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今週の振り返りとまとめ:11月5日〜11月8日

今週は米大統領選挙とFOMC、数多くの企業決算があり慌ただしい一週間でした。今週にあったことをまとめていきます。


米国債

トランプ氏が大統領選挙で勝利した影響が大きく出た数値の1つがこの米国債利回りでしょう。

米国債利回り

今週の値動きは上記の通り激しく、米10年国債利回りはトランプ氏が勝利後に、4.5%に上る勢いでした。


トランプ大統領の政策提案は財政赤字を膨らませ、インフレが再燃されることを市場は予測しております。米国債はすでに反応を示しており、2年、5年、10年、30年国債の利回りは7月以来の高水準に跳ね上がっていました。

FOMCでのパウエル議長より市場が予想していた、0.25%利下げが発表されたことから、米国債利回りは下落しある程度の落ち着きを感じました。

米国債利回りの上昇は株価は下落する可能性が高まります。
実際にトランプ氏の政策が実施が見込まれれば、米国債利回りの上昇が続く可能性があります。
何%に達した時に米国株が暴落するとの予想はできませんが、米国債利回りが上昇したさいは米国株が下落するまたは、米国株上昇の重石になることがあることを理解する必要がありそうです。

米国株

今週の米国株は記録的な上昇をしており、S&P500やNASDAQなど最高値を更新し続けました。


S&P500

米国株上昇の1番の影響はトランプ氏の大統領選挙で勝利したことで間違いないでしょう。

トランプ氏勝利の影響で大型ハイテク株が全体的に上昇しておりましたが、1番の影響を受けたのはテスラでしょう。テスラ株は今週で30%ほど上昇しており、トランプ氏とイーロン・マスク氏が特別な関係であることが影響したと予測されます

テスラ株価

それ以外にも銀行株・小型株・鉄鋼株が大きな上昇をしておりました。

  • 小型株:トランプ氏の貿易スタンスから恩恵を受けやすいこともあり、大きく上昇いたしました。

  • 銀行株:トランプ氏の政策で減税や規制緩和が銀行業界の後押しになることで、銀行株が全体的に買われました。

  • 鉄鋼株:米国の鉄鋼業界で株価が急騰しました。トランプ氏は選挙運動を通じて、国内産業と雇用を守るため、輸入品に追加関税をかけると表明。これを受けて、米スチール、ニューコア、クリーブランド・クリフス、スチール・ダイナミクスなど大手鉄鋼会社の株価が10%以上上昇し、S&P鉄鋼サブ産業指数も約15年ぶりの大幅な14%増を記録しました。

為替(ドル円)

ドル円はトランプ氏の勝利で大きく上昇し154台になりましたが、FOMCの発表から、ドルが売られ始め152円台を推移しております。

ドル円

金(ゴールド)・原油

金(ゴールド)

トランプ氏が大統領選挙で勝利したため、ドルが大きく上昇し、金価格は大幅に下落しました。ドルが高くなると金は下落の傾向があります。
FOMCの発表からドルが下落したことが原因の1つで、金価格も上昇しております。
トランプ氏が大統領選で勝利し、一時的に金価格の下落に転じましたが、今後の貿易・地政学リスク・米経済の動きによって金(ゴールド)は再度大きく上昇する可能性があります。
トランプ氏の政策からインフレ上昇が予測されており、インフレは金価格を押し上げる材料の1つです。

金(ゴールド)

原油

トランプ氏の当選でドルが急上昇し、商品価格に下押し圧力がかかりましが、トランプ氏の原油市場に与える影響が注目され、原油価格は上昇に転じました。トランプ政権の下では国内石油生産が強化され、イランへの制裁が再強化される可能性が高いと見られています。


WTI原油

WTI原油は72ドルを超えました。トランプ氏の政策が中国への新たな関税の導入などで供給増加の懸念をもたらし、原油相場にはリスク要因になる可能性があります。

●11月5日

【指標】🇺🇸ISM非製造業指数

米国の10月ISM非製造業指数は、およそ2年ぶりに高水準になった。

  • ISM非製造業指数:56.0(結果)・53.8(予想)・54.9(前回)

アメリカ経済は第4四半期に入っても堅調な状況を示しています。特に新規受注や業況は拡大基調を維持し、雇用も8月以来の高水準に戻っています。低い失業率とレイオフの抑制が個人消費を支える要因となり、経済全体に良い影響をもたらしていると言えます。

仕入れ価格は若干低下しており、投入コストの増加が緩やかになっていることも確認されていますが、サービス物価の上昇傾向は依然として続く見込みです。このように、経済の力強さとともに供給網の課題も浮き彫りとなっており、今後の経済動向や物価に注目が集まっています。

【決算】🇯🇵三菱重工

三菱重工の2024年11月5日の決算では、上半期の売上高が前年同期比で約11.1%増の2兆2981億円、純利益が約16.5%増の1071億円と堅調な業績を報告しました。主な要因として、航空エンジンや防衛装備品関連の好調があり、同社は今後も堅調な需要を見込んでいます。ただし、通期業績予想を据え置いたことで、従来の会社予想より高い水準を期待していた市場からは一転失望売りがありました。

その後、トランプ氏の勝利の影響もあり、三菱重工の株価は上昇傾向にあり、特に好調な収益の結果が投資家の信頼を集め、株価を押し上げています。また、原子力や再生可能エネルギーなどの成長分野への期待も株価上昇の一因となっています。

