遙かなる時空の中で6DX 共通ルート感想

 そういえばnoteのアカウントをとったものの何にも書くことがなくて放置していたな、と思い、ここ最近やっている遙か6の感想でも認めておこうと思った次第です。自分の備忘録と、もし遙か6に興味があってどんな感じの内容かな~って思っている人のためにちゃんと感想を書いてみたいと思います。

 ネタバレ満載・遙かシリーズをいろいろやっているので、共通設定に対しての説明はわりと放棄、そして主人公はシリーズ通してデフォルト名呼びです。

 まず前提として、めちゃくちゃ自分語りしちゃうんですが、私は遙かなる時空の中でシリーズを1と2以外、つまり3~6までプレイしています。3は無印、十六夜記、運命の迷宮とファンディスクも含めて。4はPSPで出た愛蔵版を。5は無印のみ。風花記はやっていません。
 中学生の時にめちゃくちゃやり込んだのが3で、運命上書きシステムを使って死んでしまうキャラの運命を変えていく、というのにとてつもなくハマり、日夜寝る間も惜しんでプレイしていました。
 時はたち、次の遙かシリーズにふれたのが大学生の時です。大学の学生寮に入ることが決まっていたため、学生寮のガイダンスに行った際、たまたま隣の席に座った女の子が、偶然にも遙かシリーズのファンだったことをきっかけに、今まで触れていなかった3以外のシリーズをその子から借りることが出来たので、その子がオススメしてくれた5をプレイしてみたのです……が。
 基本的に、遙かシリーズは共通の設定や世界観などがあり、声優も共通しています。1~4まではずっと三木眞一郎さんや関智一さん、石田彰さんなど、大御所俳優を起用していたのですが、時代の流れか、新規ファンの参入を狙ってか、5からは全ての声優を一新し、新しい遙かとして生まれ変わっていました。

 まあ、プレイしてみたのですが……確かに面白かった記憶はあるんですが、私はどうしても主人公と、主人公と一緒に異世界にトリップしてしまった友人(私は取巻きと呼んでる)が相容れなくて、ものすごく……微妙な感じで終わってしまいました。一応全員プレイはしたんですけどね! 何故ならとても救いたいキャラクターが全員攻略した後じゃないと攻略できない隠しキャラ扱いだったので!
 もやもやした気持ちを引きずりながら(もう数年前にプレイしただけなので、何がそんなに嫌だったのかもあんまり覚えていないんですが)4まで旧声優さんたちが務めていたので、5の後に4をプレイしました。もともと、4はファンの間でも賛否両論ある作品で、私に4を貸してくれた友人も「設定は好きだけどあんまり好みの作風じゃなかった」と言っていたので、5の後でしたし特に大きな期待はしていませんでした。が。
 私はとっても4が面白くて……もちろん、キャラクターの個別ストーリーがほぼ無いとか、3で死ぬ運命を変えることが出来たというのに、4では攻略キャラが死んだままのストーリーがあるとか、そういう点はあったにせよ、とても楽しめたのです。

 それで、問題の6です。正直、微妙だった5の後の作品であまり期待してませんでした。いま私がプレイしているのは「遙かなる時空の中で6DX」という、switchで出ているお得パックみたいなやつです。本編ストーリーと、本編のあとに発売されたFD「幻燈ロンド」をひとつにしましたよ、というやつですが、こちらは移植版になっていまして、私は移植する前にPSVitaで発売されていた「遙かなる時空の中で6」を気になったキャラだけ攻略しました。ダリウス・ルードハーネ・虎・村雨の四人だった気がする。正直あんまり覚えていません。

 閑話休題。「遙かなる時空の中で6」が今までの遙かシリーズと決定的に違うのは、主人公が黒龍に選ばれた「黒龍の神子」であるということです。今までの遙かシリーズの主人公たちは、白龍に選ばれた「白龍の神子」で統一され、黒龍の神子は主人公を手助けする女の子として登場していました。白龍の神子は陽の存在として、怨霊を封印する能力を持ち、黒龍の神子は陰の側面を持ち、怨霊の声を聴くことが出来るとされています。
 この神子という存在は、すべての遙かシリーズに統一されている設定です。大体の作品において、怨霊という敵を封印する力を持つ白龍の神子とは違い、黒龍の神子は破壊を司り、不遇の立場として描かれてきました。

 その黒龍の神子として、主人公である高塚梓は自分たちの世界とうり二つの大正時代――異世界へと召喚されます。大正・帝都東京では怨霊が蔓延り、帝国陸軍内に怨霊討伐を目的とする精鋭部隊が組織されるほど、怨霊が跋扈していました。
 梓は帝国陸軍の相談役であり、代々龍神の神子たちに仕えてきた星の一族の末裔・萩尾九段という青年によって異世界に召喚されます。しかし、召喚された直後、鬼の一族が乱入し、彼女を連れ去ってしまう。
 鬼の一族とは、金髪碧眼――外国人のような見目をしていて、遙かシリーズではその見目と、特殊な隠形の術を使うことから、差別の対象となっており、主人公たちの敵にも味方にもなった一族です。物語が幕末や大正時代に入り、西洋人たちが日本を訪れるようになったこともあり、見た目での差別はなくなりましたが、常人には理解しがたい怪しげな術を使うため、多くの市民は鬼の一族たちを嫌悪しています。

