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社内SEからのコンサル転職〜②情シスに入るまでと新入社員のキャリア形成について〜

こんにちはengnです。今回は社会人1年目のことについて書きたいと思います。
1年目のことは転職とは関係なく、情シスにもいない時期ですので、当初は数行書いて終わるか書かない予定だったのですが、このシリーズを書くに当たり明確なテーマを決めておかないと書きたいことが色々出てきて結局何が言いたいのかわからなくなったり、色々な話を詰め込んで雑になったりしてしまいそうだったので、前職に入社してから、転職するまでを時系列で書くことにしました。
そうなるとやはり1年目を欠かすことはできないだろうということで、今回の内容に至ります。

※このnoteは東京海上日動に入社された方が転職されるまでのストーリーを書いたnoteを参考に記載しています。私の暇な時間にその時の思いつきで書いている&特定を避けて曖昧なことしか書いていないnoteと違って、大手企業の残酷な実態が本当にわかりやすく書かれています。このシリーズは一旦完結していますが、毎週投稿を楽しみに待っていました。もし今あなたが所謂「大手企業」に属しながら、このままでいいのかと漠然な不安を抱えている方がいたら、ぜひご一読をお勧めします。

<執筆者様へ>
無断でリンク転載失礼致します。遠く及びませんが、多少なりオマージュする形で今後noteを記載するにあたり、一言言及した方が良いと思い記載に至りました。
ご気分を害した場合、即時記載削除しますので恐れ入りますがコメント頂ければ幸いです)

前置き長くなりましたが、ここから私の社会人1年目のお話です。

社会人1年目

私は新卒で金融サービスを提供する事業会社(特定されるのが嫌なので敢えてはぐらかしてます)に入社し、東京にある事務系部署に配属されました。配属先は社内でもきつい、人が辞めまくると有名な部署で、この現場での1年間がコンサルに来てからの期間も含めて社会人生活で最も辛い時期でした。
業務内容は割愛しますが、1分1秒を争う職場で、トイレに行けるのは昼休憩と定時後だけ、水を飲むのは電話をかける際に相手先の電話番号をプッシュし、呼び出し音がなるまでの数秒間の間に行うような環境でした。当時は鬱や適応障害等の症状を知らなかったのですが、以下のような初期症状みたいなものがでていました。

①夜寝ることができない(「寝たら明日になって仕事に行かないといけない」と思うと寝るのが怖くなる)
②朝布団から出られない(準備をしようとしても動けない、本当に家を出ないとヤバいギリギリになんとか体を起こして、髪も寝癖だらけのまま、通勤利用NGの自転車を全速力で漕いで始業数分前になんとか会社へ到着する)
③悲しくないのに涙が出る(休暇最終日、実家から東京に戻る新幹線で突然涙が溢れてくる)

私は数年後に業務の関係で毎月の退職者情報を取得できるようになったのですが、この部署からの退職者がいない月はないほどでした。

そんな1年目でしたが、私にはこの辛い日々を耐える希望がありました。
当時、私の配属先のような事務系部署に配属された新入社員は2年目から営業支店に配属されるのが通例だったのです。営業とも取引先とも密接に関わる仕事だったので、まずはバックオフィスを知ってから現場へ、という方針だったのだと思います。(ただし1年目から営業支店に配属される同期もかなりの数いましたが)
その後は数年ごとに営業支店を転々としながら、そのまま営業支店長を目指したり、運と実力があれば本社の営業部門に栄転したりするようなキャリアパスが一般的でした。
上司や先輩社員からは「ここでの懲役(マジでこの表現)は1年だから、来年は営業店だから頑張るんだよ」とか「営業は楽しいゾ〜」なんて言われて、私も「2度とこんなところに戻らないように、2年からは営業マンとしてバンバン数字を上げてやるんだ!それまで辛いけど耐えるんだ!」と意気込み、1年に1回出せる配属希望も第1〜第3希望まですべて営業支店にしていました。
いざ異動発表が近づくと先輩からは「きっとここ数年の傾向だと●●支店か✖️✖️支店だよ」なんて言われたり、異動発表の数日前には普段話すことは滅多にない部署で一番偉い人から「荷物をまとめておけよ」と声をかけられ、私は営業支店に行くことが確定しているものと信じて疑いませんでした。
全国に営業支店がある会社だったので、もうあと気になるのはどの支店かだけです。やっぱり地元がいいなあ〜とか、○○支店の人たちは話していても優秀だからそこでもいいなあ〜とか、地方だと知り合いもいないし、うまくやっていけるかな、、、なんてことばかり考えていました。






