前を書く
(フォーム送信ボタンを押す)
2.一問目が表示、解答を書く
(フォーム送信ボタンを押す)
3.二問目が表示、解答を書く
(フォーム送信ボタンを押す)
4.三問目が表示、解答を書く
(フォーム送信ボタンを押す)
以下中略
31.三十問目が表示、解答を書く
(フォーム送信ボタンを押す)
32.解答完了。アンケートに答える
(フォーム送信ボタンを押す)
届くメールが一気に増え手間がかかるものの、1問ずつ時間を計測することにより擬似的に早押しクイズを体験することができました。
一番の発展は、私のサイトで恐縮ですが2006年から始まった「SAKUGE final」になります。
問題解答ページでは1文字ずつ問題が表示されボタンを押したら表示されていた文字数が記録されるものでした。
これまでの問題文が全て見えてしまうものに比べて一番早押しクイズに近くなった形式になります。
しかし、2005年以降はフォーム送信で早押しクイズを行うサイトは絶滅状態に。私も徐々にチャットで皆の反応をリアルタイムに受け答えして、そのログを公開する形式に移行していました。
そんなフォーム送信クイズですが、全盛期だったころよく行われていたのが「ネットウルトラクイズ」略して「ネットラ」というものです。
次回は2000年代にネットクイズで流行した「ネットラ」になります。