月の窓
今夜の月は満月ではありませんが、大きくて黄色いですね。帰りしな、マンションの窓に大きく映っていてとても不思議な景色でした。仄かに幻想的。
さて本日は非常に手強いクラシック音楽のレポートを専門家の力を大いに借りてなんとか捌き、のち稽古に駆けつけてきました。
着いた時はまだゲームが引き続き行われていて、和室に笑いの渦が巻き起こっていたのですけれども。
すごいmorimori聞こえるんですよね。もりもりもりもり言ってるの。
どうやら目を瞑って鬼を立て、捕まる前に一定数の人間と組んで“山”を作れたら勝ち、その前の“森”の状態で捕まったらその人が鬼となり続く、というゲームのようです。違うかもしれません。
まあ見てるだけでおもしろいんです。
そんな時、小栗さんが言いました。
「もりもり言ってるのおもしろいw 森になろうとするところがおもしろいww」
ふと気付きました。morimoriの響きもおもしろいんですが、繋がろうとして右往左往しているみんなの姿がおもしろいんです。
ある形を生み出そうとしたり、何か別のものになろうとしたり、誰かと繋がろうとする姿って滑稽に映るんだなあと、
いえ別に彼らが滑稽だったわけではありません、
ただそうした真実を示しているようなゲームだなと、思ったのです。
小栗さんがどこまで考えてこのゲームを見守っていたのかは分かりませんが。(爆笑してましたけれども)
今日も小栗節は健在だったので、なんとなくそんなことを考えてしまいました。
小栗節について、稽古内容をどこまで書いていいのか分からないので、「神の左手:coda」のWSの話をしましょう。
シリアスシーンを演じてみよう、という回がありました。お芝居のうまい女優さんが、心臓をぎゅっと掴まれるような悲痛な声で叫んだ瞬間
「逃げろ逃げろ!捕まるな!」
という演出が飛びました。
今でも忘れません。あの時の声音。
そうだ
逃げるんだ
捕まっちゃいけない
そう心から感じて、よく知っているはずの感情の動きを呼び覚まされた気がしました。
もともと普段からおっしゃっていることなのです。重いシーンほどよく聞く演出。というか、人間の心理。
怖い時ほど笑ってしまう。
悲しい時ほど明るい声が出る。
苦しい時ほど元気に振る舞ってしまう。
それは、防衛本能。
それと向き合わせてくれる。
だから私は、キコなら怖くない。考えることも。向き合い見据えることも。
だから進める。
人はそうやって生きていくんだと、言葉にして教えてくれたのが小栗さんでした。
今回も健在です。
そこにいる者が、どう生きるのか。きっと全員が、生きるため形振り構わず笑って笑って命を輝かせるのでしょう。舞台上に集まる25の命の重さは、25個の地球の重さ。
あなたに眼差されるために、わずかの時間、生きます。
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明日18時、一般発売となります。
ご予約: http://ticket.corich.jp/apply/93255/028/
キャスト分けが発表されましたので、そちらも併せて是非。
Twitter: @qui_co_
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キコ/qui-co. 11th study
『 the rat 13-11 』
9/13(木)~9/17(月・祝)@下北沢駅前劇場
今度のキコ/qui-co.は「二本立て同時上演」
「ラット13」の再演と続編にして新作「ラット11」!
詳細 http://www.qui-co.net/
ご予約 http://ticket.corich.jp/apply/93255/028/