小説 妖精たちの恋騒動!わがままミルモと純粋少女楓のチョコレート魔法学園。
第1話: 突然の出会い、魔法の召喚!
シーン1: 失恋のショック!涙のチョコレートタイム
夕焼けが差し込む部屋。茶髪ロングの楓は、机に突っ伏して泣いていた。周りには、食べかけのチョコレートの包み紙が散乱している。
「うぅ…結木くんのバカ…!」
楓は、意を決して告白した相手、結木摂に、やんわりと振られてしまったのだ。
(楓)「どうして…私じゃダメなの…?」
涙でぐしゃぐしゃになった顔を上げ、楓は最後のチョコレートを口に運ぶ。苦いチョコレートが、今の楓の気持ちを表しているようだった。
(楓)「もう、チョコレートなんて大嫌い…!…でも、美味しい…」
矛盾した感情が、楓の胸を締め付ける。
シーン2: 謎のマグカップ、妖精ミルモ出現!
涙を拭きながらチョコレートを食べていると、机の上に置いてあった、おばあちゃんからもらった古いマグカップが、ぼんやりと光り始めた。
(楓)「えっ…?」
驚いてマグカップを見つめていると、光がどんどん強くなり、ついには目を覆ってしまうほどに。光が収まると、そこには赤い帽子と服を着た、小さな妖精が立っていた。頭には音符のような飾りがついている。
(ミルモ)「…なんだ、ここは? チョコレートの匂いがプンプンするな」
ミルモは、あたりをキョロキョロと見回し、一番大きなチョコレートの包み紙を手に取った。
(楓)「え…あ…あなたは…?」
(ミルモ)「なんだお前は! 誰の許可を得て俺様を呼び出したんだ! …って言うな!」
ミルモは、威嚇するように楓を睨みつける。
(楓)「え…妖精…? マグカップから…?」
信じられない光景に、楓は目を丸くする。
シーン3: 魔法の力!? 楓の願いとミルモの反発
(楓)「もしかして、このマグカップって、魔法のランプみたいなもの…? お願いを叶えてくれるんですか?」
楓は、まだ半信半疑ながらも、希望を抱いてミルモに尋ねる。
(ミルモ)「魔法? 願い? そんなもん、叶えられるわけないだろ! 俺様はミルモ! 偉大な妖精だ! お前の願いなんか聞くもんか!」
ミルモは、鼻をフンと鳴らし、楓の願いを一蹴する。
(楓)「そんな…でも、どうしてここに…?」
(ミルモ)「うるさい! 俺だって知らねえよ! 勝手に召喚されたんだからな! …あー、腹減った。チョコレートよこせ」
(楓)「えっと…その…私、結木くんに告白して振られちゃったんです。もし、本当に魔法が使えるなら…もう一度、チャンスが欲しいんです…!」
楓は、涙目でミルモに訴える。
(ミルモ)「振られた? フン、そんなもん、どうでもいいだろ。チョコレートの方が大事だ! …って言うな!」
ミルモは、楓の言葉を全く聞く耳を持たない。しかし、楓の悲しそうな顔を見ていると、なんだか胸がチクチクするのを感じた。
(ミルモ)「…ったく、仕方ねえな。…まあ、チョコレートをたくさんくれるなら、考えてやってもいい…かもな」
(楓)「本当ですか!? ありがとうございます! えっと…その…よろしくお願いします!」
楓は、パッと顔を輝かせ、ミルモに頭を下げる。
(ミルモ)「…勘違いするなよ! チョコレートのためだぞ! …って言うな!」
ミルモは、顔を赤らめながら、そっぽを向く。
その時、窓の外から、鋭い視線が二人に向けられていたことに、まだ誰も気づいていなかった…。
第1話 完
第2話: 強制バディ!? 妖精との同居生活
シーン1: ミルモ、楓の部屋をめちゃくちゃに!?
