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2025年は欧州株が米国株を超える可能性があるのか!?

2025年に入ってからの米国株式市場は下落が続いております。投資をされているみなさまの中には不安を抱いている人もいるのではないでしょうか。

私も不安を抱いている1人で、米国株以外の投資先は何があるかを考えました。新興国株やアジア株などいろいろ選択肢にありましたが、その中で2025年に欧州株が米国株に勝つ可能性があるとの記事を見ました。

欧州株が米国株に勝つ可能性があるのかどうかを調べましたので、もしよろしければご参考ください。

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1.欧州株が注目され始めた理由

ここ最近では少しづつではありますが、欧州株が注目され始めています。世界経済が不安定な中なぜ欧州株が注目されているのかを解説していきます。

1-1.米国株式市場が難しくなっている

2024年の年末から米国株式市場は下落が続いています。これにはいくつかの要因があります。

●米国株の楽観視:米国市場はトランプ氏が大統領になるということで、経済成長や規制緩和への期待感を高めることになりました。その影響で米国株は大きく買われるようになり、S&P500は一時的に6000の超えました。

しかし、トランプ氏の好影響は長く続きませんでした。2024年の年末には楽観的に雰囲気が弱くなり、米国株は下落し始めました。

●インフレ懸念:12月のISMデータによると米国市場には根強くインフレが残っていることがわかりました。
インフレを測る指数としてCPIが有名ですが、2024年9月までは減少していましたが、2024年10月以降は上昇しています。

これらの情報をもとに米国経済には根強いインフレが存在していると市場は考えおり、インフレの警戒感から米国株が売られる要因となりました。

●労働市場の強さ:米国の労働市場は堅調で、その強さは市場の予想を超えていました。失業率や新規失業保険申請件数は、少しづつ減ってきており米国の失業者が減ってきているように思われます。

これだけ聞くと米国株の下落要因にはならないと思われます。
ですが、FRBの金利政策と合わせると米国の雇用が強いことが、米国株の下落要因になります。

●FRBの金利政策:FRBはインフレ対策として利上げを続けておりました。高い金利が続くと雇用が弱くなるので、2024年の9月からFRB(連邦準備制度理事会)が利下げを開始しました。

2025年1月では、インフレが根強く残っていること、米国雇用市場が堅調であることがわかり、利下げを急ぐ必要はなくなりました。
利下げを行なわないと市場が予測し、米国債利回りが大きく上昇しました。米国債利回りの上昇は米国株の上昇を阻害します。
FRBの利下げスピード鈍化により米国株が下落要因となりました。

●企業業績の鈍化:ハイテク大手7社「マグニフィセント・セブン」は2024年の増益は34%増益が予想されています。2025年の「マグニフィセント・セブン」は18%の増益が見込まれており、大幅な減速となる予想です。
また、過去の高インフレの影響で、原材料や労働コストが依然として高止まりしており、利益率が縮小する企業が増えています。

ハイテク企業の成長鈍化が市場に与える影響は大きく、他のセクターの回復力が重要な焦点となるでしょう。また、金利やインフレ動向が企業業績に与える影響も注視すべきです。

※マグニフィセント・セブンとは、「アルファベット、アマゾン・ドット・コム、アップル、メタ・プラットフォームズ、マイクロソフト、テスラ、エヌビディア」の7社のことです。

1-2.欧州株がこれまで米国株に遅れを取ってきた背景

欧州株が米国株に遅れをとっていたのは下記が要因です。

  1. 経済成長の差:米国経済は技術革新、労働市場の柔軟性、起業家精神の強さなどに支えられ、継続的な高成長を遂げてきました。欧州は構造的な成長率の低さから、米国に比べて経済成長が遅れています。

  2. ハイテク分野の遅れ:米国株のパフォーマンスをけん引してきたのは、ハイテク企業です。一方、欧州は伝統的な製造業や金融業の比重が高く、技術革新において米国に遅れを取っています。

  3. 規制と政策の影響:欧州では環境規制やデジタルサービス税など、企業活動を制約する規制が多いことが成長の足かせとなっています。特にハイテク分野では、プライバシーや競争法に関する規制が厳しく、企業の成長が抑制される傾向があります。