【決算】🇯🇵任天堂

任天堂の2024年11月5日の決算発表によると、売上高は前年同期比で約34.3%減の5232億円、営業利益は約59.9%減の1086億円でした。主な要因として、Nintendo Switchの売上が8年目で伸び悩み、通期の業績見通しについて、売上高が1兆3500億円、営業利益が4000億円と見込んでいましたが、売上高を1兆2800億円、営業利益を3600億円に下方修正しました。最終利益の見通しは3000億円のまま維持しました。

株価に関しては、Switchの販売減速が予想を下回ったことが市場に失望感を与え、発表後は下落が見られましたが、営業利益の見通しが維持されていることと、トンラプ・トレードもあり株価は安定しています。

●11月6日

【大統領選】🇺🇸トランプ氏、大統領選に圧勝

米大統領せにて、トランプ氏はハリス氏との戦いで勝利しました。トランプ氏の勝利を受けて、米国株・ドル・米国債・ビットコインなどが記録的な上昇をしました。

トランプ氏の政策で下記のようなことからインフレが上昇すると予想されています。

●各国への関税引き上げ
全貿易相手国に関税を設けるとして、輸入品に対して一律10%~20%の関税を予定しています。中国に対して関税はさらに高く、60%以上の関税をかける方針です。
関税をかけることで物の値段が上がり、インフレの上昇圧力になります。

●移民政策
トランプ氏は以前から厳格な移民政策を掲げており、不法移民対策として「アメリカ市場最大の強制送還作戦」を実施すると宣言しています。
移民がいなくなることで従業員が足りなくなり、賃金が上がるなどし、インフレ上昇につながります。

●更なる財政赤字
トランプ氏の政策では財政赤字を抑制することは考えておらず、むしろ財政赤字が悪化すると市場は予想しております。
政府が資金を捻出するために、国債を発行することでインフレ圧力が上昇します。

以上の理由でインフレの上昇が予測されております。
FRBは労働市場を守りながらインフレ率を2%の目標まで引き下げることを目指しておりましたが、これからはされに難しくなってきております。

【指標】🇺🇸新規失業保険申請件数

新規失業保険申請件数は3000件ほど増え、22万1000件となりました。ハリケーンとストライキの影響が長引いていることや、製造業の人員削減の影響を受けている可能性が高いです。


ボーイングは11月5日に労働協約を受け入れ、ストライキを終わらせることができました。

【決算】🇯🇵トヨタ自動車

トヨタ自動車の2024年11月5日決算(2025年度第2四半期)は、売上高が前年同期比で5.9%増の約23兆円となり、増収を達成しました。また、営業利益は3.7%減の2兆4642億円、純利益は同26.4%減の1兆9071億円でした。
車の量産に必要な型式指定の認証不正やリコールで国内外で車両の生産が良くありませんでした。円安などの為替変動で純利益を押し上げるようになりました。

●11月7日

【中央銀行】🇺🇸FOMC

FOMCでは、アメリカ経済が依然として堅調であることを投資家に再認識させ、政策金利を0.25%引き下げ、目標範囲を4.5%~4.75%にすることをことが全会一致で決定しました。
今月の利下げにはトランプ氏が勝利したことが大きな影響を及ぼすことはなかったようです。

FOMCでの声明は、「労働市場の状況は緩和してきている」・「失業率が上昇したが、依然として低い」でした。インフレが持続的に2%と雇用の安定を目指していることに関して「自信が高まった」との文言は削除され、インフレ率2%の目標に「進展している」と記載しました。

トランプ大統領の政策では、積極的な関税・移民取締・減税意対策など、インフレ上昇の可能性が高まっています。
それを受けて、12月の利下げ実行の発言がありませんでした。
パウエル議長は、今後の政策決定は今後の経済データ次第であり、FRBは財政政策や貿易政策を予測するつもりはないことを強調しました。
12月の利下げを一時停止する可能性があるようです。

●11月8日

【決算】🇯🇵日産自動車

日産自動車は、業績不振により生産、人員、利益見通しを引き下げざるを得ない状況にあります。

2024年3月期の営業利益は前予測から70%減の1,500億円とされ、業績悪化が続く中、従業員9,000人の解雇と製造能力の20%削減も決定しました。過去半年で4,483億円を消費し、資金調達の一環として三菱自動車株式の一部売却を予定しています。

今年は、中国や北米での販売不振のため利益見通しが複数回引き下げられ、株価も急落するなど厳しい状況です。

【指標】🇺🇸ミシガン大学消費者信頼感指数

11月の米国消費者センチメントは、景気や家計に対する楽観的な見方の高まりにより7カ月ぶりの高水準に達し、これは2021年以来の数値になりました。
ミシガン大学消費者信頼感指数:73.0(結果)・70.5(前回)・70.9(予想)


ミシガン大学消費者信頼感指数とは、
米国の消費者が経済や自身の財務状況をどう見ているかを測る指標です。月ごとに消費者の景気や収入見通しの調査を行い、消費者の購買意欲や経済活動の先行指標として、企業や投資家の判断材料になります。
期待指数は78.5に上昇し、2021年以来の水準です。トランプ氏の大統領選勝利が確実視された背景もあり、消費者は今後の政権の経済政策がインフレや景気への影響を与えると見ています。
物価高が消費者の不満ではあるが、所得見通しの改善により家計見通しも上向きで、労働市場への期待も景気感の改善に寄与しています。

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