「ふぁ〜、眠い…」
朝、楓が目を覚ますと、そこはまるで嵐が過ぎ去った後のような光景だった。教科書は床に散らばり、お気に入りのぬいぐるみが逆さまに置かれている。そして、何よりも目を引いたのは、ベッドの上でチョコを貪り食っている赤い帽子の小さな妖精、ミルモだった。
「うわあああ!ミルモ!何してるの!?」
楓の悲鳴にも似た叫び声に、ミルモは口の周りをチョコだらけにしたまま、不機嫌そうに顔を上げた。
「うるせーな!腹が減ったんだろ!チョコくらい食わせろって言うな!」
「チョコはいいけど!部屋をこんなにめちゃくちゃにして…!私の部屋、どうしてくれるの!?」
楓は半泣きになりながら、散らばったものを片付け始める。ミルモはというと、そんな楓を鼻で笑いながら、チョコの包み紙を丸めてポイッとゴミ箱へ。しかし、それは見事に外れて床に落ちた。
「あーあ、外れた。拾えよ、楓!」
「もう!自分で拾ってください!妖精さんって、もっとこう…優雅で素敵なものじゃないんですか?」
楓はうんざりした表情で、ミルモを睨みつける。ミルモはムッとした顔で楓を指差した。
「なんだと!?オレ様は妖精界でも有名な王子様だぞ!お前みたいなガキに指図される筋合いはないんだろ!」
「王子様…?こんなにわがままで乱暴な王子様、初めて見ました…」
楓はため息をつきながら、散らかった部屋の片付けを再開する。すると、ミルモは突然、楓の髪の毛を引っ張った。
「痛っ!ミルモ、何するの!?」
「お前、今日学校だろ?早く行けって言ってんだろ!」
「わかってます!でも、せめて少しは手伝ってくれても…」
「嫌だね!オレ様は眠いんだから、寝る!」
ミルモはそう言うと、楓のベッドに潜り込み、再び眠りについた。楓は頭を抱えながら、ため息をついた。
「本当に、これからどうなっちゃうんだろう…」
シーン2: リルムの登場!恋のライバル出現!?
楓が学校から帰ると、部屋には先客がいた。ピンク色の髪で、フリルのついた豪華なドレスを着た妖精、リルムだ。リルムは上品な微笑みを浮かべながら、楓に近づいてきた。
「ごきげんよう、人間さん。わたくしはリルムと申しますわ。ミルモ様の婚約者ですの。」
楓は突然の訪問者に戸惑いながらも、丁寧に挨拶を返した。
「あ、あの…こんにちは。私は楓です。ミルモの…えっと、一緒に住んでる、友達、です」
「友達、ですって?ふふ、面白いことをおっしゃいますわね。ミルモ様はわたくしの運命の人ですの。あなたのような人間と一緒にいるはずがないわ。」
リルムは楓を挑発するように見つめ、その視線はまるで氷のように冷たい。その時、ミルモが目を覚まし、二人の間に割って入った。
「なんだ、リルム。お前、何しに来たんだろ?勝手に人の家に入ってくるなって言うな!」
ミルモはぶっきらぼうな口調でリルムを睨みつけた。リルムは少し悲しそうな表情になったが、すぐにいつもの上品な笑顔に戻った。
「ミルモ様…わたくしは、あなたのことが心配で…この人間の女の子と本当に仲良くしているのかと、確かめに来ましたの。」
「心配?余計なお世話だろ!オレ様はオレ様の好きにするって言うな!」
ミルモはそう言うと、リルムを無視して楓に近づいた。
「楓、チョコくれって言ってんだろ!早く!」
「もう!さっき食べたばかりじゃないですか!?」
楓は呆れながらも、冷蔵庫からチョコレートを取り出した。リルムはそんな二人を複雑な表情で見つめていた。
「…ミルモ様、あなたは本当に変わってしまわれたのね…」
シーン3: 妖精学校!? 結木の秘密とミルモの嫉妬
その日の夜、楓はミルモに質問をした。
「ミルモって、妖精学校に通ってたこととか、あるんですか?」
「妖精学校?なんだ、急に。別に、オレ様はそんなガキみたいな学校、行ったことないって言うな!」
ミルモはそっぽを向いて答えた。すると、突然、楓の部屋の窓が開いた。
「やあ、楓。こんな時間に、どうしたんだい?」
窓の外には、楓が憧れているクラスメイト、結木摂が立っていた。結木は爽やかな笑顔で楓に話しかけた。
「えっ!結木くん!?どうしてここに…?」
楓は顔を赤らめながら、慌てて窓を開けた。結木はにこやかに答えた。
「実はね、僕も妖精が見えるんだ。さっき、君の部屋に妖精がいるのが見えたから、ちょっと気になって…」
楓は驚きで目を丸くした。結木が妖精を見ることができるなんて、全く知らなかった。
「え…結木くんも、妖精が見えるんですか?すごい…!」
「うん。小さい頃から、なんとなくね。君の妖精は、ミルモっていうんだね。よろしく。」
結木はミルモに手を差し出した。ミルモは警戒した様子で、結木の手を払いのけた。
「なんだお前は!楓に近づくな!」
「ミルモ!やめてください!」
楓は慌ててミルモを制止した。結木は苦笑いを浮かべながら、手を引っ込めた。
「…どうやら、あまり歓迎されてないみたいだね。じゃあ、僕はこれで。」
結木はそう言うと、窓から飛び降りて帰って行った。楓はその後ろ姿を見送りながら、ため息をついた。
「せっかく結木くんが来てくれたのに…ミルモのせいで、台無しになっちゃった…」
ミルモはふてくされた様子で、ソファーに座り込んだ。
「チッ…あんな奴、楓に近づけるもんかって言うな!」
その夜、楓は眠りについた後も、結木のことばかり考えていた。一方、ミルモはというと、楓が寝静まった後、一人で部屋を抜け出し、どこかへと向かっていった。
(続く)
第3話: 恋の魔法、それぞれの想い
シーン1: 楓、結木への告白を決意!?