  4. 地政学的要因:EUの不安定性やエネルギーを他国に依存していることもあり、ロシア・ウクライナ戦争のような戦争が起きると、エネルギー不足に陥る可能性がある。

2.欧州株が米国株に勝てる可能性

長いスパンで考えればもちろん米国株が強いですが、2025年は欧州株が米国株に勝てる可能性があります。

欧州株が米国株に勝てる可能性を下記にまとめましたのでご覧ください。

2-1.米国株式市場が弱い

1-1でも記載しておりましたが、米国株式市場は弱くなっており2025年始まってからは米国株は下落しています。

「インフレが根強く残っていること」、「米国雇用市場が市場予想を超えて強いこと」この2つの要因からFRBによる利下げが鈍足すると予測され、米国債利回りが上昇しています。
米国債利回りが上昇すると、米国株は下落する傾向です。

また、トランプ氏は貿易国一律に関税を課すと発言しています。米国にはインフレが根強く残ってる上、関税の影響でインフレが加熱する可能性があります。また、関税の影響から米国企業の混乱を生む可能性があります。

今の米国市場は不透明さが強く、米国債利回りが上昇を続けていますので、米国株に投資することがリスクになる可能性があります。

このように米国株式市場は、インフレや米国債利回り上昇などの警戒から米国株を買いづらい状況です。また、熱狂的だった米国株式市場は、慎重な動きを見せています。しばらくは米国株の売りが先行する可能性があります。

2-2.2024年に欧州株の成長が弱かった

2024年の欧州株の成長は弱くあまり成長を見せませんでした。

STOXX 600

上記グラフのSTOXX 600は欧州の主要株式指数の1つで、600銘柄で構成される欧州株式市場全体の動向を示す指標です。この指数は、欧州の株式市場を広範にカバーし、投資家にとって欧州全体の株式市場のパフォーマンスを評価するための基準として利用されています。

STOXX600は1年で約7%ほどしか成長していません。昨年は欧州株が成長しなかったことがSTOXX600からもわかると思います。

欧州株成長しなかった要因を下記にまとめました。

  1. エネルギー価格の影響:ウクライナ紛争の長期化に伴い、エネルギー供給不安が続き、エネルギー価格の上昇が家計と企業のコストを押し上げました。

  2. インフレの持続:欧州中央銀行(ECB)は高インフレを抑制するため、2024年を通じて高金利政策を維持しました。これにより、借り入れコストの上昇が家計と企業の消費や投資を抑制し、経済成長を鈍化させました。

  3. 製造業の停滞:製造業を中心とするドイツ経済の弱さが、欧州全体の成長を引き下げました。特に自動車業界の供給網の問題が顕著でした。

  4. 地政学的リスク:欧州企業は中国市場への依存度が強く、中国市場が低迷しており、このような企業利益は低迷することになりました。また、米中対立の激化により欧州企業の輸出や国際展開にネガティブな影響を与えました。

これらが要因で欧州株は小幅の成長となりましたが、常に以上の状態が続くわけではありません。米国株と比べると経済回復が遅れていましたので、遅れていた分の回復が欧州株には期待できます。

2-3.欧州経済の回復期待

欧州経済は昨年に比べて経済成長する可能性があります。

●エネルギー問題:欧州のエネルギー市場は2024年には依然として不安定な部分がありましたが、2025年にはエネルギー供給の安定が見込まれます。特に、再生可能エネルギーの導入が進むことで、エネルギーコストの上昇を抑えることができ、企業活動や消費の改善が期待されます。

また、トランプ氏はロシア・ウクライナ戦争の早期終結を望んでいます。

このため、欧州とロシアとの関係が改善される可能性があります。
そうなれば、エネルギー問題の解決は市場が考えているよう早くなる可能性があります。
ただし、欧州とロシアとの関係は不確定なことが多いため、あまり期待しない方がいいかもしれません。

欧州は再生可能エネルギーが発展が進んでおり、ドイツでは風力発電の供給が需要を超えることもありました。

●投資の回復:企業は過去数年の不確実性を経て、再び設備投資を増やす方向に動いています。特に、デジタル化やグリーンエネルギーへの投資が進むことで、新しい産業の成長が見込まれます。これが中長期的な経済成長に寄与する可能性があります。

●インフレ圧力の緩和:欧州のインフレ率が2024年に高水準を維持していましたが、2025年にはエネルギー価格の安定化や供給網の改善により、インフレ率の低下が見込まれます。これにより、消費者の購買力が回復し、個人消費が支えられる可能性があります。