そして1年目の年度末、異動発表がありました。土日にも勤務がある部署だったので、異動発表の当日私は休暇日でした。
この日に異動発表がされることは知っていたので、落ち着かない私は大学時代の友人を誘い、パチンコでしっかり負けて時間を潰したのち、カフェで電話を待っていました。
そして、待ちに待った電話がきました。

課長「先ほど異動発表があり、engnも異動になりました」
私「はい。(どこなんだ?にしても課長なんだが声が暗いな、、、)」
課長「システムXX部です
私「へ?システム?????」
課長「うむ。私も営業支店に配属と思っていたので残念だが、、、頑張ってくれ。では」
私「ありがとうございました。失礼します、、、」

「頭が真っ白になる」なんて言いますが、人生で本当に頭が真っ白になったのはこの時が初めてでした。
希望もしていなければ、なんのスキルもない私は一切関わりのない、一体全体何をしているかもわからない情報システム部門に配属されることになりました。

ちなみに同じ事務系部署にいた同期は通例通り全員営業支店へ、、、私がなぜ情シスに配属されたのかの理由はわかりませんでした。課長も営業畑の方で、「営業とはなんたるか」をよく話してくれる方だったので、私が情シスに配属になって残念そうでした。
心当たりとしてあるのは、過去あったシステムに対する意見を募集するアンケートがあった際に回答欄外までシステムの利便性の低さについての文句を書き殴ったことか、寝癖も直さず出社していたことぐらいです。

しかしこの異動の結果、バリバリの営業マンを目指していた私は当時存在すらしなかったITコンサルになることになります。良くも悪くも異動によって今後のキャリアが大きく変動する日本独自のメンバーシップ雇用の特徴を表す一例なのではないでしょうか。

メンバーシップ型雇用におけるキャリア形成の難しさ

メンバーシップ雇用とは何か?みたいな話はあらゆるところで語られていますので省略します。知らない方は冒頭紹介した方のnoteをご覧ください。私が書くより100倍わかりやすいと思います。
多少違いはあるでしょうが、メンバーシップ型雇用の日系企業の多くは配属に関して以下のような特徴があると思います。

①原則、配属に対しての拒否権はない。
(=家庭の事情など特別に配慮する必要がある場合を除いて、拒否=退職)
②配属の希望は出せるが、それが実現するかはわからない。
(=希望に対する回答が異動発表であり、検討されたのか、希望が通る可能性があるのかも不明)
③配属の背景が明らかにされない。
(将来的にこういったキャリアに進んで欲しいから、ここで経験を積んで欲しい、といったキャリアパスが不明)

これによって、配属に自分の意思は反映されず、会社に自分のキャリアパスと、市場価値の醸成を委ねる形ができてしまいます。結果的に社員は所謂「配属ガチャ」によってその場その時の労働環境だけでなく将来も左右されることになります。
私は2年目でたまたま情シスに異動したことによって、望まない形で営業マンとしてのキャリアが絶たれました。(情シスに異動して、結果的に私は情シスに残ることを希望するようになりましたが、情シスから営業店への異動希望を出している先輩も複数いました。しかし誰1人営業支店に異動することはありませんでした)
ただ、結果的にITの経験を積むことができたので、ITコンサルとして外資系コンサルティングファームに転職することができました。私がもし2年目で営業支店に配属されていたら考えもしなかったキャリアですし、もし転職を希望しても99.9%採用されることはなかったと思います。
私の場合は結果的に(今のところ)良いようにキャリア形成されたわけですが、逆のパターンも多々あります。
ひと昔前は一つの会社に働き続けることが当たり前で、潰れない大手企業に入ることができればそれで安泰、という考え方が一般的で、私も同様の考え方でした。ところが大企業も不要な人材が抱える余裕がなくなり、終身雇用の崩壊が叫ばれたり、多様な働き方が生まれ、転職が当たり前になると言われる時代になり、個々人が自分のキャリアパスや市場価値を意識するようになりました。
社員それぞれが会社の枠に囚われずに自分の将来を考えた時に、現在の配属制度を採用したままでは若手の定着がしない会社になってしまうと思います。
実際、企業の口コミサイト”openwork”で前職の口コミを見てみると、近年口コミの投稿数が増えているように感じます。口コミの内容もスキルが身につかないといったことや、それに対する将来の懸念が書かれています。若手の離職率が高まっているとの話もあり、今まさに若手社員を中心にキャリアパスを考えた社員たちが、会社に魅力を感じなくなって、少しずつ会社が良くない方向に進みつつあるように思います。
(じゃあジョブ型雇用にすれば、なんて簡単なものではないですが、、、)

このキャリア形成やスキルの話については、具体的に情シスの場合どうなのかを踏まえて今後書いていければと思います。

今回はここまでで。ありがとうございました。

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