場所: 楓の部屋
状況: 楓は机に向かい、手紙を書こうとしている。ミルモはそれをソファでチョコレートを食べながら見ている。
(楓、ペンを握りしめ、深く息を吸う)
楓: (独り言)よし…書くぞ!結木君への…告白の手紙!
(ミルモ、チョコレートを頬張りながら)
ミルモ: へぇ、告白か。お前、まだ諦めてなかったんだな。
(楓、少し顔を赤らめながら)
楓: ミルモ!聞こえてたの!? えっと…その…やっぱり、自分の気持ちをちゃんと伝えたくて…
(ミルモ、ソファから飛び降り、楓の肩に手を置く)
ミルモ: ふん、どうせ無理だろ。あいつ、お前に興味なさそうじゃん。
(楓、少ししょんぼりする)
楓: う…そうかもしれないけど…。でも、言わない後悔より、言って後悔したいっていうか…。
(ミルモ、少し考え込む)
ミルモ: ま、お前がそうしたいなら勝手にしろ。でも、失敗しても俺に泣きつくって言うな!
(楓、笑顔を取り戻す)
楓: ありがとう、ミルモ!応援してくれるんだね!頑張ります!
(楓、手紙を書き始める。ミルモはチョコレートを再び食べ始めるが、どこかそわそわしている)
楓: (手紙を読み上げるように)結木君へ。いつも優しくしてくれて、ありがとうございます。あの…その…
(ミルモ、咳払いをする)
ミルモ: もっとストレートに言えよ!「好きだ」って!
(楓、顔を真っ赤にする)
楓: えええ!? そんなの無理だよ!恥ずかしいもん!
(ミルモ、呆れたように)
ミルモ: だからダメなんだろ!男はハッキリ言ってくれないとわかんねーんだよ!
(楓、意を決したように)
楓: わかった…!頑張ってみる…!えっと…結木君、あなたのことが…大好きです!
(楓、手紙を書き終え、満足そうに微笑む。ミルモは少しだけ嬉しそうな顔をしているが、すぐにそっぽを向く)
シーン2: リルム、大胆アピール作戦開始!
場所: 妖精学校
状況: リルムは、妖精学校の庭で、ミルモを呼び止めている。
(リルム、ミルモに駆け寄り、両手を広げる)
リルム: ミルモ様!今日もお美しいですわ!
(ミルモ、迷惑そうに顔をしかめる)
ミルモ: うわ、またお前か。何だよ、用があるなら早く言え。
(リルム、キラキラした目でミルモを見つめる)
リルム: ミルモ様のために、わたくし、スペシャルなチョコレートケーキを焼いてきましたの!
(リルム、メイドの妖精に合図を送り、大きなチョコレートケーキが運ばれてくる)
リルム: さあ、ミルモ様、どうぞ召し上がってくださいまし!わたくしの愛がたっぷり詰まっておりますわ!
(ミルモ、ケーキを前にしても、あまり嬉しそうではない)
ミルモ: こんなの食いきれないだろ…。それに、俺はビターチョコレートの方が好きなんだよ。
(リルム、少しショックを受ける)
リルム: あら…ご存知なかったのですね…。ミルモ様がお好きなチョコレートの種類くらい、ちゃんと調べておくべきでしたわ…。
(リルム、気を取り直して)
リルム: では、ミルモ様!わたくしと一緒にダンスを踊りませんか?
(ミルモ、即答する)
ミルモ: 嫌だ。俺は眠いんだよ。
(リルム、さらにショックを受ける)
リルム: ミルモ様…そんな…!
(リルム、メイドの妖精たちに指示を出す)
リルム: 次は、ミルモ様が喜んでくれるようなサプライズを考えなさい!絶対に、ミルモ様を振り向かせてみせますわ!
(リルム、悔しそうに、しかし決意を新たにする)
シーン3: ミルモ、楓を応援!? 意外な優しさ
場所: 楓の部屋
状況: 楓は、結木に告白の手紙を渡すかどうか、迷っている。ミルモは、そんな楓を、そわそわしながら見ている。
(楓、手紙を握りしめ、うろうろしている)
楓: どうしよう…やっぱり、渡せないかも…。緊張するし、断られたら…
(ミルモ、我慢できずに声をかける)
ミルモ: お前、いつまでウジウジしてるんだよ!さっさと行ってこい!
(楓、驚いた顔でミルモを見る)
楓: ミルモ…?