 梓を連れ去った鬼の一族たちは、彼女に帝都東京に危機が迫っていること、そしてその原因が怨霊であり、怨霊を退治していけば、やがて異世界に帰れるようになると梓に説明します。まあそんなわけないんだけどね!
 梓は鬼の一族――首領であるダリウス(CV鈴村健一)、ダリウスの腹心の部下であるルードハーネ、通称ルード(CV立花慎之介)、鬼と人間のハーフである本条政虎、通称虎(CV竹本英史)と生活を共にし、元の世界に帰るために怨霊退治をすることになります。

 ここら辺までがプロローグなのですが、主人公が白龍の神子ではないため、以前のシリーズである3や5であったような、時空跳躍システムは使えません。基本的にはキャラクターが死ぬことは無いし、バッドエンドを迎えたとしても過去の時間軸には戻れないです。そして、結構大変かと思うのですが……基本的に個別ルートのようなものはあまり存在しません。どうしても遙か3と比較してしまうんですが、遙か3ではそのキャラクターと絆を深め、キャラの死を経験し、その死を覆すために時空を超え、やがてその先の見たことのない未来――彼と二人でラスボスを倒すという個人のルートに突入していきます。
 ですが、遙か6……全員プレイしていないので確実に、とは言えないのですが、基本的にストーリーは金太郎飴です。全部のルートでたぶん、ほとんど共通じゃないかな、と思います。乙女ゲームの老舗であるコーエー(ネオロマンス)が作っているので、スキップ機能やオート戦闘・戦闘スキップなどの機能は充実していますが、共通ストーリーでキャラクター個人のイベントをこなして、それなりの選択肢を選んでいけばだいたいのルートはクリアできます。一回目のストーリークリアしちゃえば……ぶっちゃけあとは作業みたいな感じになっちゃうかもです。

 感想としては、まず、主人公である高塚梓ちゃんの性格がいい!
 3の望ちゃんのように華麗な剣裁きで軍を率いることもできないし、4の千尋ちゃんみたいにカリスマ性のある女王様でもないし、5のゆきちゃんみたいに周りに支えてくれる幼馴染たちがいるわけでもない。今回、梓ちゃんの時空移動に巻き込まれた人がいるのですが、3の将臣くんのように何年か前の時代に漂着してしまったため、梓ちゃんはたった一人で、右も左もわからない異世界で生き抜いていくことになります。
 彼女を拉致した鬼の一族に、帝国陸軍は悪い奴らだといわれて接触を禁じられていたため、彼女は鬼の一族の言葉を鵜呑みにし、その後ある事件を起こし、多くの帝国陸軍兵や白龍の神子を傷つけてしまうんですが、その時、梓ちゃんは「元の世界に帰りたい一心で、周りの意見に押し流され、自分で考えようとしなかった」と、傷つけてしまった兵士たちを前に謝罪するんですが、ちゃんと自分の非を認めて、そしてそれが許される世界――最高じゃんな????

 白龍の神子である千代ちゃんは、もともと身体が病弱で、さらに帝都に怨霊が蔓延っているせいで、白龍との会話もままならず、望ちゃんたちが行っていた怨霊の封印などは全くと言っていいほど使えません。なので、怨霊退治は黒龍の神子である梓ちゃんと、梓ちゃんを召喚した帝国陸軍にある怨霊討伐部隊「精鋭分隊」が行うことになります。殴って怨霊を鎮める神子。つよい。
 遙かシリーズに共通することだと思いますが、とても丁寧な描写で、キャラクターに恋愛感情を抱いていく過程がとても良く表現されていますし、そのキャラクターの過去に何があったのか、そういうこともきちんと説明してくれます。
 そして今回は大正時代がモチーフという事で、背景に影絵を使ったデザインを用いて、いわゆる大正ロマンみたいな? よくわかってないんですけど。そういうので滅茶苦茶素敵~~!! ってなります。全然語彙力がない。

 遙かシリーズに共通する戦闘ですが、今回はカードを用いた戦闘になるので、アニメーションとか、キャラクターごとの協力技みたいなのは無いです。そもそも八葉が選定されない黒龍の神子主人公なので、青龍コンビ~~!! みたいなのなかなか無いんですけどね今回。でもシリーズやっている人ならだいたいこいつ青龍、こいつ白虎みたいなのは分かると思います。ただ、毎度おなじみ軍荼利明王などの札を用いた強力な技はあります――が、これほとんどラスボス戦専用みたいな感じですね。ぶっちゃけ戦闘に面白みは無いと思います。二週目以降は戦闘まるまるスキップとか出来るので、面倒な人は一週目だけでも戦闘頑張りましょう。

 とりあえずダリウスルート終わっただけなので、次は有馬っちのルートやろうかな~……ルードくんの好感度がガンガン上がっていく。ダリウスルートも忘れないようにちゃんと感想書こう。一つ言えるのは、ダリウスルートのダリウスは情緒不安定なメンヘラお館様です。普通目覚めない女の子が王子様のキスで目を開ける展開じゃん? 逆だからね。目覚めないダリウスに梓ちゃんがキスしたら目が覚めるからねお館様。立場逆転。あれ、この立場逆転、遙か3のジャケットの九郎さんでも見たな……。