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ISM非製造業景気指数上昇と求人件数上昇でインフレ懸念増加、米国債利回り上昇で米国株大幅に下落


米12月ISM非製造業景気指数

1月8日(水)に12月米ISM非製造業景気指数は発表されました。
ISM非製造業景気指数は総合指数が54.1と前回52.1から上昇し、市場予想の54.1を上回る結果となりました。

・ISM製造業景気指数:52.1(結果)・55.5(予想)・56.0(前回)

米ISM非製造業景気指数は、54.1で景況感の境目50を6ヶ月連続で超えました。50を超えるとアメリカ経済の非製造業の景気が拡大していることを示しています。

大統領選を終えて不透明感があった中、非製造業は好調を続けております。ですが、仕入価格が明らかに上昇しており、インフレが強固に存在していることが明らかになりました

米11月JOLT求人件数

アメリカの求人数は11月に6カ月ぶりの高水準に達した。
労働統計局の求人・労働力移動調査(JOLTS)によると、求人数は10月の上方修正後の780万件から11月には810万件に増加し、市場予想を上回りました。

・JOLT求人件数:810万(結果)・774万(予想)・780万(前回)

JOLT求人件数

この増加は、専門・ビジネスサービス業や金融・保険業の求人増加が牽引しました。一方、宿泊・飲食サービス業や製造業では求人数が減少しました。

求人数の増加は、ほぼ3年間続いた減少傾向を脱し、労働市場の改善を示しています。ただし、これはインフレが依然として根強いことを示唆しており、政策当局による利下げの期待は後退しています。12月の会合でジェローム・パウエルFRB議長は、労働市場が緩やかに冷え込んでいるとしながらも、中央銀行の焦点はインフレ対策に戻ったと述べました。

JOLTSデータによれば、解雇率は低水準で横ばいでしたが、雇用ペースは2020年4月以来の最低水準に落ち込みました。また、離職率は1.9%に低下し、パンデミック初期以来の最低水準となりました。この離職率の低下は、労働者が新たな職を見つける自信を失いつつあることを示唆しています。

12月のサービス業の成長が加速し、ビジネス活動の活発化と物価指数の上昇が報告されています。これらの報告は、金曜日に発表される雇用統計を前に、労働市場が依然として健全な状態にあることを示しています。

米国債利回り

・米2年国債利回り:0.68%(前日比)・4.299(1/8:6時現在)
・米5年国債利回り:1.20%(前日比)・4.474(1/8:6時現在)
・米10年国債利回り:1.54%(前日比)・4.687(1/8:6時現在)

米10年国債利回り

今回のISM非製造業景気指数では、仕入価格の高騰していることが明るみになり、インフレが強固に残っていることがわかりました。また、JOLTS求人件数が市場予想を上回る好調な結果となり米雇用市場が堅調であることがわかり、雇用よりもインフレ対策が必要になると市場が予測しています。
これらの影響から米国債利回りが上昇しています。

米国債利回りが上昇する影響で、大手ハイテク株を中心に米国株が売られるようになりました。

為替(ドル円)

米国債利回りが上昇したためドル高になりました。

ドル円

米国株式市場

  • NYダウ :-0.43%(前日比)・42,528(終値)

  • NASDAQ:-1.89%(前日比)・19,489(終値)

  • S&P500 :-1.11%(前日比)・5,909(終値)

米国債利回りが上昇したことにより、米国株は大手ハイテク株を中心に大きく下落しました。その中でもエヌビディアは大きく売られることになり-6.2%の下落となりました。

米国株はしばらく厳しい局面になっている可能性があります。社債および米国債との比較で見ると、株式は約20年ぶりの割高水準に近づいています。米国債利回りの上昇し続ける限り、どこかで米国株式相場が崩れる瞬間があります。

ジョンソン・アンド・ジョンソン

ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)は、自社の併用療法がアストラゼネカの大ヒット薬「タグリッソ」との直接比較試験で、効果が上回ったと発表しました。この結果は、最も致死率の高い腫瘍の1つである肺がん治療の標準を変える可能性があります。

J&Jによると、自社の治療を受けた患者はタグリッソを投与された患者よりも大幅に長く生存しました。併用療法によって患者の全生存期間の中央値は、タグリッソを含む現在の標準治療よりも少なくとも1年延びると予想されています。


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