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セブン&アイHD、伊藤忠は買収を断念

セブン&アイHD、伊藤忠はMBOを断念

セブン&アイ・ホールディングス(以下、セブン&アイ)は、2024年に複数の買収提案を受け、注目を集めました。まず、8月にはカナダのコンビニ大手、アリマンタシォン・クシュタール(以下、クシュタール)からの買収提案が報じられました。クシュタールは、サークルKなどのコンビニチェーンを展開する企業で、セブン&アイに対し法的拘束力のない初期的な買収提案を行ったとされています。

しかし、セブン&アイはこの提案について、当社の本源的価値を著しく過小評価しているとの理由で、慎重な姿勢を示しました。

その後、11月にはセブン&アイの創業家がMBO(経営陣が参加する買収)による買収提案を行ったと発表されました。この提案は、ACTからの買収提案に対する防衛策と見られています。MBOが実現した場合、買収総額は7兆円を超えると予想され、日本企業としては前例のない規模の買収となります。

セブン&アイHDの買収計画が頓挫、クシュタール社との交渉が再浮上

セブン&アイは2月22日、創業家の伊藤家と伊藤忠商事を含む買収グループが、最終提案に必要な資金を調達できなかったため、日本史上最大規模となるはずだった経営陣による買収(MBO)が頓挫したことを発表した。この発表を受け、同社の株価は東京市場で最大12.5%下落し、時価総額は約380億ドルに落ち込んだ。一方、伊藤忠商事の株価は最大6.8%上昇した。

セブン&アイHD(2/27(木))

今回のMBO計画は、クシュタールによる買収提案を回避する目的で昨年11月に策定されたものだった。しかし、資金調達が難航したことで、セブン&アイの井阪隆一CEOは、最終的にクシュタール社との交渉に応じる以外に選択肢が限られる可能性が高まっている。

一方で、クシュタールもセブン&アイの買収資金へのアクセスが依然として困難な状況にあると報じられている。セブン&アイは声明の中で、「株主価値を高めるためのあらゆる機会を引き続き模索する」とし、クシュタールの提案を引き続き評価すると表明した。また、同社と建設的に協議を進め、米国の独占禁止法上の課題に対応可能な提案の実現可能性を検討していると述べた。


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