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米12月ISM製造業景気指数、市場予想を超えているが...

1月4日に12月の米ISM製造業景気指数が発表されました。
ISM製造業景気指数は総合指数が49.3と前回48.4から改善し、市場予想の48.2を上回る結果となりました。


ISM製造業景気指数とは?
ISM製造業景気指数(PMI)は、アメリカの製造業が元気かどうかを測るための数字です。これは、製造業の経営者たちが以下のようなアンケートを元に計算されます。
・新しい注文が増えているか?
・工場で作っている量は増えているか?
・働いている人の数は増えているか?
・材料の納品が遅れていないか?

結果は0から100の間の数値で表され、特に注目されるのは50というラインです。50以上が製造業が元気(景気が良い)、50未満が製造業が元気がない(景気が悪い)とされています。

ISM製造業景気指数は、製造業の調子を教えてくれる「健康診断」のようなものです。

ISM製造業景気指数

ISM製造業景気指数は、依然として50のラインを下回る状況が9ヶ月間続いており、景気の悪い状況が続いております。ですが市場予想を超える値でここ9ヶ月間で1番いい値になっており、景気回復しているようです。

・ISM製造業景気指数:49.3(結果)・48.2(予想)・48.4(前回)

ISM製造業景気指数に直接影響を与える5つのサブインデックスのうち、新規受注、生産、サプライヤー納入の3つが拡大領域に入りました。これは、11月には1つだけだった拡大領域が増加したことを意味します。

一方で、雇用指数は依然として縮小を続けていますが、新規受注指数は12月にさらに拡大基調へと転じました。しかし、6大製造業の中で成長を記録した産業はなく、依然として全体的な成長が限定的である状況が続いています。

以下が業種ごとのコメントです。実際に働いている人たちのコメントになりますので今後の参考にんります。

ISM製造業景気指数の構成要素

ISM製造業景気指数の構成要素は以下の通りになっております。

  1. 新規受注:全体の30%を占める最も重要な要素。

  2. 生 産 :25%の比重。

  3. 雇 用 :20%の比重。

  4. サプライヤーの納期:15%の比重。

  5. 在 庫 :10%の比重。

それでは構成要素ごとで詳しく解説していきます。

1.新期受注

・新規受注:52.5(結果)・50.4(前回)
新期受注件数は11月から50のラインを超えて12月ではさらに上昇を続けており、好調をであることがわかります。12月に新規受注の増加を報告した6つの製造業は、電気機器•電気機器•部品、紙製品、食品•飲料•タバコ製品、一次金属、 コンピュータ•電子製品でした。

12月に新規受注の増加を報告した業界は、電気関係、紙製品、食品・飲料・タバコ製品、その他の製造業、一次金属、コンピュータ・電子製品の6業界でした。一方で、新規受注の減少を報告した業界は、繊維工場、印刷および関連サポート活動、非金属鉱物製品、木材製品、輸送機器、金属加工製品、プラスチックおよびゴム製品、機械の8業界でした。

2.生産

・生産:50.3(結果)・46.8(前回)
12月の生産指数は50.3と拡大領域に突入し、11月の46.8から3.5上昇しました。これにより、指数は6か月連続の縮小から脱し、5月(50.2)以来の50以上を記録しました。ただし、6大製造業セクターの中で生産増加を報告したのは「コンピュータおよび電子製品」のみでした。また、指数が52.2を超える場合、連邦準備制度理事会の鉱工業生産数値の増加と一致する傾向があるとされています。

12月に生産量の増加を報告した業界は、繊維工場、プラスチック・ゴム製品、木材製品、コンピュータ・電子製品、一次金属の5業界でした。一方で、生産量の減少を報告した業界は、印刷および関連サポート活動、金属加工製品、非金属鉱物製品、機械、化学製品、輸送機器の6業界です。また、6つの業界は11月と比較して生産レベルに変化がなかったと報告しています。