(ミルモ、ぶっきらぼうに)
ミルモ: だから、行ってこいって言ってんだろ!せっかく決意したんだから、諦めるなって!
(楓、少し涙ぐむ)
楓: ミルモ…ありがとう…!
(楓、深呼吸をして、手紙を持って部屋を飛び出す)
楓: 行ってきます!
(ミルモ、楓が出て行った後、小さな声で)
ミルモ: …別に、お前のことが心配なわけじゃないんだからな…ただ、チョコレートがもらえなくなるのは困るだけだ…
(ミルモ、窓の外を見つめ、楓の背中を見送る。その顔は、どこか心配そうだった)
(場面転換:楓が結木に手紙を渡すシーンを少しだけ描写する)
(楓、勇気を振り絞って結木に手紙を渡す)
楓: 結木君!あの…これ…!
(結木、笑顔で手紙を受け取る)
結木: ありがとう、楓さん。放課後、ゆっくり読ませてもらうね。
(結木は爽やかな笑顔を楓に向け、その場を立ち去る)
(楓はドキドキしながら、結木の背中を見送る)
(次の話への期待感を持たせる)
**(場面転換:ミルモが妖精学校にいるカットを入れる。リルムが何か大きな計画を企てているような表情を浮かべている。背景には、ワルモ団の影がちらつく。楓の告白の行方は…!?そして、リルムの新たな作戦とは…!?次回、「妖精たちの恋騒動!わがままミルモと純粋少女楓のチョコレート魔法学園」第4話『奪われた魔法、闇の影』にご期待ください!)
第4話: 奪われた魔法、闇の影
ワルモ団の罠!ミルモの魔法が消えた!?
夕暮れ時、楓はミルモといつもの公園にいた。告白の練習をするためだ。「えっと…結木くん、あのね…」楓が照れながら言うと、ミルモはあくびをした。「さっさと終わらせろだろ。チョコ食わせろ」
その時、突然、地面から黒い煙が立ち上った! ワルモ団のアクミとヤミが姿を現したのだ!「キヒヒ、見つけたぞミルモ!今日は魔法を奪ってやる!」アクミがニヤリと笑った。
「ワルモ団!またお前らか!何企んでるんだ!」ミルモは怒って叫んだ。「今日は特別製の魔法封じチョコだ!これさえあれば、お前の魔法は使えなくなる!」ヤミがニヤニヤしながらチョコレートを投げつけた!
ミルモはチョコを叩き落とそうとしたが、チョコはまるで生きているかのようにミルモの口に飛び込んだ! 「なんだこれ!? まずい!力が…抜けていく…!」ミルモは苦しみ始めた。赤い帽子が色褪せ、頭の音符飾りが消えていく。「う…嘘だろ…俺の魔法が…!」
楓は驚いて駆け寄った。「ミルモ!大丈夫!?」 楓が抱きかかえようとした瞬間、ミルモは力なく倒れてしまった。「楓…気をつけろ…あいつら…」
アクミは高笑いした。「キヒヒ、ざまあみろ!魔法が使えなくなったただの小さな妖精だ!用済みだ、行くぞヤミ!」 ワルモ団は煙のように姿を消した。
「ミルモ!ミルモ!」 楓は必死にミルモを揺さぶった。「しっかりして!ミルモ!」 しかし、ミルモは意識を失ったままだった。「どうしよう…ミルモの魔法が…」 楓は震える手でミルモを抱きしめた。
楓、妖精たちのために立ち上がる!
ミルモを家に運び込み、楓は必死に看病した。しかし、ミルモはぐったりとしたままだ。「どうすれば…どうすればミルモを助けられるの?」
その時、リルムが楓の部屋に飛び込んできた。「楓さん!ミルモ様は一体どうされたのですか!?」 リルムは普段のお嬢様言葉を忘れ、必死な様子だった。「ワルモ団のやつら…許せませんわ!」
楓は事の顛末をリルムに説明した。「ワルモ団の魔法封じチョコのせいで、ミルモの魔法が使えなくなっちゃったの…」
リルムは悔しそうに拳を握りしめた。「そんな…ミルモ様のために、何かできることはないのでしょうか?」
楓は決意した顔で言った。「私、ミルモを助けたい。妖精の力はなくても、私にできることがあるはず!」 楓の目に強い光が宿った。「ワルモ団を倒して、ミルモの魔法を取り戻す!私、絶対に諦めない!」
リルムは楓の言葉に心を打たれた。「楓さん…!私も協力しますわ!ミルモ様のためですもの!」 リルムはいつもの上品な口調に戻り、楓を力強く見つめた。「楓さんと一緒に、ワルモ団を懲らしめて差し上げますわ!」
楓とリルムは、ワルモ団を倒すための作戦を立て始めた。 楓は冷静に状況を分析した。「ワルモ団は、いつも私たちが油断している時を狙ってくる。次はどこに現れるかわからないけど、何か弱点があるはず…」
リルムは考え込んだ。「ワルモ団は、いつもいたずらばかりしていますけど、本当は寂しがり屋なのかもしれませんわ。もしかしたら、心の隙間につけ込んで、誰かに操られているのかも…」
楓はリルムの言葉にハッとした。「操られている…!? それなら、ワルモ団を操っている黒幕がいるかもしれない!」 楓はペンを取り、メモに書き出した。「黒幕…ワルモ団の弱点… そして、ミルモを助ける方法…」
二人は協力して、ワルモ団を倒すための手がかりを探し始めた。楓は図書館で妖精に関する本を読み漁り、リルムは妖精界の情報網を駆使してワルモ団の情報を集めた。
結木の助け!友情の力でワルモ団を撃退!?
