キコの背中

頭の中で何度も何度も繰り返しリピートされているのは、
色んな声音で呼ばれるわたしの名前。
小栗さんの声。

それがようやく止んだら、劇中で使われるM。

昨夜も、何度か夜中に目が覚めて、でもまた眠った回数だけキコの稽古をしてたなぁ。ずーーっと昼も夜も真夜中も稽古して、朝は準備に走り回ってた。

本当に、多くの変化があった。変革の時。

そのほとんどはずっと一緒にいて一番近くで一番助けてくれた佐藤さんのおかげ。そして最初にゆかさんがいて支えてくれたおかげ。

変わり始めることができたこと。

日程的には中途半端だし至らぬ所もたくさんあるしその仕事も途中で任せちゃったけど、私にとっては初めて、自分がちょっと納得いくキコでした(まだ幕開けてないけど)。少しは、頑張れた。そう言えるような。頑張れたって言っても、みんながリーダーって言ってくれるからじゃない。もっと、違う、何か。
一番近くで一番助けてくれた人の一瞬の甘やかし(洗礼)に、少しだけ自分を褒めてもいいかもな、なんて思いました。

ここからさらに次の一歩を進めることが出来たらどんなにいいだろう、と思う。
ただそれも今にならないと分からなかった気持ち。

それに未来のことはわからない。
だからね、この不可思議な距離感を楽しみたい。

劇団員に倣って公演のために客観性や合理性に基づくことも厭わなかったけど、ここからはそれをみんなに任せるから、
わたしは初期みたいに小栗さんのオアシスになりたい。
劇場にはいないけど。
ここにいます。

これも、祷。届いて。


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