
【小説】或る妄想、闇に沈み眠れ(4)
この小説は、完全なるフィクションである。
本気にしてはいけないよ!
カフェの「常連さん」に話を聴いてみよう。そう思った。ちなみにわたし自身は、 K/W先生 に直接会うのがどうも怖くてカフェに遊びに行ったことがまだなかった
『X』で相互フォローしている、カフェの常連「Sさん(S田さん)」とスペースをつなげ話を聴いてみた(スペースとは『X』上で音声を使ったリアルタイムの会話ができるシステムである)。
わたし『突然お誘いしてすみません』
Sさん『いや~変な時間にリクエスト来たからびっくりしました~どうかしました?』
わたし『最近、カフェって特に変わりなく営業していますか?』
Sさん『仕事場から近いし、開いてる時は、できる限り寄ってるんだけど、特に変わったことはないかなぁ…?』
わたし『そうですか』
Sさん『あ、でも…』
わたし『なんですか?』
Sさん『ここ数か月、金曜日を休む分、木曜日に開けることがありましたね』
わたし『え?!ブログやXに書いてありましたっけ?わたし、こまめにチェックしているのに気が付きませんでした』
Sさん『僕も、たまたまふらっと通りがかかって、気が付いただけだから。でも先週の木曜日の営業は、ブログにちゃんと書いてあったかも?最近、開店3時間前に突然内容が書き換わったりするよ』
わたし『そうなんですか』
Sさん『はじめは設備点検とか、先生の体調とか、お仕事の都合とかで変更になってるのかな~って思ったんだけどどうやらそうじゃないっぽいね。詳しくは聴いたことないけど』
わたし『最近の雰囲気はどうですか?営業内容は、特に変わりがありませんか?先生のご様子とか……』
Sさん『う~ん、まぁ、いつも数人常連さんがいて、先生の小説のファンや、ゲーム好きの人が出入りしているイメージなんだけど……最近は、仕事関係なのか、編集者なのか、結構見たことない人が出入りしたりしてますね、最近。先生は健康そう。前よりなんか元気な感じ。』
わたしは、何気なくスペースの聴取人数を見た。
「3人」と書いてあった。
でも参加者のアイコンはわたしと、Sさんだけだ。
スペースは「匿名でリスニングする」というチェックを入れて参加すると、アイコン非表示となり、人数だけが増える。ある意味盗み聞きできるのである。
わたしは咄嗟に、
『内容が、傍受されている』
と感じた。
誰が?何のために?
とりあえず余計なことを言わないようできるだけ自然にふるまう。
わたし『今度、わたしもカフェに行ってみようかな。Sさんは日曜日はお店にいってるんですか?』
Sさん『ええ、たいていはいますよ。仕事帰り、シメとして寄ってるんで』
わたし『じゃあ、いつかお会いできそうですね。会えたらご挨拶させてくださいね!』
Sさん『ぜひ!』
そうして、スペースを終了した。
(つづく)
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