翌日、楓は結木に相談することにした。「結木くん、ちょっと相談に乗ってほしいことがあるんだ…」 公園で待ち合わせた楓は、結木にワルモ団のこと、そしてミルモが魔法を奪われたことを話した。
結木は真剣な表情で楓の話を聞き終えると、静かに言った。「そんなことがあったんだね…楓が困っているなら、僕も協力するよ」 結木の優しい言葉に、楓は胸が熱くなった。「ありがとう、結木くん!」
結木は冷静に分析した。「ワルモ団は、魔法の力を持っている妖精を操ることで、力を増しているのかもしれない。楓の周りの妖精たちも、注意が必要だね」
その時、公園の池の中から、突然アクミとヤミが現れた! 「キヒヒ、人間ども!今日は楓の周りの妖精たちを操って、もっと大きな力を手に入れるぞ!」 アクミは不気味な笑みを浮かべた。
結木は楓を庇いながら言った。「楓、危ない!僕が時間を稼ぐから、逃げて!」 結木は得意の剣道で、アクミとヤミに立ち向かった。
楓は結木の勇敢な姿を見て、心を奮い立たせた。「結木くん、ありがとう!でも、私だってただ逃げるわけにはいかない!」 楓は覚悟を決めた。「私には魔法の力はないけど、妖精たちとの友情がある!その力を信じて、ワルモ団に立ち向かう!」
楓は、カバンの中からチョコレートを取り出した。「ワルモ団のやつら、チョコレートが好きだったわよね…」 楓はチョコレートを池に向かって投げた。「はい、おやつよ!」
アクミとヤミは、チョコレートに目を奪われた。「なんだ、チョコレートか!」「いただきだ!」 二人はチョコレートに群がった。
その隙に、楓は妖精笛を取り出し、力いっぱい吹いた。笛の音色は、公園に響き渡り、妖精たちに楓の危機を知らせた。
すると、どこからともなく、たくさんの妖精たちが集まってきた! ポロン、パピィ、ムルモ… 楓の友達の妖精たちが、楓を助けるために駆けつけたのだ!
「楓さん、大丈夫ですか!?」「ワルモ団のやつら、許せない!」 妖精たちは怒って、ワルモ団に魔法を放った!
アクミとヤミは、突然の攻撃にたじろいだ。「なんだ、こいつら!」「こんなにたくさんの妖精がいるなんて聞いてないぞ!」
結木も剣道の腕を活かし、アクミとヤミを追い詰めた。楓は妖精たちと協力して、ワルモ団の魔法を打ち破った。
ついに、アクミとヤミは降参した。「わかった、わかった!もう降参だ!」「勘弁してくれ!」 ワルモ団は煙のように姿を消した。
楓は安堵の息をついた。「みんな、ありがとう!結木くんも、ありがとう!」 楓は笑顔で、妖精たちと結木に感謝した。
しかし、楓の表情はすぐに曇った。「でも…ミルモはまだ…」 楓はミルモのことが心配だった。
その時、リルムが楓に駆け寄ってきた。「楓さん!大変ですわ!ミルモ様の様子が…!」
楓は驚いてリルムに尋ねた。「どうしたの!? 一体何があったの!?」
リルムは深刻な表情で言った。「ミルモ様の身体から、黒いオーラが出ているんですわ!まるで…闇に飲み込まれてしまうかのように…!」
楓は衝撃を受けた。「闇…!? ミルモに一体何が…!?」
楓は急いで家に駆け戻った。 ミルモの身に一体何が起こっているのか? そして、楓はミルモを救うことができるのか? 物語は新たな局面を迎える…!
第5話: 過去の秘密、ミルモの葛藤
シーン1: ミルモの過去!悲しい出来事が明らかに!?
場所: 楓の部屋
時間: 夕暮れ時
楓は勉強机に向かい、難しい数式に頭を悩ませていた。ミルモはいつものようにチョコレートを頬張りながら、部屋の隅でふてくされていた。
楓: (ペンを止めて) うーん…全然わからない…。ミルモ、ちょっと教えてくれない?
