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リモートチームで楽しくスクラムする”くふう”

こんにちは。くふうAIスタジオでエンジニアをしているiyuuyaです。
私はチームのバックエンドエンジニアのリーダーをしています。
現在、京都に住んでおり、フルリモートで働いています。

メンバーも全員リモートワークをしているため、リモートならではの課題にどう取り組んでいるかをお話ししたいと思います。

課題

リモートワークにおいて最も大きな課題は「コミュニケーション」でしょう。
オフィスでの対面でのやり取りと比較して、リモートではコミュニケーションの頻度や質が低下するという印象を持っている方も多いかもしれません。

テキストベースの課題

  • ニュアンスや感情の伝達が難しい
    テキストでは感情やトーンが伝わりにくく、誤解や不快感が生じることがあります。絵文字やGIFを使うこともできますが、限界があります。

  • 即時性の欠如
    テキストでは即座に返信が得られないことがあり、特に緊急時や迅速な意思決定が必要な場面で効率が低下することがあります。

  • 情報量が多い
    複数のチャネルやスレッドで多くのメッセージが蓄積し、重要な情報が埋もれることがあります。

  • コミュニケーションコストの増加
    短いやり取りが頻繁に発生するため、全体的な時間やリソースが浪費されることもあります。

ビデオ通話の課題

  • 技術的な問題
    ネットワーク接続の不安定さや音声・映像の不具合が、会話のスムーズさを損なうことがあります。

  • 会議疲れ
    長時間のビデオ通話は精神的にも身体的にも疲れやすく、集中力が低下します。

  • 発言のタイミングが難しい
    ビデオ通話では他者の発言を遮らないようにすることが難しく、話すタイミングを逃しがちです。

  • 物理的なプライベート空間の確保
    家庭や共有スペースで静かな環境を確保するのが難しく、周囲の雑音が気になることがあります。

  • 非言語的手がかりの不足
    カメラがオフの場合や小さな画面での会話では、表情やボディーランゲージなどの非言語的な要素が伝わりにくく、コミュニケーションが難しくなります。

これらの課題を解消する為に幾つかの取り組みを実施してみました。

取り組み

スタンス共有 (成功)

私たちが最初に取り組んだのは、メンバーそれぞれの「スタンス」を共有することでした。
質問を通じてお互いの頻度・粒度や好みをスタンスとして共有しました。
いくつかピックアップします。

  • 雑に話しかけられるのが良い? それともカレンダーで時間を確保してほしい?

  • レビューで重視しているポイントは?

  • 仕様書の粒度はどの程度必要?

1つ目に関して私は「雑に声をかけてもらう方が良い」と答えました。
リアルタイムでのやり取りが円滑に進むようになり、気軽に頼ってもらえる環境作りができました。

この話はオフライン・オンライン関わらず適用可能な取り組みだと思います。

近況の共有 (成功)

デイリースクラムでは、各自の状態をシンプルに共有する工夫をしています。絵文字を使って ☀️、☁️、☔️ のように状況を表現し、それに応じメンバーが質問やサポートを行う形です。

  • ☀でめっちゃ順調!

  • 昨日は☀だったけど☁️ になったの大丈夫?

  • ☔です。作業が行き詰まっています 😢

重要なのは、「状態が良くないを共有することは良いことだ」ということです。悪い状況はなるべく早く改善できる方がいいです。
このようなシンプルな表現を通じて、透明性が高まり、問題が早期に発見されやすくなりました。

課題管理 (成功)

何か分からないこと・気になることなどあったときに課題用の専用ボードで起票・共有するようにしています。
まだストーリーやタスク化されていないものについても課題が上がることがあるので、ストーリーなどと紐付けをせずに管理しています。
声をかけるタイミングが合わなかったり、考えることを整理したくて明日にしたかったりしたときに課題表に記載し朝会に持ちこむというイメージです。

  • 課題の可視化と早期発見
    専用ボードで課題を起票・共有することで、ストーリーやタスクにまだ具体化されていない問題も含め、すべての課題が一箇所に集約されます。これにより、チームメンバーは各自の問題や気になる点を他のメンバーに迅速に共有でき、早期に問題が発見されやすくなります。

