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小説とかポエムっぽいもの

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創作小説・よみきりっぽいものまとめ。お時間あればどうぞ。
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#創作

のぞむこと

醜くも美しい創作をしたいなぁ 切なくて儚いならもっといい そしてその創作が 誰かの心にひとかけらでも残るなら報われるね そうやっていくうちに いつか自分と創作との境目がなくなって なにが真実なのか どれが実体だったのか わからない存在になって 消えていきたい (Xでつぶやいたものの再掲です)

恋とは

好きになればなるほど あなたをもっと知りたくて 知れば知るほど あなたから目を離せなくなって あなたの隠されている部分を 暴いてみたくなって もう、後戻りができないところまで来た あなたの鼓動がきこえる あなたの中は こんなにあたたかいんですね あんまり冷たくするものだから 中身も冷えているのではと心配でしたが 安心しました これでやっと 一緒に眠れます 恋とは、ホラーである

狂おしいほどの、

あの日 胸に抱いて 死んでいこうと思った願い 魔法にかけられたように 不意にかなった 触れ合ったとき 気持ちが、かよいあった そう、思った でも、そう思ったのはわたしの錯覚だったのか 愛し方が違うだけ と言い聞かせてみても 逢えず、つのる想いは いくつもの長い夜を重ね 熟成する わたしのなかから あふれ、こぼれおちる愛しさ すべてのみほしてほしい もし、奇跡的に また、逢えたなら 覚悟をしておいて 狂おしいほどの愛しさと切なさで 酔い

味な店

突然だけど、みんな【コンカフェ】って行ったことある? 【コンカフェ】とは【コンセプトカフェ】の略称で、つまりは「コンセプトのあるカフェ」ってこと。 お店はコンセプト=世界観にあわせたメニューや接客・サービスをお客様に提供する。客はそのコンセプトを楽しんで、非日常を楽しむ、ざっくりいうと【コンカフェ】とはそういうところだと思う。一時期【メイドカフェ】が秋葉原をはじめ、全国各地で広まったでしょ。あれも一種の【コンカフェ】だよね。 ポピュラーなものからマニアックなものまで、い

令和米騒動奇譚

深夜、スマートフォンに着信があった。 画面に表示されたのは「実家」……電話に出てみると、お袋からだった。 『親父が大怪我をした。容態が危ない。病院にきてくれ』という。 お袋は軽いパニック状態で興奮しているらしく、言っている内容がなんだかおかしい。すぐにでも駆け付けたいと思ったが、実家は新潟。俺は東京在住。今から車を飛ばしても3~5時間はかかる。 とりあえず、新潟市内に住んでいる妹に連絡して、そばについてもらうように言い、俺は仕事用のパソコンと必要最低限の荷物を用意して

この夏ほしいもの

暑さで火照っているから 甘い香りのバニラアイスなんかを口に含みたい でも食べたらなくなってしまうよね 形に残るものが欲しいけれど 形に残るといつまでも含んでしまったりして 寂しくなるだけなのかもしれず だったらいっそ 形に残らないほうが幸せなのかも とも思う 気持ちが火照っているから 身体が溶け出しそうだから どうせなら 蕩けるほどのやさしさ  が欲しい ……なんて、言ったら ひとつ、いただけます?

勇者さまっ!出番です(お気に入りストーリーまとめ版)

この物語についてこれは、選択肢によって展開が変わる「なんちゃってゲームブック風物語」としてかかれたものを1つのルートで最初から最後まで読めるようにしたものです。今回は、作者:駆動トモミ が一番気に入っているルートをご紹介します。 作者の思惑としては、ゲームブックみたいに分岐点を設けて、読者が続きを選択していくと、それぞれ違うラストにたどり着く、という遊びをしたかったのですが、そうすると結構読みにくく、まんべんなくあちこち読んでほしいな~と思ってもなかなかアクセスしにくいんだ

ボートに乗ったカップルは、

この公園は、広くて緑が多い。 遊具もたくさんある。 大きな池にはボート乗り場もあって 家族やカップルで賑わっている。 みんな癒しを求めてやってくるみたい。 私も小さい頃からここで遊んでいる。 大人になった今でも散歩コースにしてるんだ。 でもね、この公園にはひとつ怖い話がある。 この池のボートに乗ったカップルは、 おひとりさまになっちゃうんだ。 ふたりを引き離しちゃうんだって。 根も葉もない噂だっていわれてるけど… でもきっと本当だよ。 あなただけに私の体験談を教えて

シンギュラリティの憂鬱

むかーしむかし…2020年くらいだったかな? 「AIの技術が進歩すると、ニンゲンのやるべき仕事の役半数がAIに奪われてしまう」とかっていう妄想が流行ってたらしいですね? 実際…ここ2、30年のうちにAIはすごい速さと勢いで普及したんだ。しかもとても良い経済効果をもたらした。それは認める。AIの技術を導入して、瀕死の企業が人件費削減に成功してV字回復したり、画期的なAIを向上に導入した会社が世界トップレベルの企業にのし上がったり、いろんなミラクルを間近で見てきた。 でも、ニ

かつて相棒だった君へ

深夜のファミレスでひとり、仕事で疲れ果ててミックスグリルを食べていた時、一通のSMSがとどいた。 たったひとこと。スマートフォンの連絡帳アプリに登録された人物からのものではないようで、名前は非表示。迷惑メールの類かもしれない。そう思い、特にアクションを起こさず、食べ続けていると、ふたたびメール受信通知があった。 …こいつ誰なんだ? 見当がつかない。なぜなら日常生活で使っているメインの連絡手段は主にメッセージアプリで、SMSはほぼ使っていないからだ。 SMSは電話番号あ

【アレ】に手を出した

いつも、このサイトをチェックしてくれている君、ありがとう。 ここのサイトでいつも作品を読んでいる君なら なんとなく気が付いているんだろうけど ついに、【アレ】に手を出してしまった。 そのことについて告白しようと思う。 わかるよ…ディスプレイの前で、いま君は悲しい顔をしているんだろうな。 だって、あれだけ【アレ】は嫌だなどと書いてきたのに… でも、ここによくきてくれる君だからこそ伝えたかった。 わかってほしい。 ◇    ◇    ◇ ある時を境に、ぼくは空っぽに

ほんとうにあったら怖い話

俺は、東京都内で喫茶店をやっている。 とはいっても、喫茶店経営は俺の本意ではない。ここは、親父が定年退職後、ズブの素人なのに突然「こだわりのある喫茶店をつくる」といいだし、作った店だ。親父は自分の夢をつめこんだ店がいよいよ開業するという時、ぶったおれてそのまま他界してしまった。開業にあたっては親父の退職金の大半がつぎ込まれていたし、物件を買うために銀行からお金も借りていた。逃げるわけにもいかず…急遽、俺がこの店を引き継ぐ形となったのだった。 競争相手が少ない地域だったこと