シェイクスピアと木村さん
カクシンハンの「経験不問!演出家・木村龍之介によるシェイクスピア実践入門ワークショップ」に参加しました。
現場がなくなって演劇というものに対してどうあればいいのか見失ってから、初めてと言ってしまうとぽつぽつと繋ぎ止めてくれた方々に申し訳ないのだけれど、照明の仕込みとばらしと観劇だけでは触れようのない、産地直送の熱量がそこにありました。しかも絶えることのない。
懐かしき安心を得て、私にとって「照明をやりたい(やれるようになりたい)」と「舞台が好き」と「演劇しないとしぬ」は明確に違うんだと改めて自覚した日。
たとえば私より何かが好きだったり、熱量を持って何かを遂行する人の言葉は、私にとってすごく力を持つ。それは福祉でもそう。
ただ特にシェイクスピアは、極めて感覚的に「好き」を感じているだけで、理論的なことも歴史もちゃんと勉強したことがない。つまり今の私はシェイクスピアについて言葉で整然と語ることは決してできない。好きだからこそ分かる「決して」。
なんならこの「好き」がシェイクスピアをなのか、蜷川さんをなのか、中越さんをなのかも分からない。全員だけど。
そういうマグマオーシャンかってくらいの超原始的な視界に、言葉が与えられていくのって、すごいチート感あって快感なんですよ。分かりますか。伝わりますか。伝われ。
単に言葉が与えられるという現象自体が私にとってはチートであり、
自分で研究も勉強もしてないのに、美味しい所だけその美味しさを一番よく知ってる人から噛み砕いて教わっちゃうのも、ちょっとずるした気にもなりつつ、その膨大さや底のなさに安堵しつつ、みたいな。
あ、止まらんなこれ。
何にせよ知識以上に本当に好きなんだなあ、一番のファンなんだなあと溢れていたのが素敵すぎると思うんです。
昼の部終わってゼェハァしてらした木村さんが夜始まって喋っていくうちに元気になっていくの、本物への畏怖を感じましたもん(笑)。
私は史劇の重量にやられて普通に疲れました(笑)
。激務続きとか昼夜通しとかを除いても余りあるこの疲労は、まあまず史劇だからです。
ヘンリー八世、大変でしたもの。最後列に座ってただけですけど。
分類で言えば、いつか木村さんの口からロマンス劇の解説を聴いてみたいですね。私も一番好きですから。シンベリンが原始の太陽なので。
昼の部で出会った方とお食事&お喋りしたことで、そういえばシンベリンで始まった私の演劇人生、経験不問のWSにお世話になりまくって色々開けたからここまで来れたよな、なんて思い出したりもしました。
破格の学割を提供してくれたにーなさんと同じように、こういう機会には本当に感謝感謝です。
ご案内いただいたカクシンハン・スタジオは俳優養成なので、座学だけでも受けたいくらいですが自重します。シェイクスピアを喋れる俳優は本当に増えてほしいと私自身が思うので。
機会無駄にすんなよ。枠空いてんだぞ。
私は大人の演劇部を楽しみに待っています。
あとねえ、こんな所に書いていいのか分からないけど、ワンクリックと長駄文を経る人はそんなにいないと思うのでこっそり書きますけど、
いつかカクシンハンの照明やりたいなあ。
いつかご一緒する機会がありますよう、と言われてる周りの役者経験者羨ましかったからな!
私じゃなくてもリヒターでやってるの手伝うだけでもきっと私はすごく喜ぶだろうな。
まったく、祐太さんにどれだけ嫉妬したか……(笑)。
それだけカクシンハンはすごいし私は木村さんが好きになりました。
というお話。