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【マチアプ体験談】ガチめのジャニオタ女性に怯えた話

付き合っては振られ、付き合っては振られを繰り返した私はマッチングアプリを去った。

しかし哀しいかな。
私は身も心もマッチングアプリに調教されてしまっていた。
マッチングアプリという鞭が無いと刺激が得られない身体になってしまっていたのだ。

要するにマチアプ以外で出会いの手段を見つけられなかったので出戻ってきたのだ。


次だ。次こそは。
ターミネーターだってエイリアンだって2が名作なのだ。

私だって今回で全米が涙する程のハッピーエンドを迎えてやろうじゃないか。

そう意気込んでいた私だが、早速重めのボディブローをかまされるのであった。



今回マッチングしたのは2個歳上の女性。
写真を見る限りサラリとした黒髪ロングが特徴的。

プロフィールや自己紹介文を読んでも特に変わったことはない。

ただひとつだけ目を引いたのがマイタグ。
(※マイタグとは自分の好みやライフスタイル等を簡潔に相手に伝えられる機能)

そこで彼女が「ジャニーズが好き」ということがわかった。

「ジャニオタはやめておけ」
かつて男性の友人からも女性の友人からもそのようなことを言われたことを思い出した。

が、思い出しはしたがそのことについて深く考えなかった。
「アイドル好きぐらい良いじゃん」
この程度の考えであった私は、そのままやりとりを続け彼女と会うことになった。


初デートは彼女の提案によりオシャレな夜カフェに行くことになった。

お店の近くで待っていると彼女登場。
黒髪ロングでスラリとした体型。ロングコートを華麗に着こなす姿はまさに大人な女性。

久々の対戦相手に否応なしに緊張が走る。



が、それは杞憂に終わった。
彼女もフランクに話してくれるおかげで次第に緊張が解けていった。

今回は席が横並びだったのも功を奏したのかもしれない。
なんか横並びの席は距離が近いためか話しやすい気がする。
今後マチアプデートをする方はオススメなので覚えておいてほしい。
女性の良い匂いも嗅げるしね。



そんなこんなでデートの首尾は良好。
良い感じのまま店を出た。

そして帰路につくことに。
私は電車で来たので駅まで歩こうとした。

そしたら彼女に話しかけられた。
「私は車できてるから駅まで送るよ」と。

なんて優しい女性なのか。
そしてなんとありがたい。
もはや女性に後光が差している。

私はその施しをありがたく受けることにした。


女神様、女神様と拝み奉りながら話していると彼女の愛車が止まっているパーキングに着いた。

「じゃあおねがいしま〜す」
と車の扉を開けると…


あっちにもこっちにもジャニーズ。

ジャニーズが吊り下がってる。ジャニーズアクスタが列挙してる。

私は気圧された。

ここはなにか呪術的な空間かしら?と。
私はジャニーズを召喚するための生贄とされるのかと。


幸い、生贄にはされなかったものの、このジャニーズに触れないわけにはいけない。

訊くと推しのグループがいて、それに熱狂してるとか。
この儀式的空間もその推しグループのメンバーらしい。

とりあえずオススメの曲を聴いたら嬉々として教えてくれた。
その様子は恋する乙女でなんとも可憐だ。
が、その曲をヤンキーの車で流れてるEDMぐらいの音量で流すもんだから大いにたまげた。


そんなこんなしてたら駅に到着。
多少呆気にとられはしたが、好きなものに真っ直ぐなのは良い事。
と思い(込み)ながらその日のデートは終了。

そして2回目のデートに続くのであった。



2回目のデートは居酒屋デート。

居酒屋デート自体は何事もなく無難に終わった。

お店から出た後、まだ時間があったのでカフェに行くことになった。


そこで私は気になっている事。そう、ジャニーズについてもう少し訊いてみることに。


「コンサートとか最近行ったの?」
軽く訊ねたつもりだった。

「最近は東京、福岡、広島、北海道のコンサートに行ってきた」
と彼女は答えた。
この間、約1〜2ヶ月の間。
さらにまだどっか行くらしい。

私はびっくりしてしまった。
かなりのハードスケジュールだし、旅費・宿泊費だって馬鹿にならない。

「そんなに連続で行って公演内容に違いはあるの?」と訊いたら「内容は変わらないけどMCが変わる」らしい。
私にはわからなかった。

加えて結構エグい額のファンクラブの年会費を払っているとのこと。


私はこの時点で圧倒されていた。
私の趣味は読書したり、気になる喫茶店を訪れること。
慎ましい費用のかけ方なので豪快な金遣いの彼女にびっくりしてしまっていた。

たが、自分が稼いだ金をどう使おうとその人の勝手。仕方なし。

しかし私には気になってることがあった。


「彼氏出来てもジャニーズ熱は冷めないの?」

それはそうだ。
せっかく彼氏になったのに他の男を毎週追い回されようものなら気が狂ってしまう。

それに対して彼女は…


「いや、彼氏出来たら興味無くなるんだよね。」

とのこと。


いや、そこまで好きであるなら最後まで好きであってくれよ!

熱量すごいんだろ!?保てよ!と、なんかよくわからないジレンマが生まれてしまった。



なんにせよ、ここで私は彼女がわからなくなった。
彼女はこれまでも何十、何百万円掛けていても一瞬で冷めてしまうことがあるらしい。

その感性が私にはわからなかった。
そしてそれは私にも当てはまるのではないだろうか?
うまくいったとして私も急に飽きられるのではないか?
もう私は捨てられたくないのだ。

そのようにして何ともいえない感情のまま2回目のデートは終わりを告げた。



私は彼女に圧倒されていた。
というか大変失礼な事を承知で申し上げると若干引いていた。

しかし、そのような違いを受け入れるのも男としての器ではないだろうか?
カッコいい男ではないだろうか?

そう考えた私は別れ際にまた会う約束をした。
そして帰宅後にお礼と次の予定のLINEを送った。

が、そのLINEが既読になることはなかった。


おそらく私が引いていたことを彼女は察したのだろう。
女性の勘は怖いものだ。

しかし悪いことをしてしまった。
意図せず相手の好きなものを否定することになってしまったのだ。
今回傷付いたのは彼女であろう。

大変申し訳ないと反省の試合終了であった。



今回のマッチングアプリ再起戦は私の未熟さにより失敗に終わった。

やはり自己鍛錬は怠ってはならないと肝に銘じて次に向かうのであった。
そして銘じただけで何もしないのであった。

続く…

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