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【マチアプ体験談】アプリを捨てた私は空っぽになった
私はアプリで2人の彼女を作った。
その事実だけみれば「まぁ!なんてすごいのかしら!素敵!」となるだろうが、その後の顛末は悲惨そのものだった。
1人目の彼女は、こちらが何をしても塩対応。
それを怪しく思いマッチングアプリを覗いてみたら、普通にログインして活動してた。
私は彼女にとってキープ要員の1人でしかなかった。
2人目の彼女は、こちらが何をしても塩対応。
それを怪しく思いマッチングアプリを覗いてみたら、普通にログインして活動してた。
私は彼女にとってキープ要員の1人でしかなかった。
あれ?私タイムリープしてる?
私は2人と付き合ってその2人に同じように私の純情を踏み躙られたのである。
八百万の神々よ。こんなことが許されていいのか?
神無月の縁談会議に私の名は挙がらなかったのか?私は今ボコボコにされていますよ。
そういった経緯があり、私は一つの結論に辿り着いた。それは…
マッチングアプリはクソ。
という結論だ。
こうして私は負の感情を指先に込め、アプリを退会・アンインストールしたのであった。
アプリを捨てた私は、それはそれは晴れやかな気分だった。
毎日神経を擦り減らしてメッセージを送る必要も無くなった。
休日にデートに行く必要も無くなったので、気ままにゴロゴロしたり、デートでは行けないような静かな喫茶店に赴いたりとのびのび過ごせた。
私は心が疲れていたのだ。
休日こそ、こうやって身も心も休めないといけないのだ。
やはりアプリを辞めて正解だった。この時は私はそう思っていた。
ところが、その生活がしばらく続くと私は自分の中のある感情が芽生え始める。
日々のんびり過ごすのは体も休まる。
好きなことができるのは楽しい。
けれども…
けれども…
退屈なのだ。
刺激が足りないのだ。
穏やかな生活、かつて私が憧れ求めていたものだったはず。
しかし今の私の心はマッチングアプリにより調教されてしまっていた。
1人でモソモソするのでは物足りなくなっていたのだ。
それと私はまだ恋愛への憧れを捨てきれずにいた。
「彼女がいたらこんなお店行きたいな」
「彼女がいたらこんなイベント一緒にしたいな」
あらゆる場面でその思いが胸を揺すぶった。
穏やかな生活はもはや私にとっては穏やかでは無くなっていた。
やはり私は恋人が欲しかった。
私はどうすれば彼女が出来るのかを考えた。
普段の生活での出会い?
そんなものは全く無い。
友達からの紹介?
そんなツテは無い。
街コン?婚活パーティ?
ちょいとコスパが悪いだろう。
私は思考した。
何か、何かないのか。
だが、めぼしいものは思い付かない。
思考の闇が広がっていくばかりだった。
しかし、そんな闇の果てに怪しく光りながら鎮座しているものがあった。
マッチングアプリだ。
またお前か!
く、くそ!お前しかいないのか!
確かに街コンよりコスパが良い…
何百何千と女性がいるからチャンスだって多い…
だ、だが…その誘惑に釣られて私はボコボコにされたではないか!
そんな否定をしながらと頭の片隅ではわかっていた。
「お前が恋人を作れる機会はマッチングアプリしかない」
と。
私の心と脳の一部は既にマッチングアプリに調教されていたようだ。
こうして私はマッチングアプリを再インストールした。
ハッピーラブラブな未来を信じて、再び地獄へ足を踏み入れるのであった。
続く…