ミルモ: (ぶっきらぼうに) 知るかよ!オレ様は忙しいんだ!
楓: (しょんぼり) えー…チョコレート食べてるだけじゃない…。
ミルモ: (むっとして) チョコレートは重要なエネルギー源だろ!勉強より大事なんだよ!
その時、ミルモの頭の音符飾りが微かに光った。ミルモは急に黙り込み、苦しそうな表情を浮かべた。
楓: ミルモ?どうしたの?顔色が悪いよ?
ミルモ: (うめき声) う…頭が…。なんか…変な感じだ…
ミルモは頭を抱え、突然過去の記憶が洪水のように押し寄せてきた。それは、まだ幼いミルモが、親友の妖精と楽しそうに遊んでいる光景だった。しかし、その親友は、突如現れたワルモ団の妖精に襲われ、ミルモを庇って消滅してしまったのだ。
ミルモ: (苦悶の表情で) ダメだ…!やめろ…!アベル…!
楓: (慌てて) ミルモ!しっかりして!アベルって誰!?
ミルモは過去の悲しい出来事がフラッシュバックし、気を失ってしまった。楓は必死にミルモを抱きしめた。
シーン2: リルム、ミルモを励ます!意外な一面
場所: 楓の部屋
時間: 夜
楓は心配そうにミルモの様子を見ていた。リルムは、普段の傲慢な態度をかなぐり捨て、真剣な表情でミルモに寄り添っていた。
リルム: (心配そうに) ミルモ様…一体何があったのですか?
楓: リルム…ミルモ、過去の記憶に苦しんでいるみたい。アベルって名前の妖精がどうのこうのって…。
リルム: (驚いた様子で) アベル…!まさか…ミルモ様がそんな過去を…。
楓: リルムは何か知ってるの?
リルムは少し躊躇した後、ゆっくりと語り始めた。
リルム: ミルモ様は、昔、とても親しい友人がいらっしゃったのです。アベル様という、それはそれは勇敢で優しい妖精でしたわ。でも、ワルモ団との戦いで、ミルモ様を庇って命を落とされたと聞いております。
楓: そんな…!ミルモ…。
リルム: ミルモ様は、その事をずっと後悔されているのでしょう。ご自身のせいで、アベル様が…。
リルムは、普段のわがままな態度とは裏腹に、ミルモのことを心から心配していた。彼女の瞳には、深い悲しみが宿っていた。
リルム: 楓様、ミルモ様を励ましてあげてください。ミルモ様には、あなたが必要ですわ。
シーン3: 楓とミルモ、絆を深める約束
場所: 楓の部屋
時間: 深夜
ミルモは静かに眠っていた。楓は、ミルモの小さな手を握りしめ、優しく見つめていた。
楓: (心の中で) ミルモ…辛かったんだね…。今まで、何も知らなくてごめんね。
ミルモがゆっくりと目を覚ました。
ミルモ: (弱々しい声で) かえ…で…?
楓: ミルモ!大丈夫?
ミルモ: (俯いて) オレ…情けないだろ…。過去の事に、ずっと囚われてるなんて…。
楓: そんなことないよ!誰だって、辛い過去があるんだもん。ミルモだけじゃないよ。
楓は、ミルモを優しく抱きしめた。
楓: これからは、私がいるから。ミルモが辛い時は、いつでも頼ってね。
ミルモ: (少し涙ぐんで) かえで…。
楓: ミルモ、約束してくれる?もう、一人で抱え込まないって。
ミルモ: (頷いて) …わかったよ。
ミルモは、楓の温かさに包まれ、心が少しずつ癒されていくのを感じた。
ミルモ: (照れながら) …ありがとな。
楓: (笑顔で) どういたしまして!
その夜、楓とミルモは、過去の悲しみを乗り越え、互いの絆をより一層深めたのだった。しかし、ワルモ団の影は、依然として彼らに忍び寄っていた…。
次回、第6話:「告白の行方、それぞれの決意」
楓は結木への告白を決意する!一方、リルムもミルモへの想いを伝えようとするが…!? そしてミルモは、自分の気持ちに気づき始める!? 恋の嵐が吹き荒れる予感!
第6話: 告白の行方、それぞれの決意
シーン1: 楓、結木に告白!返事は…!?
夕焼け空が校舎をオレンジ色に染める頃、楓は昇降口の前でソワソワしていた。手に握られた手紙は、今日まで何度も書き直した告白の手紙。深呼吸をして、結木を待つ。
「えっと…その…」楓は小さく呟いた。
(大丈夫、私ならできる!勇気を出して…!)
