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【翻訳】『家事サービス』 第1部「個人的側面」 前編

第1部 「個人的側面」

(i.) 自由

ほとんどすべての使用人が、個人的に満足しているか不満であるかにかかわらず、個人の自由がないことが、使用人の仕事が不人気となる主な原因であることに同意する。しかし、若い人々の福祉に最も純粋な関心を持つ人の多くは、生活におけるこれら階級の問題とは別に、このような自由の喪失が非常に健全なことかもしれないと述べるだろう。

ある女子クラブの支配人は、たとえ幸せな家庭の娘であっても、家事サービスに出すのは良いことだと思う、と書いている。それは、裕福な両親の家庭教師の娘が全寮制の学校に行くことで得られることと同じように、自立心と躾の習慣を学ぶからだ。

年配の使用人の多くはこの意見に同意しており、ある使用人は「残念ながら、現在『自由を得るための活動で目立つ』のは、一般に最高の使用人ではなく、二流の使用人である」と真実味を帯びたことを言っている。

自由がないことは禁欲的な観点からは健全なことかもしれないが、少なくとも「ビジネス」に携わる多くの少女とその友人の意見では、(自由の欠如は)家事サービスの最大の欠点として際立っている。自由とは、歴史が示すように、明確な拘束がないだけでなく、自由な自己開発の可能性まで、ほとんどすべての意味に解釈される。家事労働者にとってのその損失は、「サービスとはそのようなものだ」というよく言われる言葉に集約される。

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