3.雇用

・雇用:45.3(結果)・48.1(前回)
12月のISM雇用指数は45.3となり、11月の48.1から2.8低下しました。指数は7か月連続で縮小しており、過去15か月のうち14か月で縮小が続いています。

6大製造業セクターの中で、12月に雇用を拡大したセクターはありませんでした。企業では人員削減が続いており、12月の採用と人員削減では、人員削減の傾向が強まっています。
なお、雇用指数の長期的な動きは、一般的に労働統計局(BLS)の製造業雇用データの変化と一致する傾向があります。

12月に雇用増加を報告した業界は電気関係、プラスチック・ゴム製品の2つのみでした。一方、雇用減少を報告した業界は繊維工場、金属加工製品、機械、化学製品、家具・関連製品、食品・飲料・タバコ製品、一次金属、輸送機器、その他製造業の9つの業界でした。

4.サプライヤーの納期

材料や部品の納品するスピードを測る指標で、納品スピードが遅いほど指標が高くなります。

・サプライヤーからの配送:50.1(結果)・48.7(前回)
12月の製造業におけるサプライヤーの納入実績はわずかに鈍化し、サプライヤー納入指数は50.1となりました。
これは11月の48.7から1.4の上昇で、納入が「遅い」領域に入ったことを示しています。
この拡大は11月の縮小からの反転であり、それ以前には4か月連続で納入が速かった期間を経て、さらに4か月間納入が。。遅い状況が続いていました。

12月にサプライヤーへの納入が遅れたと報告した業界は、家具および関連製品、非金属鉱物製品、一次金属、コンピューターおよび電子製品、電気関係、食品・飲料およびタバコ製品の6業界です。
一方、納入が速かったと報告した業界は、金属加工製品、化学製品、機械の3業界でした。

5.在庫

・在庫:48.4(結果)・48.1(前回)
12月の在庫は48.4となり、11月の48.1から0.3ポイント上昇しました。在庫指数が最後に50%を超えたのは8月(50.3)でした。
在庫は引き続き減少していますが、その減少率は過去2か月で鈍化しています。この動きが企業による運転資金の管理努力が繁栄していると思われます。

具体的には、顧客の納品要求への対応や、潜在的な関税を回避するための早期納品を目的とした材料確保が進められている可能性があります。

12月に在庫増加を報告した業界は、一次金属、木材製品、家具および関連製品、非金属鉱物製品、電気関係の5つでした。
一方、在庫減少を報告した業界は、繊維工場、金属加工製品、コンピューターおよび電子製品、化学製品、プラスチックおよびゴム製品、食品・飲料・タバコ製品、機械、輸送機器の8つでした。

6.価格

ISM製造業指数には価格は含まれませんが、今後のインフレに関する指標になりますのでご参考ください。

・価格:52.5(結果)・50.3(前回)

12月のISM価格指数は52.5となり、11月の50.3から2.2ポイント上昇しました。これにより、原材料価格は9月に下落した後、3か月連続で上昇したことが示されました。

食品・飲料・タバコ製品、機械、コンピュータ・電子製品の3の業界が価格上昇を報告しています。価格上昇のペースは遅かったものの、アルミニウム、基礎化学品、銅、天然ガスの価格は上昇しました。
一方で、鉄鋼、プラスチック樹脂、ディーゼル燃料の価格下落により相殺されているようです。

12月に価格上昇を報告した企業は14%で、11月の12%から増加しました。長期的には、価格指数が52.8を超えると、労働統計局(BLS)の中間素材生産者物価指数の上昇と一致する傾向があります。

12月に原材料価格が上昇したと報告した業界は一次金属、木材製品、食品・飲料・タバコ製品、その他製造業、機械、コンピューターおよび電子関係の7つでした。
一方、価格が下落したと報告した業界は、プラスチックおよびゴム製品、化学製品、金属加工製品の3つでした。


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