【似非小説】闇の中、蠢く想いの先に
みなさん、お久しぶりです。
覚えていらっしゃいますか、わたしのことを。
もう忘れてしまったかもしれないですね。
K/W先生のことが大好きな、あの、わたしです。
わたしの書いた体験談……あなたは読んでくださいましたか?
あの体験談を読んだなら、その出来事の奇妙さに、あなたはとても戸惑ったことでしょう。
信じては、いないでしょうね。
気がふれている女の絵空事だと、思っていますよね?
わたしもできることなら、嘘だと思いたい。いまだに。
けれど、それが確かに、わたしの目の前で、現実に起こったことだと、心にとどめるためにあの体験談を書いたのです。
あれからも、わたしはK/W先生 のことが大好きで、なんとかK/W先生の力になりたくて、ほんもののK/W先生を救い出せる術がないか、ずっとその方法を考えています。
しかし、にせものは静観しています。わたしの動きを。
わたしは、にせもののK/W先生に監視されているはずなのです。
だから動くに動けません。
あの体験談も、にせものが削除するか隠蔽するか、何らかの対処をするものだと思っていました。
いまのところは動きがありませんが
そのうちわたしの息の根を止めに来るかもしれない。
わたしも、命を奪われるのは惜しい。いまでは、仕事を完全に在宅に切り替え、「引きこもり生活」を決めこみ、できるだけ外に出ない生活を行っています。外に出なければ、向こうもそう簡単に手出しができないんじゃないかと、そう思っているんです。
外の世界の情報は、インターネットから入手しています。ただ、K/W先生の情報を送受信するならば、傍受されている可能性も含め、最低限の通信にとどめています。
暗い、寒い、部屋の中で、寂しくひとり、年末を迎えようとしています。
K/W先生は、元気なのだろうか。
せめて、K/W先生はどこかで幸せに新年を迎えてほしいなと思ったりしています。
12月15日、K/W先生のカフェが、突然また開かずのカフェにもどったときき、わたしはとても驚いたものです。
カフェをしめたのはほんものの先生の意思なのか、にせものの仕業なのか、わかりません。
ただ、来年新作を発表する予定がある……とかで……某エキシビジョンで、ショートショートの企画展示がある……と情報が流れはじめている。これは、ほんもののK/W先生のお仕事だと思う。これはとてもうれしいことです。
よかったら、みなさん来年、先生の作品かどうか確かめに行ってくださいね!そして、わたしにほんものだったかどうか、こっそり教えてくれたらうれしいです。
また、今現在、来年のカフェの営業予定は発表されていないけれど‥‥開かずのカフェに戻ったはずの店内からなにか奇妙な音が聞こえてくるという噂が耳に入っています。
できることなら、直接中野ブロードウェイにいってみて、いろいろ確認してみたい。
どうにか、ふたたびカフェにたどり着く方法がないか、試行錯誤してみたいところだけれど……実行に移すのは勇気がいる。なにせ、にせものと出くわした際には、差し違える覚悟で臨まなければいけないのだから……
もし、あなたがたまたまカフェの様子を見に行って、何か変わったことがあったなら教えてくださいませ。
「引きこもり生活」になってから、わたしはK/W先生の作品をもう一度すべて読み直したり、これまでのK/W先生がたどってきた道をなぞる作業をしています。そうすることによって、ほんものとにせものの判定を正確に行えるように「鍛えて」いるのです。たまにK/W先生が書いたとされる最近の読み物をチェックしていますが、やはり違和感はある。
AIを導入したり、何らかのテクニックで成りすましていても、わたしは騙されない。なぜなら「鍛えて」いるから。
だから、もしもの時があったら、わたしは「動きます」よ?
……と、ここに書くと、にせものはちょっとは慌てるのだろうか。
慌てているといいな。
それではみなさま、よいお年を。
おまけ
せっかくだから、わたしのあれこれ調べた成果をみなさんにも共有しておきましょう。以前、書いた内容の『答え合わせ』だと思ってくれていいです。このへんのデータはもう既ににせものも確認済みでしょうから。
ただし、深入りは禁物ですよ。ハマったら抜け出せなくなります。ここからはもしかするとみなさんにも危険が及ぶしれないので、いったん、内容は別記事に飛ばします。
なんてことないタイトルで別のところにこっそりアップロードするので、気になる人はぜひご覧ください。
周りの人に見られないように、注意してくださいね。
あなたの周りにいる人が、すべて味方だとは、かぎらないので。