自創作についてまとめてみることにした(3)『天上日誌』
『天上日誌』
登場人物は「ニカ」「緋浮」「溺」。
それぞれ、神、天使、悪魔、的な存在でありながら、やりとりは非常に人間臭い。
しかし忘れてはならないのは、人の生き死には全て彼らの手中であるということ。
天使と悪魔の業務内容はただ目標たちを「生かす」か「殺す」かの違い。
彼らが見下ろしている世界は『永久思考の囚人たち』と『蟲sが走る』。そして、目標としているのは「紅蘭」「九科」「蓬莱」「亜紀」「埜」「虎里」である。
つまるところ、圧倒的に悪魔である「溺」の営業成績の方が優秀であるということ。
「ニカ」
黒く塗りつぶされたような大きな目と、縫い合わされた口のついた顔は動かない。瞬きをして言葉を発する顔は「ニカ」の胸元にあり、非情に不気味。その金色の目と視線が合ったプレイヤーはSAN値チェックです。
部下を思いやる優しい上司であり、人々の生き死にの数を部下の仕事の成果として計算するただの機械でもある。
「緋浮」
天使。白く透き通った髪は無造作で、ネクタイをきっちり締める気もない。
事務的に自身の仕事である「目標を生かす」ことを続けているが、「溺」に負け続けているという営業成績が物語るように、そうして心を殺して仕事をこなさなければ彼自身がとっくに壊れているだろう。
のちの記事でも触れる【矛盾】に気付いているが、自分の存在の確立を重んじて見ないふりをしている。
「溺」が遊びで増やした時間軸に降りては目標の側でその命を守ることもあるらしい。
「溺」
悪魔。「緋浮」には痛める心があったのに対し、「溺」にはそれが欠片もない。欠片の微塵すらない。
目標を死ぬ運命に導くことは仕事である反面彼女の遊びでもあり、時折悪戯に時間軸を増やしては別の生き方に進んだ目標たちを眺めて甚振って遊ぶこともある。
彼らは確かに天上の存在ではあるが、その天上すら作られた場所である。
神である「ニカ」は決して自由ではなく、その背中には無数のコードが見えないどこかに繋がっている。
「緋浮」も「溺」も、自身が機械の一部である自覚があるようだ。