自創作についてまとめてみることにした(4)『データ上の空論』
『データ上の空論』
登場人物は「巌衣」「トキ」「朱兎」「ハクム」
彼らが暮らすのは電子世界。そこで目覚めた「ハクム」は自身に割り振られた仕事が何かわからず、とりあえず近くに浮いていた自分と同じ形のフォルダに声をかけてみた。
そのフォルダは、頭痛がするほど見覚えのある顔をしていた。
「巌衣」
男性型。かっちりとしたスーツにモノクル。真面目。
『天上日誌』のデータを管理している。
「トキ」
男性型。少し着崩したスーツに時計機能を有したお面。
『蟲sが走る』のデータを管理している。
「朱兎」
女性型。軍服のようなものの上に厚手のジャンパーを羽織って、マスクをつけている。
『永久思考の囚人たち』のデータを管理している。
「ハクム」
作られたばかりのファイル。
何も知らないはずなのに、何か大事なことを知っている気がする。
彼らが暮らす電子世界は『無題』のハイタカの持つPC内に存在している。
ここから、既に決まっている物語の進行
電子世界に生まれ落ちた何も知らない「ハクム」と、
現実世界で転院したてで孤立している「諒」の目線が同時進行する。
「ハクム」と「諒」は同一人物であるが、時系列的にいえば「諒」が後に「ハクム」となる形。
小説内では視点が交互に描かれるよって感じ。
この、電子世界内が『データ上の空論』っていう括りの世界線で、現実世界の話は「ハイタカ」が登場するので『無題』と混じってる感じ。
今さら言うのもなんだけど、『 』これは「小説の題名」じゃなくて単なる「自創作たちをグループ分けした時のグループ名」にすぎない。
だから、小説にした場合、2つの『 』の登場人物が同時に出てくることなんてしょっちゅうだよ、わからんけど、そうなることもあるかもね、って。
話を戻して。
またのちに解説することになるけれど、『無題』の「ハイタカ」は『ARMADILLO』の「鴇羽茜」の協力を仰いで、電子世界に人間の意識を移すなんてことをしていて、その実験の一環として『蟲sが走る』で名前だけ登場した「朱莉」と「諒」の意識を電子世界に送り、「朱兎」と「ハクム」として泳がせているんだね。
ここで前回に少し触れた【矛盾】が生じている。
「朱莉」と「諒」が存在した世界には『蟲sが走る』の「金藤亜紀」「綿口埜」「竹野虎里」が同時に存在している。
けれど、「朱莉」が「朱兎」に、「諒」が「ハクム」になったPCも同時に同じ世界にあり、そのPC内のフォルダには『蟲sが走る』の世界がデータとして保存管理されている。
いたちごっこみたいに、そこにあったはずの現実がデータとして管理されているんだよね。おかしいね。
これについてはちょっと頭痛がするから詳しく考えていないんだけど、結果的に「ハイタカ」や「鴇羽茜」がやってきたその研究は正しかったのか?ってとこに落としたいから、まあこういう矛盾をタネにしてもいいかなって思ってるところがある。
ところで、そういえば『永久思考の囚人たち』の「京」って『ARMADILLO』の「鴇羽茜」って話じゃなかった?お前自分が研究した電子世界に囚われてんの?って感じになってるかもしれないんだけど、もうちょっと設定詰めてさっきみたいな【矛盾】に対応するための実験ってことにならないかな。
ところで「巌衣」は、『ARMADILLO』に登場する「織部紺」っていう、「鴇羽茜」の幼馴染の意識が元になってるっていう設定は、いつか生きるときがくるかな。
『ARMADILLO』については次回かもしれない。