  • コミュニケーションの効率化
    声をかけるタイミングが合わない場合でも、課題表に記載することで、次の朝会で確実に話題として上がるため、コミュニケーションのタイミングを逃さずに問題が解決に向かう流れが作られます。これにより、メンバー間のコミュニケーションがスムーズに行われ、問題解決が加速します。

  • 課題解決へのチーム全体の取り組み強化
    スクラムの原則に従い、個人の課題がチーム全体の課題として扱われるため、チーム全員がそれを意識して対応する姿勢が強まります。チームの課題として共有することで、他のメンバーが持つ視点や知識を活用し、より効果的な解決策が見つかる可能性が高まります。

  • 思考の整理と問題解決への集中力向上
    「考えることを整理したいときに明日に持ち越す」というアプローチは、問題についての焦点を一旦整理し、冷静に考える時間を確保できるため、結果的により良い解決策が得られる可能性があります。翌日の朝会に持ち込むことで、その間に準備ができ、より効果的な議論が行われます。

  • 持続的な改善文化の促進
    課題が常にボード上で管理され、早期解決を目指していく体制を作ることで、チーム内に「すぐに解決する」という積極的な姿勢が育まれます。これにより、スクラムチーム全体が継続的な改善のサイクルを維持でき、長期的にチームパフォーマンスの向上が期待されます。

これらの要素が相まって、チームの協力体制や課題解決能力が強化され、スクラムのプロセス全体が円滑に進む効果があると考えられます。

実績システム (失敗)

最後に紹介するのは失敗し、改善の余地があるものです。

ゲームなんかでよくあるトロフィー・実績を運用しています。
技術的なトライや特定の作業の試行回数など様々な項目を実績として定義し、それを達成したら実績解除としています。
実績は実施する前に「○○した」のような過去形で定義し、どうすれば完了と言えるのかを詳細に記述します。

  • 自己肯定感と達成感の向上
    メンバーは自分が何を達成したかを実感しやすくなります。この具体的な成果が可視化されることで、自己肯定感が強化され、メンバーが自分の成長を実感しやすくなります。これにより、個々のメンバーが達成感を感じやすくなり、仕事に対する満足度が向上します。

  • モチベーションの向上
    ゲームのような実績解除システムは、「次は何を達成しようか」という目標設定を促し、日々の業務に新たな挑戦をもたらします。達成すべき実績があることで、メンバーが楽しみながら日々の業務に取り組む動機づけとなり、結果的にモチベーションが高まりやすくなります。

  • 透明性の向上とチーム全体の知識共有
    誰がどの実績を解除したかが一目で分かるため、チーム内で誰がどの技術や作業に精通しているかが可視化されます。これにより、特定の技術に強いメンバーが誰か、どういった作業を何度試みているかが共有され、自然と知識の流通が促進されます。結果として、メンバー間のコミュニケーションも向上し、コラボレーションの機会が増えるでしょう。

  • 属人化の防止
    実績が公開され、メンバー間で誰が何に強いのかが透明になることで、特定の人にしかできない作業が発生しないよう管理がしやすくなります。もし属人化が進んでいる兆しがあれば、その実績に挑戦する他のメンバーを見つけ、早めに対応することで、属人化のリスクを軽減できる仕組みが整います。

  • 自己改善の明確な指標
    実績を解除する前に詳細な条件を設定することで、どうすれば「完了」と見なせるかが明確になります。これにより、メンバーが自分の目標や取り組みの方向性をはっきりと意識でき、自己改善のプロセスが具体的かつ効率的に進むようになります。

上記のような効果を期待していましたが、取り組むべき実績を定義するコストが大きい為運用が難しく、何も達成できない期間が長くなってしまいました。

まとめ

現在のメンバー構成になって実はまだ半年も経たないのですが、個人的な感覚としては良いチームになったと実感しています。

失敗したものもありましたが、近況の共有なんかはとても簡単に導入できるので是非試してみてください。
皆さんの日々の"くふう"も、ぜひ記事にして公開してみてください。簡単なことからでも、他の方にとって貴重なヒントになるかもしれません。

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