欧州インフレ率

実際にインフレ率は安定してきており、目標の2%に近づいてきてます。

3.欧州株に投資するリスク

欧州株に投資するにあたっていくるかのリスクがあります。いくつかのリスクを解説します。

3-1.地政学的リスク

・ロシア・ウクライナ紛争:ロシア・ウクライナ戦争が長引くようであればロシアからの天然ガスなど供給が滞ってしまします。そうなればエネルギー価格が高騰し、製造業や家庭のコスト増加します。そうなれば欧州の個人消費が低迷する可能性があります。

・中東情勢の懸念:中東情勢は依然として不安定な状態が続いています。イランとイスラエルの関係は悪化しており、こう着状態ではありますが、去年には報復合戦になっておりました。
中東情勢が悪化すると、移民の問題・エネルギー問題に繋がってきます。

・米中関係の悪化:アメリカと中国の関係が悪化しており、貿易制限をお互いかけています。トランプ氏は中国に対して60%の関税を課すと発言しており、今後さらに関係は悪化する可能性があります。このためサプライチェーンの混乱やコスト増加など貿易関係などが不安定化する恐れがあります。

3-2.エネルギーリスク

・再生可能エネルギーのリスク:欧州ではエネルギーをほぼ輸入に頼っていましたが、再生可能エネルギーへの転換を推進しています。再生可能エネルギーは進んではいますが、天候の影響を受けやすく電力を安定供給することは難しいです。

・ロシアからの天然ガス:ロシア・ウクライナ戦争以降、ロシアからのガス供給が削減され、価格の急騰や供給不足が発生しました。ロシアから欧州へ天然ガスを供給していたラインが4つのうち3つが遮断されました。今後もリスクがつきまとうように思います。

・中東情勢:中東は石油供給国であるので、中東情勢が激化すれば、原油価格が高騰しますので欧州のエネルギー価格高騰につながってしまいます。

3-3.関税によるリスク

アメリカの次期大統領であるトランプ氏は関税を一律に課すことを公約しています。関税を課されれば欧州の経済成長に負担がかかり、欧州株の成長も阻害されます。

・対米貿易:トランプ次期大統領は、アメリカの貿易赤字を相殺するため、石油ガスを増産し欧州連合に石油ガスを買うよう促している。そしてそれができないようであれば「さもなければずっと関税だ」とSNSで発言をしている。
欧州の石油精製会社やガス会社は大半が民間企業であり、当局が制裁や関税を課さない限り、政府は購入先についてほとんど発言権を持ちません。

トランプ氏が以前の大統領任期中に検討した「自動車関税」(最大25%)が再び議題に上がる可能性があります。欧州(特にドイツ)の自動車メーカーは米国市場に大きく依存しており、高関税により輸出コストが増加します。

・米中貿易摩擦の悪化:米中摩擦の影響で、両国の経済が鈍化すると、消費や投資が抑制され、欧州からの輸出需要が減少する可能性があります。中国市場における需要減退は、ドイツをはじめとする製造業依存国に特に大きな影響を与える。

欧州企業の多くが米中間にまたがるサプライチェーンを持っているため、関税や輸入制限が供給コストを増加させ、製品価格や生産効率に影響を及ぼす。

トランプ氏の関税に関しては下記もご参考ください。

4.欧州株に投資するなら

欧州株に投資するならETFに投資することをお勧めします。欧州株は個別株を変える証券会社は多くありませんし、個別株はリスクが大きいので分散投資でリスクを抑えることがお勧めです。

・SPDR ユーロ・ストックス50 ETF(FEZ)
・Vanguard FTSE Europe ETF (VGK)

他にも投資する方法がありますますので、もしご自分に合う方法があればそちらも試してみてもいいかもしれません。

※手数料等かかることと、必ずしも株価が上昇するわけではないことをご注意ください。

5.まとめ

2025年に欧州株が米国株を上回るかどうかはみなさまどう思われたでしょうか?

2025年米国はインフレや関税の影響で米国経済は不透明な状況になってきています。2024年は米国株式市場は過熱感があったため、その反発もあり2025年の1月は米国株は下落しています。

今後も米国株には難しい局面になりますので、その点欧州株は米国株よりは安定しています。

必ずしも欧州株が米国株を越えるとは言えませんが、市場は欧州株の方が安定しており、それはもうしばらく続くかのうせいがあります。

中国と関わりが多い欧州企業が多く、中国の景気が良くなれば欧州株は自然と上昇するでしょう。
2025年は欧州株を一部持っていてもいいかもしれません。

あくまで投資は自己判断になります。無理な投資や投機はお勧めしておりません。
もしこの記事がみなさまのご参考になれば幸いです。

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