すると、遠くから結木が歩いてくるのが見えた。楓は心臓がドキドキと高鳴るのを感じる。
「結木くん…!」
結木は笑顔で楓に近づいてきた。「楓さん、何か用ですか?」
楓は覚悟を決めて、手紙を差し出した。「あの…これ、受け取ってください!」
結木は不思議そうな顔で手紙を受け取った。「これは…?」
「その…ずっと、結木くんのことが…好きでした!」楓は顔を真っ赤にして、目を閉じた。
結木は手紙をゆっくりと開いて読み始めた。楓は緊張で息をするのも忘れてしまいそうだった。
しばらくして、結木は顔を上げ、少し困ったような、でも優しい笑顔で楓を見た。「楓さん、気持ちは嬉しいです。でも…ごめんなさい。」
楓は予想していたとはいえ、胸が締め付けられるような痛みを感じた。「…そっか。やっぱり、ダメ…ですよね。」
結木は申し訳なさそうに言った。「楓さんは、本当にいい人だし、友達として、これからも仲良くしたいと思っています。」
楓は涙をこらえながら、笑顔を作った。「…ありがとう、結木くん。友達として、これからもよろしくね。」
(やっぱり、私の気持ちは届かなかったんだ…)楓は心の中でそう呟き、夕焼け空の下、一人涙をこらえるのだった。
その様子を、楓の影から見ていたミルモは、小さく舌打ちをした。「チッ、振られちまったか。まあ、仕方ねえだろ。あいつの気持ちも分からねえわけじゃねえしな。」
シーン2: リルム、ミルモへの想いを伝える!
その頃、妖精界では、リルムが意を決していた。楓が結木に告白したことを知り、今しかないと思ったのだ。
「ミルモ様…!わたくし、今日こそお気持ちをお伝えしますわ!」
リルムはミルモの部屋に飛び込んだ。ミルモはチョコレートを頬張りながら、ゴロゴロしていた。
「ミルモ様!わたくし、ずっと…ミルモ様のことが…!」
ミルモは突然のリルムの登場に、驚いた顔をした。「なんだよ、リルム。いきなり大声出して。チョコレートでも食うか?」
リルムは顔を赤らめながら、真剣な眼差しでミルモを見つめた。「そんな場合ではありませんわ!わたくしは…ミルモ様を愛していますの!」
ミルモはポカンとした顔でリルムを見た。「はあ?愛してるって、何言ってんだお前。」
「わたくしは、ミルモ様の優しさも、強さも、わがままなところも…全部ひっくるめて、愛しているんですわ!わたくしを、ミルモ様のそばに置いてください!」リルムは涙目で訴えた。
ミルモは少し困ったように顔をしかめた。「…リルム、お前は良い奴だって思ってるけどな…」
「でも…?」リルムは不安そうに尋ねた。
ミルモは続けた。「…俺には、まだ、そういう気持ちは分からねえんだ。それに、俺にはまだ、やらなきゃいけないことがある。お前の気持ちには、応えられない。」
リルムはショックを受けた。「そんな…!ミルモ様…!」
ミルモは立ち上がり、リルムの肩に手を置いた。「悪りーな、リルム。でも、お前はもっと良い奴を見つけられるさ。」
リルムは涙を拭いながら、言った。「…分かりましたわ。でも、わたくしは諦めませんわ!いつか必ず、ミルモ様に振り向いていただきますわ!」
リルムはそう言い残し、部屋を飛び出していった。ミルモはその後ろ姿を見送りながら、小さく呟いた。「…強情な奴だな。」
シーン3: ミルモ、自分の気持ちに気づく!?
一人になったミルモは、窓の外を眺めていた。楓が振られたこと、リルムに告白されたこと…様々な出来事が頭をよぎる。
(あいつら、一体何考えてんだろ…)
ミルモはチョコレートを口に入れ、ぼんやりと考えた。楓は結木が好きで、リルムは自分のことが好き…それなのに、自分は一体どうなんだろう?
