米11月ISM製造業景気指数は低迷から脱却の兆し!?
12月3日(火)に11月の米ISM製造業景気指数が発表されました。
ISM製造業景気指数は総合指数が48.4と前回46.5から改善し、市場予想の47.6を上回る結果となりました。
◆ISM製造業景気指数とは?
ISM製造業景気指数(PMI)は、アメリカの製造業が元気かどうかを測るための数字です。これは、製造業の経営者たちが以下のようなアンケートを元に計算されます。
・新しい注文が増えているか?
・工場で作っている量は増えているか?
・働いている人の数は増えているか?
・材料の納品が遅れていないか?
結果は0から100の間の数値で表され、特に注目されるのは50というラインです。50以上が製造業が元気(景気が良い)、50未満が製造業が元気がない(景気が悪い)とされています。
ISM製造業景気指数は、製造業の調子を教えてくれる「健康診断」のようなものです。
ISM製造業景気指数
11月のISM製造業景気指数は48.4と依然として50のラインを下回る状況が8ヶ月間続いており景気の悪い状態が続いております。ですが、6ヶ月ぶりにの高水準になっており、好調の兆しが見えてきております。
・ISM製造業景気指数:48.4(結果)・47.6(予想)・46.5(前回)
●ISM製造業景気指数の内訳
ISM製造業景気指数の内訳は以下の通りになっております。
・新規受注:50.4(結果)・47.1(前回)
ISMの新期受注指数は50を超えて50.4となりました。新規受注が増加さした製造業は、繊維工場・電気機器・食品・タバコ製品・電子製品(コンピューター関係)となりました。前回の47.1よりも改善されており、新規受注は経済の先行きを表すものとして重要な項目となります。今回の大幅な改善は製造業にとって良い兆しとなっています。
・生産:46.8(結果)・46.2(前回)
生産も前回の46.2より46.8と微小ですが改善されております。新期受注が大幅に改善されていることから、今後は生産の値も上がっていくと考えられます。
・雇用:48.1(結果)・44.4(前回)
ハリケーンやストライキの影響があり、以前から雇用の値は低調でありました。今月の48.1をみるとその影響から脱却し始めているように思われます。
・サプライヤーからの配送:48.7(結果)・52.0(前回)
材料や部品の納品するスピードを測る指標で、納品スピードが遅いほど指標が高くなります。配送のスピードは前回の52.0よりも48.7と早くなっております。
・在庫:48.1(結果)・42.6(前回)
製造業者の在庫量は先月よりも大幅な改善がされているようです。サプライヤーからの配送が改善されていることもあり、需要増加傾向であると考えられます。
・価格:50.3(結果)・54.8(前回)
価格は原材料や仕入れコストの変動を表すものとなっており、ISM製造業景気指数には反映されません。前回の54.8から50.3と値が縮小されており、インフレが落ち着いてきている可能性があることが、この数値から考えられます。
●まとめ
11月に成長を報告した製造業は、食品・飲料・タバコ製品、コンピューターおよび電子製品、電気機器・電気部品でした。コンピュータおよび電子製品では、低迷が続いておりましたが受注が増加しているようです。
依然として、紙製品関係、プラスチック・ゴム製品、化学製品などの製造業では、縮小が続いています。
化学製品の業者は、住宅ローンの高金利の影響で新築住宅建設が低調で、接着剤の需要が妨げられているようです。