ほんとうにあったら怖い話
俺は、東京都内で喫茶店をやっている。
とはいっても、喫茶店経営は俺の本意ではない。ここは、親父が定年退職後、ズブの素人なのに突然「こだわりのある喫茶店をつくる」といいだし、作った店だ。親父は自分の夢をつめこんだ店がいよいよ開業するという時、ぶったおれてそのまま他界してしまった。開業にあたっては親父の退職金の大半がつぎ込まれていたし、物件を買うために銀行からお金も借りていた。逃げるわけにもいかず…急遽、俺がこの店を引き継ぐ形となったのだった。
競争相手が少ない地域だったこと