ふと、楓の悲しそうな顔が頭に浮かんだ。あの日、ワルモ団に魔法を奪われた時、楓は自分のために必死に戦ってくれた。その時、胸の奥が熱くなったのを覚えている。
(…まさか…)
ミルモは自分の気持ちに気づき始めた。楓に対する気持ちは、ただの仲間意識だけではないのかもしれない。
「…バカ言うな!そんなわけねえだろ!」ミルモは顔を赤くして、否定した。
しかし、楓の笑顔、優しさ、強さ…様々な魅力が、ミルモの心を揺さぶる。
(…いや、でも…)
その時、ミルモの頭に、過去の悲しい出来事が蘇った。妖精界で起こった争い…愛する人を失った悲しみ…
(…また、誰かを失うのは…)
ミルモは恐怖を感じた。誰かを好きになることは、同時に、失うことへの恐怖を抱えることでもある。
「…やっぱり、無理だ。」ミルモはそう呟き、自分の気持ちに蓋をしようとした。
しかし、楓の姿が、どうしても頭から離れない。
その時、部屋の扉が開いた。入ってきたのは、ムルモだった。
「お兄ちゃん、どうしたの?元気ないね。」
ミルモはムルモの頭を撫でながら、言った。「…なんでもねえよ。ちょっと考え事してただけだ。」
ムルモは心配そうにミルモを見つめた。「…お兄ちゃん、無理しないでね。僕、お兄ちゃんの味方だよ。」
ムルモの言葉に、ミルモの心は少しだけ軽くなった。
(…そうか。俺には、仲間がいるんだ。)
ミルモは決意した。自分の気持ちと向き合ってみよう。そして、大切な仲間たちを守るために、自分にできることをしよう。
「…よし、決めた!」ミルモは立ち上がり、力強く呟いた。「明日から、また頑張るぞ!」
その夜、ミルモは楓のことを考えながら、なかなか眠りにつけなかった。自分の気持ちに気づいたミルモは、これから一体どうなってしまうのだろうか?
次回、妖精たちの恋騒動、新たな展開へ…!
第7話: 未来への扉、新たな始まり
ワルモ団の最後の挑戦!
楓は結木と手をつなぎ、ミルモとリルムは背中を合わせ、ワルモ団のアクミ、イイジャ、ダアクの前に立ちはだかる。ワルモ団は巨大なチョコレートロボットに乗り込み、最後の戦いを挑んできたのだ。
「クケケケ、これで終わりだ!お前たちの友情も恋も、全てチョコレートの海に沈めてやる!」アクミが操縦桿を握り、チョコレートロボットが巨大なハンマーを振りかぶる。
楓は震えながらも、決意のこもった目でアクミを見据えた。「そんなことさせません!みんなの気持ちを、踏みにじるなんて許さない!」
ミルモは楓の隣で腕を組んだ。「楓の言う通りだろ!お前らの企み、ここで阻止してやる!」
リルムはミルモに寄り添い、優雅に微笑んだ。「ミルモ様、わたくしも共に戦いますわ!」
結木は静かに頷き、楓の手を握りしめた。「僕も、みんなと一緒に戦うよ。」
チョコレートロボットがハンマーを振り下ろす!絶体絶命のピンチに、楓は叫んだ。「ミルモ!リルム!みんなの力を合わせて!」
ミルモは得意の音符魔法を放ち、リルムは愛のハート魔法を放つ。結木は楓を守りながら、冷静にチョコレートロボットの弱点を探る。
みんなの力で勝利!友情と絆の力
音符とハートの魔法が合わさり、チョコレートロボットの動きを鈍らせる。結木が叫んだ。「今だ!楓!あそこの回路が弱点だ!」
楓は結木の言葉を信じ、勇気を振り絞って走り出す。チョコレートロボットが再びハンマーを振り下ろそうとするが、楓は間一髪でハンマーをかわし、回路に魔法のチョコレートを叩き込んだ。
「ギャー!」チョコレートロボットがショートし、爆発寸前になる。「こんなはずじゃ…!ワルモ団、永遠に不滅だー!」アクミたちはそう叫びながら、チョコレートロボットと共に空のかなたへ消えていった。
ワルモ団の脅威が去り、楓たちは安堵の息をつく。しかし、別れの時が近づいていることを、みんなは感じていた。
別れの時、そして新たな出会いへ
ミルモは楓に向き合った。「楓…、お前と出会えて、本当によかったと思ってる。わがままな俺に、いつも付き合ってくれてありがとうな。」
楓は涙をこらえながら、笑顔で答えた。「ミルモこそ、ありがとう。ミルモに出会わなかったら、私はずっと臆病なままだったと思う。」
リルムはミルモに優しく微笑んだ。「ミルモ様、わたくしはいつでもミルモ様をお待ちしておりますわ。」
ミルモは少し照れながら、リルムに頭を下げた。「リルム、お前も…、その…、ありがとな。」
妖精たちはそれぞれの世界へ帰る時が来た。魔法のマグカップが光を放ち、ミルモとリルムを包み込む。
「さよなら、楓。」ミルモは最後にそう言い残し、光の中に消えていった。
楓は涙を拭い、空を見上げた。「さよなら、ミルモ。ありがとう…!」
数日後、楓はいつものように学校へ向かっていた。すると、転校生が来ると先生が告げる。教室のドアが開き、そこに立っていたのは…。
なんと、妖精学校に通うことになったという人間の少年だった!少年の名前は「シロップ」。
「えっと…、みなさん、はじめまして。シロップといいます。これから、よろしくお願いします!」
楓は驚きと喜びで胸がいっぱいになった。新たな出会いが、また新たな物語を紡ぎ始める予感がした。
次号、シロップと楓の新たな恋騒動!?お楽しみに!